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■スズキ原付二種スクーターが国内で復活?
スズキは、ドイツ・ケルンで開催されている2輪車の国際見本市「インターモト(2022年10月4日〜9日)」において、新型の原付二種スクーター「バーグマンストリート125EX」を世界初公開。
また、すでに発表されている新型の「アドレス125」と「アヴェニス125」もあわせて、3機種を2023年春から順次欧州で発売開始することを発表しました。
スズキの原付二種スクーターは、現在、国内市場ではすべて生産終了となっていることもあり、これら新型が日本でも発売されるのかが気になるところです。
●バーグマンストリート125EX
今回、欧州で発表された新型の原付二種スクーター3機種は、いずれもインド市場などで先行発売されているタイプを、欧州市場向けに保安部品などの仕様変更を施したモデルのようです。
まず、バーグマンストリート125EXは、外装などに細部までこだわりの詰まった高級感のあるデザインを施したラグジュアリースクーターです。インドでは「バーグマンストリート」という名称で販売されています。
パワートレインには、124cc・空冷4ストローク単気筒の「SEP-α」エンジンを初採用しています。これは、従来からあるSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンをアップデートさせたもの。
燃焼効率を上げてフリクションロスを低減することで、パワーを落とさず低燃費を実現するのがSEPエンジンです。
SEP-αは、それをベースに停止時にエンジンを自動で止めるアイドリングストップシステムや、エンジンを静かに始動させるサイレントスターターシステムを組み込むことで、より環境などに考慮した仕様です。
バーグマンストリート125EXは、このエンジンの採用で、最高出力6.3kW(8.6ps)/6500rpm、最大トルク10.0N・m(1.01kgf-m)/5500rpmで、52.6km/Lという高い燃費性能を実現します。
装備では、フル液晶ディスプレイや巡行時に足を前に出せるフットボードを設定。左右の足元付近を絞り込んで足つき性を高めたカットフロアボードを採用するなどで、日常での使いやすさと高い快適性を実現しています。
さらに、純正アクセサリーとして27Lの大容量トップケースや、寒い日に手を温めるグリップヒーターなども用意することで、毎日の通勤・通学など日常の足での実用性や快適性も追求しています。
●アドレス125
新型のアドレス125は、日本でもおなじみの原付二種の通勤快速スクーターです。新型は、インドで「アクセス125」として2019年12月より販売しているモデルの欧州仕様となります。
新型の主な特徴は、街になじむクラシックなボディデザインと、視認性の良いLEDを採用したヘッドランプやポジションランプなど、最新技術を融合させていること。
また、フラットで広々とした足元スペースと広く座り心地の良いシートにより、快適なライディングポジションを実現しています。
ほかにも、盗難を抑止するシャッター付きキーシリンダー、シート下トランクスペース、左フロントインナーラック、USBソケットなど、使い勝手の良い装備が充実しています。
なお、新型アドレス125のエンジンには、従来から定評がある124cc・空冷4ストローク単気筒の「SEP-α」エンジンを採用。最高出力6.4kW(8.7ps)/6750rpm、最大トルク10.0N・m(1.01kgf-m)/5500rpm、燃費性能は52.6km/Lを記録します。
●アヴェニス125
新型のアヴェニス125は、インド国内で2022年1月より販売しているスポーティなスタイルのスクーター。インドでは「アヴェニス」の名称で販売されています。
主な特徴は、流麗かつダイナミックなボディ、ボディマウントしたLEDヘッドランプ、2灯式のLEDリヤコンビネーションランプなどにより、俊敏で軽快なイメージのスタイリングを採用していること。
また、総重量107kgという軽量な車体とアドレス125と同様のSEPエンジンにより、きびきびとした走りを実現します。
ほかにも、赤ステッチ入りツートンカラーの専用シートは、滑りにくさと足つきの良さを両立。停車時にリヤタイヤをロックするリヤブレーキロック、フル液晶ディスプレイ、シャッター付きキーシリンダー、USBソケットなど、使い勝手がいい装備も満載です。
●欧州仕様をベースに国内仕様が出る?
スズキの原付二種スクーターは、前述の通り現在すべて生産終了となり、ラインアップがありません。これは、おそらく令和2年排出ガス規制の影響などが考えられます。
一方で、現在国内ではユーロ5など欧州の排気ガス規制値に準じていますので、これら欧州仕様の新型モデルをベースとした国内仕様が2023年に登場する可能性は十分にあります。
原付二種スクーターは、日本でも通勤・通学、買い物などの日常の足から、ちょっとした近場へのツーリングなど、幅広い用途で使えることで近年人気のジャンル。
これら3モデルすべてが日本に投入されるかどうかは分かりませんが、スズキ製の原付二種スクーター復活に期待したいものです。
(文:平塚 直樹)