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■前後17インチホイールや倒立フォーク採用
カワサキは、海外で先行販売していたスーパーモト・スタイルの新型モデル「KLX230SM」を国内導入することを発表しました。
オフロードモデル「KLX230S」をベースに、前後17インチのロードタイヤや倒立フロントフォークなどを採用し、ストリートなどで俊敏な走りを実現するのがこのモデル。
国内では久々に発売されるスーパーモトだけに、昔からのファンにはかなり注目のモデルです。
●スーパーモトとは?
新型のKLX230SMは、スーパーモトやスーパーモタードと呼ばれるジャンルのバイクです。
スーパーモトは、舗装されたアスファルト部分と一部ジャンプなどがある未舗装のダートを入り混ぜたコースで行われるスピード競技のことです。
アメリカや欧州で人気が高いこのレースに参加するバイクは、オフロードバイクをベースにロード用タイヤなどを履かせることで、アスファルト路面での高速コーナリングなどにも対応した仕様です。
そして、そうしたスタイルが、街乗りバイクでも人気となり、オフロードバイクをベースとしたカスタムが流行。その後、各国内メーカーでも、250ccのオフロードモデルなどをベースとした市販モデルを続々と発売し、2000年代前半頃に大ヒットします。
一番の魅力は、ストリートはもちろん、ワインディングやサーキットでも、軽量な車体や低速域からの太いトルク特性などを活かした俊敏な走り。ところが、国内では、近年、人気が沈静化したこともあり、スーパーモトはラインアップからほぼ消滅。
いまだに人気が高い欧州などのメーカーが販売するのみで、国産バイクでは新車が買えない状況が続いていました。
●エンジンをファインチューニング
そんな中、登場したのが、カワサキのKLX230SM。オフロードモデル「KLX230S」をベースにしたこのモデルは、外観に前後長が短く、シャープでコンパクトな小型LEDヘッドライトを採用するなどで、スポーティなスタイルを演出しています。
搭載するエンジンは、KLX230Sと同じ232cc・空冷4ストローク単気筒。最高出力19ps/7600rpm・最大トルク1.9kgf-m/6100rpmというスペックは変わりませんが、スーパーモト向けにファインチューニングを施すことで、扱いやすく、粘りのあるエンジン特性を実現します。
足まわりでは、まずホイールをKLX230Sのフロント21インチ、リヤ18インチから前後17インチに変更。タイヤも、オンロード用のフロント110/70-17、リヤ120/70-17サイズとすることで、街乗りからツーリングまで、軽快で快適な走りを実現します。
フロントサスペンションには直径37mmの倒立フロントフォークを採用。スーパーモトに相応しい外観とフロントまわりの剛性アップに貢献します。
リヤサスペンションには、ニューユニトラック式サスペンションを採用。プリロード調整機構を備えることで、ライダーの体格や好みに合わせたセッティングが可能です。
ほかにも、フロントブレーキには直径300mmのセミフローティングペタルディスクとツインピストンキャリパーをマッチング。ABSの装備と相まって、確実な制動力と高い安心感も実現します。
価格(税込)は57万2000円。2022年10月15日の発売予定です。
(文:平塚 直樹)