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■まだ信じられないケン・ブロックの急逝
2023年1月2日、DCシューズの設立者であり、総再生回数10億回を超える「KEN BLOCK’S GYMKHANA」で世界中のファンを魅了したケン・ブロックが、スノーモービルの事故で亡くなったと発表されました。
実は私、ケン・ブロックの大ファン。2014年に中部国際空港セントレアで行われたイベントを観に行った時の飛行機で、クリッカー小林編集長と出会ってから、このお仕事がスタートしました。彼なくして今の私はない、特別な存在でもあるんです。
2016年にトーヨータイヤとパートナーシップを結んでからは東京オートサロンに来てくれるようになり、毎年幸せな年明けに。会うたび優しく接してくれ、その人柄にも魅了されっぱなしでした。
しかし、新型コロナウイルスの影響でなかなか来日できず、「まるで織り姫と彦星のようね」と思っていたら(勘違い)、【東京オートサロン2023】に出演すると発表があったのです!
最後に会ったのは2020年。ようやく会える!! 発表があってからというもの、嬉しすぎて毎日トーヨータイヤの特設サイトをチェックし、しまいには出身国のアメリカ国旗がデザインされた洋服まで買ってしまうという(笑)。
その矢先に突然の悲報です。でも、どこかで信じたくない自分がいて…。SNSを開く度にケン・ブロックの記事ばかりだったので、見ないようにしていました。
【東京オートサロン2023】へ行くのも戸惑っていたのですが、トークショーを行う予定だったTOYO TIRESブースで追悼特別企画をやるというではないですか。これはファンとして行くしかない。
●川畑真人選手、マッド・マイク選手が語ったケン・ブロックとの思い出
会場に到着しTOYO TIRESブースが見えた瞬間、ケン・ブロックとの思い出が走馬灯のように駆け巡りました。「あぁ、いつもならもうすぐ会える!って思うのに。もうここにはいないんだよな」と、現実を目の当たりすることになり、涙をこらえるのに精一杯。
追悼特別企画では、生前一緒にトークショーに出演したD1GP(全日本プロドリフト選手権)チャンピオンの川畑真人選手と、世界的なドリフトドライバー、マッド・マイク選手がケン・ブロックとの思い出を語ってくれました。様々なエピソードがありましたが、なかでも一番ほっこりしたのは食の話。
「東京オートサロンで一緒に食事をする機会があったんですけど、けっこう好き嫌いが激しいんですよ(笑)。なんでも食べそうな見た目をしていますけど、そこはデリケートな部分があったりとか。そういう一面も一緒にいる時間の中で見ることができたので、そこで『スーパースターでも苦手なものがあるんだな』と思って人間としてもファンになった瞬間でした」(川畑選手)。
私も何でも食べそうだなぁと思っていたので、川畑選手の話を聞いてびっくり! 嫌いな食べ物は何だったのだろう、どんなリアクションをしたのだろう、もっともっといろいろな姿を見たかったな…と思わずにはいられませんでした。
一方、日本食が大好きだというマイク選手は「2020年の東京オートサロンで、トーヨータイヤのはからいで自分のバースデーケーキを用意してもらって。ケンがそこにいて一緒にお祝いをしてもらったことは今でも良い思い出です」と素敵なエピソードを話してくれました。
●特別編集映像と実車の展示も!
そして、スクリーンには特別編集映像が。「KEN BLOCK’S GYMKHANA」シリーズは何度も見ているはずなのに、毎回度肝を抜かれるのは不思議です。映像を見ても、やっぱり彼がいなくなってしまったことが信じられなくて。世界のどこかで撮影しているのかなぁと思ってしまいました。
一瞬たりとも目が離せない、キレッキレなパフォーマンスとは対照的な優しい笑顔。川畑選手とマイク選手が「パフォーマンスはもちろん、人としても素晴らしかった」と、口を揃えて言っていたことが納得できます。だからこそ、世界中のファンから愛され続けていたのでしょうね。あぁ、会いたい(涙)。
この特別映像はトーヨータイヤ東京オートサロン2023 スペシャルサイトで見る事ができるので、ぜひ見てみてください! ハンカチの準備もお忘れなく。
ブースには、ジムカーナシリーズ最新作「ELECTRIKHANA」でケン・ブロックが操ったAUDI S1 e-tron quattro Hoonitronが展示されていました。ここに乗っていたのかと思うと、またまた涙が…。
1980年代の、伝説ともいえるラリーカー、Audi Sport quattro S1をオマージュした特別仕様レーシングEV(電気自動車)は、今までのクルマと比べてどのような違いがあったのか、衝撃的だったカジノのエントランスでの撮影秘話など聞いてみたかったです。
行くのを戸惑っていた【東京オートサロン2023】。ケン・ブロックの生きた証をしっかりこの目に焼き付けることができて、行って本当に良かったです。
トーヨータイヤさん、実車を展示してくれて、追悼特別企画をしてくれてありがとうございました。まだまだ悲しみからぬけることができませんが、一つ区切りができました。
ケン、今までたくさんの興奮と素晴らしい思い出をありがとう。あなたの走り、優しい笑顔は一生忘れません。雲の上でのジムカーナも楽しんでね。
(yuri)