■音声でも操作できる最新世代のエアコンシステムを搭載
フォルクスワーゲンは、同社初となるセダンタイプのバッテリーEV(BEV)である「ID.7」のコンセプトカーを、2023年1月4日に発表しました。
BEVが先行する中国ではセダン人気が根強く、世界的なSUV人気の中にあっても、古くから中国を重視してきた同社としてはセダンのニーズに応えるのは必須といえるでしょう。
「ID.7」は、2023年1月5日〜8日に米国ラスベガスで開催される「CES2023」で初公開される予定になっています。「MEB」と呼ぶBEV向けモジュラープラットフォームを使い、航続距離は最長で700kmに到達するそう。
同セダンは、フォルクスワーゲンが2026年までに発売を予定している10モデルのうちの新型BEVで、上位セグメントに属するモデルになります。
「ID.7」は、「Buzz7」に続く、ID.シリーズの6番目のモデルでもあり、「ID.4」に続き、MEBをベースとした2番目のグローバルカーでもあります。
「ID.7」は、フォルクスワーゲン本社によると、中国、欧州、北米の3つの主要市場に投入される予定としています。欧州市場向けのID.7は、ID.4と同様にフォルクスワーゲンのエムデン工場で生産される見込み。気になる日本への導入は、現時点ではアナウンスされていません。
ホイールベースは、約2.97mで、ほかのID.シリーズと同様に、ショートオーバーハング、ロングホイールベースを備え、広大なキャビンスペースが期待できます。また、セダンの特徴として、空力特性に優れたフロントセクションとルーフを備え、電費の向上と航続距離の延長に寄与。
フロントエンドに配置されたエアインテークは、前から流れてくる空気を車体側面から後方に誘導。このエアインテークがエアカーテンを形成し、ボディ側面の気流を穏やかにします。ルーフは、後方に向かって傾斜していて、秀逸なエアロダイナミクスに貢献しているそうです。
注目の機能は、新世代のエアコンで、キーを携行して車両に近づくと、エアコンが自動で作動。夏場は車内を冷やし、寒い日にはあらかじめ暖めてくれるそう。
また、乗員が「ハロー、フォルクスワーゲン、手が冷たいよ」と発話すると、ステアリングヒーター機能を作動させ、手に温風を向けるなどの機能も用意されます。
(塚田 勝弘)