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■これまでのHEVに加え、新たにPHEVをラインナップ
トヨタ自動車が2016年12月、デザインと走りに徹底的に拘ったSUVとして国内市場に投入したSUV「C-HR」。発売翌年の2017年には、月販目標台数である6,000台を上回る9,775台/月を販売。
SUV販売台数で1位になるなど人気を博した同車ですが、近年はモデル末期ということもあり、2021年は1,508台/月、昨2022年は984台/月と販売が低迷しています。
そうしたなか、同社は2022年12月5日に欧・豪州向けWebサイト上で「C-HRプロローグ」を公開しました。
2021年12月14日のトヨタによる「バッテリーEV戦略に関する説明会」で公開済みのBEVコンセプトモデル「Small SUEV」をベースにしており、南仏にある同社の欧州デザイン開発本部(ED2)がデザインを担当。
当初は米ロサンゼルス オートショー2022で公開されたBEV仕様のコンセプトカー「bZ Compact SUV Concept」が次期C-HRのベースになるとみられていた経緯があります。
●新型プリウス似の「ハンマーヘッド」顔を採用
ラジエターグリルが追加設定されており、新型プリウスに似た同社が“ハンマーヘッド”と呼ぶ「コの字」型DRLを採用。
サイド廻りではドアミラーが小型カメラ化されていますが、テスト走行車の目撃情報などによると、市販車では通常のドアミラーが装備されているようです。
リヤドアハンドルはドア後部のCピラー部に格納され、すっきりとしたサイドビューを実現しており、バイトーン塗装により一見、リヤドアの無い2ドア風に見えるのが特徴。
ダイヤモンドをモチーフにしたレリーフや、張り出し感の強いリヤフェンダーが目を惹くと共に、大径アロイホイール装着などにより、コンパクトスポーツSUV然とした佇まいになっています。
現行モデルはデザイン重視で、後席の居住性や後方視界を割り切った面が見受けられますが、新型ではスポーティなエクステリアデザインを採用しながらも、現行モデルより室内空間を拡大しているそうです。
●2023年1月30日に欧州で生産開始。日本導入は?
新型C-HRにはHEV(ハイブリッド車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を設定。
2代目となる新型を電動パワートレーンのみとするのは、競争の激しい欧州市場でCO2削減を図るというトヨタの狙いが背景にあるようです。
新型C-HRは同社の電動化戦略を強化する役割を担っており、欧州の自動車市場で最も競争の激しいセグメントにおいて、カーボンニュートラルの達成と電動化の幅広い選択肢を提供することになります。
2023年1月30日にはTMMT(トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・トルコ)工場で新型C-HRの生産をスタート。
TMMTはトヨタにとって、PHEV車の生産を開始する欧州初の工場となり、2023年12月には工場内に駆動用バッテリーの生産ライン(7.5万個/年規模)を併設。
こうした新型C-HRの情報は、欧・豪州向けを中心に展開されており、北米市場向けには、一回りボディサイズが大きな前述の「bZ Compact SUV Concept」ベースの電動モデルが投入される模様。
国内市場においてもカローラ クロスが発売以降、月平均4~5,000台ペースの販売を維持するなど安定した人気を誇っており、新型C-HRの国内導入については不透明な状況で、今後の動きが注目されます。
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