■初EVではサスペンションのチューニングがスペクター開発の焦点
ロールス・ロイスが、2023年にも発売を計画しているブランド初の量産EV「スペクター」の最新モデルを捉えるとともに、そのコクピットを鮮明に撮影しました。
スペクターのプロトタイプが公開されてから約1年が経過、その間スペクター開発の進歩に関する画像をはじめ、スパイショットを多数捉えてきましたが、ニュルブルクリンクでの撮影は初めてです。
“緑の地獄” として知られる世界最難関サーキット「ノルドシェライフェ」に出現したプロトタイプは、驚くほどフラットに見えます。
サスペンションのチューニングがスペクター開発の焦点となっていましたが、カメラマンによると、コーナーでは同社の代名詞「マジックカーペット」(魔法の絨毯)のなめらかな走りを感じたといいます。
また同社CEOのTorsten Muller-Otvos氏が、メディアに「テスラのような滑稽なモードを搭載することはありません。それは私たちの意図ではありません。スペクターは、その最も印象的な形で漂流性を提供します。それは、ガルフストリーム社のプライベートジェット機が離陸した感覚です」と語っており、その乗り心地に注目が集まります。
激写したキャビン内は、フルデジタルインストルメントクラスターやディスプレイが以前のものより鮮明に映されています。それはエアコン吹出口やセンタースタックに同社SUV「カリナン」と類似点が見られるほか、BMWのカーブド(湾曲)ディスプレイに似た2面ディスプレイを備えているようです。おそらくBMWのインフォテイメントソフトウェア、「iDrive8」のロールス・ロイス専用バージョンを採用するとみられます。
スペクターは2ドアクーペですが、BMWのプラットフォームをベースとした「レイス」とは異なり、「カリナン」「ゴースト」「ファントム」と共通の「Architecture of Luxury」アルミニウムスペースフレームを採用します。
EVスペックは、BMW「i7」と大部分を共有すると噂されており、120kWhのバッテリーとデュアルモーターを搭載、最高出力600~650psを発揮、航続距離は700kmと予想されています。
スペクター市販型のワールドプレミアは、2023年内に期待できるでしょう。