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■防災対策が出来ているか、指さし確認しましょう!
災害大国の日本。「備えあれば憂い無し」の精神で防災の意識を常に持ち続けていたいものです。3月11日は、その大切さを改めて噛みしめるタイミングでもあります。
日頃から色々な準備を各自されているとは思いますが、指さし確認のつもりで、クルマにまつわる防災対策を今一度見直してみませんか?
●防災用品を車載しておこう
万一、運転中に地震や悪天候などに見舞われ、足止めを余儀なくされた場合に備えて、愛車に防災用品を積んでおくと安心です。ただし、クルマの空間は限られているため、命を守るために必要なものを最優先して搭載しておくことが肝要です。
飲料、食料、防寒具、携帯トイレなどはもちろん、予備のメガネや常備薬、乳児がいる場合は液体ミルクやおむつ、ペットがいるならフードや予備の首輪・リードなど、自分たちに何が優先なのかを意識して車載しましょう。暑い季節には虫除けスプレー、寒い時期なら手袋や使い捨てカイロ、寝袋、毛布などがあると良いでしょう。
なお、クルマの中は寒暖差が非常に大きく、食料や飲料の長期保存には不向きです。車載する場合は、長期保存に向く非常用アイテムを選び、賞味期限も定期的にチェックしておけば安心ですね。
また、各自動車メーカーや、アイリスオーヤマなど生活用品を扱うメーカーでは、車載用の防災グッズセットを販売しています。
たとえばトヨタ自動車の「純正車載防災セット」(1万3200円)は、「手回し充電ラジオライト(USBジャック付)」「レインコート」「軍手」「アルミブランケット」「マスク」「非常用ホイッスル」「レジャーシート」「タオル」「携帯トイレ」「防災ウェットタオル」「給水袋(容量3リッター)」をセットにしたうえで、自身で水や食料を補充するスペースも確保したリュックタイプの搭載ケース(幅300×高さ420×奥行き140mm、容量15リッター相当)に収納しています。ラゲージ搭載を見込んで、ずれ防止マジックテープがついた細やかな仕様になっているのも特徴です。
アイリスオーヤマの「車載防災セット」(4378円)は、バックルコンテナの中に「トイレ処理セット」「トイレ用ポンチョ」「ティッシュ」「ハンディウェットティッシュ」「アルミブラケット」「貼るカイロ」「アルファ化米 わかめご飯」「保存水」をまとめて入れておけるようになっています。重量は2.2kgでサイズは幅345×高さ205×奥行き165mmとコンパクトに搭載できるセットです。
●災害発生時の交通状況を把握しよう
災害時、刻々と変化する道路状況を把握するには、国土交通省が発信している「災害時における通行可否の情報(通れるマップ)」が役立ちます。マップ作成にあたってには、ホンダ、パイオニア、トヨタ、日産、いすゞ、ボルボグループ(UDトラックス)、日野自動車が協力しています。
また、トヨタは直近24時間の通行実績をリアルタイムで地図上に表示する「通れた道マップ」をウェブ上で公開。ホンダも災害時には該当エリアの通行可能な道路の参考情報をYahoo!地図に「インターナビ通行実績情報マップ」として公開しています。
●ノウハウを学んでおこう
万一の際に備えておくべきは物だけではありません。頭の中に、必要な知識やノウハウを蓄えておくことも重要です。
トヨタは自社サイトの「トヨタの防災」ページ内で、「ドライバーが身に付けておくべき防災豆知識」など、災害時に役立つ情報を公開しています。
たとえば「クルマのなかで地震の揺れを感じたら」の項では、地震を感じたらハザードランプを点滅させて道路左側に停車し、クルマを乗り捨てる場合はロックせずキーをつけたまま連絡先を残して避難するなど、必要な流れを解説。他にも、クルマの給電システムで出来ること、身近なもので応急手当や感染対策をする方法、災害時の調理・食事に使える小技などが細かく解説されています。
なお、災害や大規模な事故が起こったときに先頭を切って支援活動をする自衛隊が、いざというときのライフハックを発信している公式YouTubeチャンネルでは、「もっておきたい保存食」の回で意外なアイテム紹介をしています。
保存食といえばパックのご飯や乾パンなどが定番ですが、自衛隊がおすすめしているのが「スイーツ缶」。「被災して心細い環境にあるときこそ、甘くてやわらかく、食べやすいものが欲しくなる」というのがその理由です。厳しい現場を見てきた彼らだからこそ、心が満たされることの大切さをよくよく知っているのでしょう。
また、同シリーズの「家にあるものをランプにする方法」では、バターに爪楊枝で穴を開け、綿紐を入れてろうそく代わりにするというハックが紹介されています。
ほかにも、けが人の運び方(一人で運ぶ編、二人で運ぶ編)や、上空から見つけてもらう方法、初期消火の基礎知識など、知っておいて損はない情報の数々が分かりやすくショート動画でまとめられているので、時間のあるときにチェックしておくことを強くおすすめします。
もしもの時のために、できることからひとつずつ。今日は防災について、家族や知人と話し合ってみませんか。
(文・三代やよい)
【関連リンク】
・国土交通省「災害時における通行可否の情報(通れるマップ)」
https://www.mlit.go.jp/road/bosai/toorerumap/index.html
・トヨタ自動車「通れた道マップ」
https://www.toyota.co.jp/jpn/auto/passable_route/map/
・トヨタ自動車「トヨタの防災」
https://toyota.jp/bousai/