目次
■内外随所に散りばめられた、ワゴンRゆずりのアイデア
今回はワゴンRスマイル内外の詳細に迫ります。
クルマを買うときに要確認な点、それほどでもない点…ひとそれぞれでしょうが、筆者が「おおっ、ここは!」と思った項目まで取り上げていくので参考にしてみてください。
●運転席
・インストルメントパネル
ハンドル左にシフトレバー、その向こうに空調コントロールを置き、上にはナビ画面…どこの軽自動車も計器盤(以下、インパネ)はみーんなおんなじ基本の配置。サイドウォークスルーを与え、見やすさを第一にとナビを上方配置すると、自動的にレイアウトは同じ形に到達してしまうのはわかりますが、このあたりの操作感がみないっしょというのも何だかつまらないような気もします。
車庫入れの記事でも述べた、助手席側向こうのアイボリーパネルが、運転席から左ドアミラーを見るとき、助手席ドアガラスに映りこんでしまうのは要改良点。見にくさに悩んでいるひと、多いと思うョ。
・メーター
メーターパネル自体はハンドル輪っか内に収まるほどコンパクトなのに、そのパネル面の多くを速度計が占めるため、メーターとしてはかなり大きく感じます。タイプとしては指針アナログ式の一眼式というやつで、右下にカラーのマルチインフォメーションディスプレイ、左側にはプロットをはさむように、覚えるのに苦労しそうな数の警告ランプ類が並びます。
この写真は夜間に撮ったものですが、難点は昼間、ここにも映りこみが発生すること。運転中、メーターにまだらな肌色が動いているなと思って近づいてみたら、自分の顔でした。原因はアクリルレンズの反射防止のカーブが不足して平面に近いこと、それでいて曲率が一定しておらず、ゆがんでいること、反射対策の角度付けが不足してほぼドライバーに向いていること…つまり正面に鏡を置き、自分の顔を見ながら走るようなものになっているのです。
昼間の運転中は、顔や身体が揺れるたびにまだら模様の動きが目について仕方ありませんでした。前述助手席ガラスへの化粧パネルの映り込みといい、メーターへの顔の映り込みといい、確認不足の点が散見されるクルマです。
・マルチインフォメーションディスプレイ
瞬間/平均燃費や積算のアイドルストップ時間、エネルギーフローに車速のデジタル表示、タコメーター、アナログ時計、そのほかもろもろ、かなりの項目を切り替え表示する多機能型ディスプレイ。
各種車両設定もこの画面で行います。上のブルーの帯部には時計、外気温度計を、下にはシフト表示、積算/区間距離計、燃料計を常時表示。積算と区間は分け、両者を同時に表示してほしかったこと、水温もランプ表示ではなく、燃料計と同じように水温「計」で表示してほしかったと思います。
・ヘッドアップディスプレイ(HUD)
ワゴンRスマイルのヘッドアップディスプレイは、メーター上向こうの、可倒式のアクリルパネルにメーター情報の一部を映すものです。具体的には、車速、シフト位置、時刻の常時表示に対し、瞬間燃費、エネルギーフロー、タコメーターを、ハンドル左のHUDスイッチを押すたびに追加表示。
空調パネル操作時には、操作した項目が一定時間、割り込み表示されるというロジックまで入っています。他にもドア開閉のイラスト表示、給油やベルト装着を促す、先行車発進はじめ、スズキセーフティサポートの機能表示など、かなり多くの表示をしてくれます。起こしたアクリルパネルはガッチリした造りになっており、何かが接触しても簡単に破損する心配はなさそうでした。当然というべきか、明るさや位置調整も可能です。
・ステアリングホイール
ハンドルは左右にオーディオやアダプティブクルーズコントロールのスイッチを持つ3本スポーク型。
これらのスイッチ使用頻度からすると(特にクルーズコントロール)、スポークまでをホーンスイッチにしたほうがいいように思うのですが(右写真のように)、うまいレイアウトはないのかな。
・ワイパー/ウォッシャースイッチレバー
OFFを起点に、レバー上保持でMIST(保持中だけワイパー作動)、下げるごとに間欠(時間調整付き)、低速作動、高速作動。レバー手前引きでワイパー連動のウォッシャー液噴射。先端の回転スイッチは、OFFからの上まわしで一定作動のON。その両端はウォッシャー液噴射。説明書には「ONの上側のウォッシャーマークに合わせると液噴射と同時にリヤワイパーも連動」とありますが、ONにしたままウォッシャー液を出せますってことですね。当たり前といえば当たり前、他車と変わることのないオーソドックスなものですが、これでいいのです。
・方向指示レバー/ライトスイッチレバー
新オートライト規制に則り、AUTO位置を起点に、上まわしでライト強制点灯、昼間(=周囲が明るい)の下まわし、下まわし保持するごとにスモールが点消灯、夜間(=AUTOによるライト点灯)の停車中の下まわしでヘッドライトが消灯、保持でヘッドライト、スモールの順で消灯…かなりややこしく、慣れるまでほんのちょっと時間が要るかな。
レバー上下で左右ターンシグナル、その途中保持で車線変更時のためのレーンチェンジャー。レバー向こう押しでハイビーム(ハイビームアシスト使用時は自動ハイビーム待機状態)、手前引きしている間もハイビーム点灯となります。レバーを一瞬だけ上下に動かして自動で3回点滅して消灯するワンタッチウインカーがないのはありがたい。まちがって触れたとき、消すのに困るもので。
・キーレスプッシュスタートシステム
エンジンのスタートはいちばん安いGを除き、すべて押しボタン式。シフトPでブレーキを踏まずに押すごとに、OFF → ACC(アクセサリー) → エンジン始動なしのON、ブレーキ踏みでOFFからいきなりエンジン始動のON。逆にエンジン始動中のシフトPのひと押しでエンジン停止、シフトP以外でのひと押しでACCに落ちます。走行中の緊急時は、2秒以上の長押しか、ファミコンの高橋名人並みに…でなくていいですが、3回以上の連打でエンジン停止。まあ、めったに使うことはないでしょうが念のため。
・シフトレバー
全機種、そしてFF、4WDとも変速範囲(ついでにバックも最終減速比も)が同じCVT(無段変速機)で、シフトレバーはP-R-N-D-Lの5ポジション式。サイドにはSLOPE、SPORTS、どちらの略かわかりませんが、Sスイッチがあります。マニュアルモードはありませんが、特に必要性は感じませんでした。登り坂では変速比をロー側に寄せて加速傾向にし、下り坂でもロー側に傾けてエンジンブレーキを効かせる登降坂制御付きですが、このエンジンブレーキはあくまでも軽め。山間道を降りるときはまずSを押し、それでも足りなければLに移し、積極的にエンジンブレーキを多用しましょう。
・運転席左のスイッチ群
上段左から車線逸脱警報のOFFスイッチ、その右にデュアルカメラブレーキサポート(DCBS)のOFFスイッチ、下段に移りましてその左端にパワースライドドアのメーンスイッチが並びます。下のほうの陰になる、押しにくい場所にありますが、めったに使わない、というよりも、メーカーからすれば使ってほしくないのが本音のスイッチばかりなので、このレイアウトは正解でしょう。
・運転席右のスイッチ群
前述キーレスプッシュスタートボタンの右に左右パワースライドドアのスイッチ、下段左グループ最右にリヤパーキングセンサーのOFFスイッチ、右グループの左から順にESP(車両安定制御)のOFFスイッチ、アイドリングストップのシステムOFFスイッチが並びます。その右のタテ長のふたはハロゲンライト車につく光軸調整ダイヤルの予備スペース。その下にETCユニット、さらに下にエンジンフードオープナーノブ。ただずらりと並んでいるように見えますが、上から下に向かうにつれ、日常使うもの、あまり使わないもの(使ってほしくないもの)と、優先順位を決めて配置しているのがよくわかりますな。
・サンバイザー
背が高く、ガラス上下寸が大きいだけに丈も長めなサンバイザーです。裏には化粧ミラーがあり、そのふたはチケットをはさめるようになっていますが、見てのとおり、バイザーを下ろさないとはさめない。チケットホルダーだけは格納状態で使えるよう、おもて面にほしかった(同じスズキ車に乗っている筆者の実感。)。そのおもて面は、何の注意書きもない、せっかくののっぺらぼうなのだから、いつも述べているように、イラスト併記でも一覧表でもいい、車両寸法を記してくれると親切だと思います。背が高いだけに駐車場探しに制約が出る可能性もあるわけで、サンバイザーに寸法があると、駐車場入り口にある入庫可能な車両サイズ看板と照らし合わせるのに便利だと思うぜ!
・ルームミラー
ルームミラーは防眩機能なしのもの。ちなみに防眩機能付きのルームミラーを載せたスズキ最後の軽自動車は、先代JB23Wジムニーなのだそうな。そういえば現行のJB64W軽ジムニーにはありませんな。以前のこの種のクルマは、フロントガラスを立てるべくルーフ前端を前に押しやると同時に、なぜか習慣的にルームミラーまでも同行させてしまい、ドライバーの手が届かないというおまぬけなルームミラーのクルマがありましたが、そこに気づいたのか、いまはそのようなクルマはなくなりました。
・ルームランプ
ルームランプは、見上げた左からOFF-DOOR-ONの3ポジションタイプで、ごくごく標準的なもの。施錠・解錠に応じて点消灯するのと同時に、OFF-DOOR-ONポジションに関係なく、エンジンスイッチがOFFの位置で15分間点灯しっぱなしだと自動で消灯させるバッテリーセーバー機能付き。たいていはDOORのときだけ機能するものが多い中、これは親切。
●ドア内張り
指で押したら引っ込むと思うほどやわらかそうに見える形を樹脂だけで見せていますが、触りたくなる思いにかられる表現力は見事。
ステッチ(縫い糸)の部分など、布と革を本当に縫い合わせたように見えます。このクルマに乗りこみ、忘れないうちにと最初に撮ったのがこの写真でした。
・ドアハンドル&ドアロックノブ
ドアハンドル(めっき)とロックノブを併設。その向こうに見えるのは、耳をかざしたわけではありませんが、おそらくハイブリッドXにつく6スピーカーのうちのツイーターの内蔵場所。周囲のカッパーカラー(銅色)塗装がいいアクセントになっています。
・パワーウインドウスイッチと電動ミラー調整スイッチ
パワーウインドウはごく平凡なロジックで、運転席のみワンタッチ&挟み込み防止機構&タイマー付き。子どもが後席に乗る可能性がより高いのだから、せめて挟み込み防止くらい全窓に備えてほしいのと、キーOFF後の運転席タイマーだって30秒なんてケチなこといわず、以前の日産車並みに15分は開閉可能にしてほしい…窓の閉め忘れに気づくのが30秒以内とは限らないし、エンジンを停めたまま中でひとを待つことだってあるでしょう。
安全デバイスが充実し、ライトも明るくなった、ナビの通信機能もだいぶ進化したのとは裏腹に、このような日常使用に即した細かい点への配慮が最近のクルマには欠けているように思います。
●室内空間
・前席居住性
もう書き飽きましたが、背が高いことが頭上空間の豊かさにつながっているのは当然。筆者などは、頭上空間がスカスカなまでに空いているのは何だか空間を無駄にしているように思え、せいぜい座りなおしをするのに頭が天井にぶつからない程度であればいいと思っているクチなのですが、90年代半ば前後生まれのひとは、ものごころがついた頃から見慣れた形なので不足とも充分とも思わないでしょう。この姿が標準になるからです。
考えてみれば、「ハイト軽」とは、アルトのような軽自動車がスタンダードだった時代、対比する呼び名として生まれたわけで、形勢逆転し、この背高型が軽市場のほとんどを占めている現在は、いまや少数派になってしまったアルトのような少数派を「低全高軽」「ロウェスト軽(lowest)」とくくったほうがいいかもしれません。シフトレバーもインパネに移ることでフロアは平らで広々。身長176cm、身長に比して不釣り合いに足の長い筆者(いつも書いているとおり、じまんじゃないよ!)でもきちんとした運転姿勢がとれるくらい、スライド量は充分に確保されていました。
・後席居住性
スライド位置を最前端にしたときでも、身長156cmと小柄なユキさんなら上下左右前後どの方向にも不足なく、広々と乗れるでしょうが、176cmの筆者には、前席シートバックとの距離は1500cc級乗用車並みでした。ところが160mmmスライドで最後端に移せば一転、足が長い筆者(しつこいけどじまんじゃないよ!)でも広々し、足を組むのにどこにも接触しないほどの空間が生まれます。その分、荷室奥行きは減るわけですが、それにしても、ヘタな旅客機や新幹線の座席よりはずっと広いし、フロアもまっ平らだから、大げさにいえば、リビングのソファでくつろいでいるのと似た感覚になります。なるほど、いったんこの手のクルマの広さ感を味わってしまえば、なかなか普通のクルマには戻れないはずだよ。
・前席シート
いまのクルマのシートは、軽自動車でも立派なサイズと着座感を持つようになりました。ワゴンRスマイルのそれも、座面長は1500cc級のクルマと遜色なく、適度なクッションしろで背もたれとともに身体を受け止めてくれます。90年代あたりまで、1500cc級のクルマの中には、座面長が短いばかりか、表面が妙にピンと張っていて不快な着座感のものもあったことを思うと隔世の感ですな。
ワゴンRスマイルに限らないことですが、前席のシートスライドの操作レバーを、リクライニングやハイト調整と同様、昔の三菱車のようにサイドに設けてほしいと思います。スペースの都合上、簡単ではないでしょうが、いまの座面前下レバーだと前かがみで操作しなければなりません。ドアミラーにルームミラー、シート位置は、運転姿勢を大きくくずさないまま調整できるのが理想だと思うのです。
・後席シート
さきにも書いたように、160mmのスライド機構があるほか、リクライニングも備えています。街のクルマを見る限り、フル乗車をしているクルマは少ないように思うのですが、ゆえに軽視されがちな後席といえど、座面長はしっかり確保されています。いっぽう、シートバックの丈が短いように思いますが、荷室拡大でダイブダウンしながら倒すことを思うとこの程度がちょうどよかったのでしょう。
・前席乗降性
筆者実測では、オプションのフロアマットの厚みぶんが加わると、サイドシル上端とフロア高は同じ332mm…つまり、敷居のない、掃き出し構造のフロアになっているため、小柄なひとでも子どもでも、足を引っ掛ける可能性皆無で乗降ができます。それにしてもこの332mm高のフロア、平素乗っている自前の旧ジムニーの、ラダーフレーム構造ゆえの床の高さを知る足には、まるで地面に敷いたカーペットに乗っかるように低く感じられるものでした。
・後席乗降性
多くのクルマの場合、フラットフロアといえど、前席フロアよりも後席フロアのほうがいくらかでも高く設計されているものなのですが、ワゴンRスマイルの後席フロアは、これまた筆者実測で前席フロアとほとんど同じ333mm。1mmの違いは無視していいでしょう。もともと低いので中にも外にも中段ステップはなく、乗るときはひと足で床に足がつき、降りるときは家の縁側からサンダルを履いて庭に出るかのように地面に足がつきます。
・パワースライドドア
ハンドル左のパワースライドドアのメーンスイッチがONのとき、リモコン、車外ドアハンドルおよびドアハンドル上のボタン(ワンアクションスイッチ)、ハンドル右のスイッチの操作で電動開閉。もうひとつ仕掛けがあって、スライドドア全閉のロック状態でも、リモコン所持のワンアクションスイッチひと押しで全ドアアンロック&スライドオープン(ワンアクションパワースライドドア)。このボタン、筆者はてっきりスマート操作のボタンと思っていてこの機能に気づかず、最初に触ってこのワンアクション機能をあからさまにしたのはユキさんのほうでした…この「リアル試乗」、次回から全部ユキさんに任せようか。
なお、エンジンOFFのパワークローズ中にリモコン、前ドアやバックドアのリクエストスイッチを押すと、スライドドア以外のドアがロック、スライドドアが閉じたあと追ってロックする予約ロック機能付きです。
●空調/オーディオ
・フルオート・エアコンディショナー
前回第4回で触れていますが、温度セットと「AUTO」ボタンひと押しで、吹出口、風量、温度調整を自動でやってのけるフルオートタイプ。いま流行りのプラズマクラスターやらナノイーといった機能もない、ごく平凡なタイプです。夏の炎天下でもクーラーの効きはよく、後席まで冷気がよく行き届いたものでした。
感心しないのはパネルの操作性。下1列に同じサイズの小さなボタンが、規則性もなくずらりと並ぶばかりで、実に使いにくいものでした。「フルオート」を名乗り、多くを自動で使ってほしいなら「OFF」と「AUTO」を大きくして他とは引き離すのが本当だし、手動で吹出口を選ぶボタンも液晶のひとマークの下に置くべきでしょう。風量や温度の調整は連続的に行うものなのだから、チョン押しノブではなく、回転ノブにしたほうがずっと使いやすいと思います。このへん、「目で見てパッとわかる」と同時に、「見なくても操作ができる」を両立させているホンダフィットのパネルを見習ってほしいものです。
・全方位モニター付メモリーナビゲーション
ナビ、車両情報、オーディオ…3つの幅が均等になっていて、いったいどれが本分なのか…最近、この手のタイプは慣れるまでが面倒そうなので、筆者はあまり触れないでいたのですが、いざ触れてみるとなかなか使いやすいものであることがわかりました。
写真は左から、ラジオ、車両情報(の中の平均燃費)、地図が並ぶホーム画面ですが、いずれかに触れるとそれらが全面表示。選局、音質設定、ナビセッティング、メニュー配置変更、車両情報のホーム画面への内容変更…「これを表示したい」「このようにしたい」という希望がおおよそ叶うのもいい。この種のものの中には、各メニューに入りこんだはいいが、「戻る」がしにくいものもありますが、このメモリーナビは、どこにいようと、画面下のホームボタン(家マーク)を押すとホーム画面に戻れるのもいい点です。
このホーム画面はいっけん、3つの項目が1/3幅ずつ表示されるので、特に地図がせまく感じ、中途半端な感じがするのがいやなのですが、もともと9インチという大画面ゆえ、ホーム画面の状態でもけっこう使いものになりました。やっぱり実際に触れてみないとわかんないヤ。その内容はここにはとても書ききれないので、このシステムが搭載された展示車のあるスズキ販社で触れてみてください。
困るのは、画面下のすべてのスイッチが、おそらくは静電容量式のタッチ式になっていることで、電源と音量は「押す」「まわす」の回転ノブであるべきこと、他のスイッチも、押した感触が得られるよう、物理的な押しボタン式にしてほしいこと…このふたつが改良の要望点です。
・全方位モニター
前にも触れていますがふたたび。外側4つのカメラでとらえた車両周辺の様子をモニターに映し出すものです。各社初期のものは、それぞれのカメラ映像4つを境目は黒帯になっており、これは理論上消すことができないとされていましたが、いまは合成技術が向上したのか、うまく解消されています。ただし、しょせんは合成なので、やはり境目部分は不自然に映りますが、そもそもない部分を作りだしているわけで、許容範囲です。
ここではあらてめて、ユキさん入りの3Dビューをあらためてお見せします。まず表示パターン1から。
次はパターン2。
●室内の収容スペース
・インパネトレイ
くぼみも仕切りもなく、置いたものがすべり落ちるような気がしますが、テーパーがついていて向こう側が低くなっているので、実際に落ちることはないでしょう。資料によると、ティッシュの箱を置けるサイズにしてあるとのこと。
・グローブボックス
ふたと一体になったボックスそのものがせり出してくるタイプ。ほんとうはふたが水平に開き、直方体の収容部が内部にあるもののほうが、ものが平らに置けていいのですが、位置が低いから、出し入れのしやすさを思うとこちらがいいでしょう。
・インパネセンターポケット
グローブボックス右には小さなもの入れが。資料では下のUSBポートで充電中のスマートホン置き場に推奨しています。
・ドアポケット
両席のフロントドアに設置。サイズ枠が決まっている軽自動車で、できるかぎり豊かな室内空間を取りたいこともあって、その厚みは最小限。薄めのバインダーやファイルが置けるくらいかな。
・助手席シートアンダーボックス
フロアに対して座面をかさ上げしたことで生まれたクッション下をもの入れに仕立てた、初代ワゴンR以降、スズキハイトモデルで続く伝統的収納スペース。助手席座面を引き起こすだけで収容スペースが表れるだけではなく、取っ手をつかんで外に持ち出すこともできるという点も同じです。ひとに見られたくないもの、大事なものを入れるのにどうぞ…というくらいならここで紹介すべきじゃなかったか。
・フロントアームレストボックス
ちょっと短めのフロントアームレストはボックス状になっていて、こちらももの入れになっています。ふたは横開きで、容量は大きくありませんが、サングラスケースにたばこ、携帯端末の充電器orコードなどを入れておくのによさそうです。
・シートバックポケット
フロントシートバックの背もたれに、雑誌などを入れておけるポケットを設置。けっこうコストがかかるのか、ミドル級のクルマでも助手席側にしか与えられていない例が多いのですが、ワゴンRスマイルでは両席に備わっています。
・シートバックアッパーポケット(運転席側)
前述ポケットの上には、3:2くらいの比率で区切られた小さなポケットがふたつ。こちらはなぜか運転席側にしかありません。後席乗員のためのものなのでしょうが、同じ片側ならひとり乗車でのドライバーのために、助手席側にしたほうがよかったのではと思います。
・シートバックテーブル(運転席側)
旅客機にあるようなテーブルが、これまた運転席側だけに。両端にカップ置きがあるので平面部が少なめですが、まあ便利に使えるでしょう。停車中にドライバーが疲れていそうなとき、後ろの人はここに飲みものを置かれませぬよう。ひと眠りしようとドライバーが背もたれを倒そうものなら…
・ドリンクホルダー
インパネ両脇にひとつずつ、フロントドアのポケット前部にひとつずつ、左右スライドドアにひとつずつのほか、前項シートバックテーブル両脇にふたつ。2+2+2+2で合計8つ。乗車定員4名に対して、ひとりあたりふたつずつある計算。それも前席後席4つずつという平等さで偏りもなく、ケンカせず仲良く使えることでしょう。
●電源各種
・アクセサリーソケット
従来型の12V電源をシフトレバー下に装備。10Aなので、使える電装品は12×10で120Wまで。最近、USB電源を備えるクルマが増え、まさかと思っているのですが、この12Vソケットが今後消えるのではと勝手に危惧しています。だめだよ、勝手にやめちゃあ。
・USB端子
インパネセンターポケットの下には充電用のUSBポートがふたつ備わっています。こちらはひとつにつき5Vの2.4A…すなわち5×2.4で12Wまでで、タイプはUSB Type-A。USBは思いついたように規格が変わっており、マイナーチェンジでは新規格のUSBに変わる可能性がありますが、ヘンに変えられると新しいクルマを買ったユーザーは、これまで使っていたケーブルが使えなくなるわけで、その場合はケーブルを買い換えるか端末などを買い換えるかしなければならなくなります。これからの新型車は、販社オプションで従来規格のUSBポートを用意するという配慮が必要になるかもしれません。それにしてもUSB、むやみに変わってくれるなよ…
というわけで、今回はこれでおしまい。
次回は車両カスタマイズ機能などについてご紹介します。
(文・写真:山口尚志・身長176cm、モデル:海野ユキ・156cm)
【試乗車主要諸元】
■スズキワゴンRスマイル ハイブリッドX(5AA-MX91S型・2021(令和3)年型・2WD・CVT・コーラルオレンジメタリック アーバンブラウン2トーンルーフ)
●全長×全幅×全高:3395×1475×1695mm ●ホイールベース:2460mm ●トレッド 前/後:1295/1300mm ●最低地上高:150mm ●車両重量:870kg ●乗車定員:4名 ●最小回転半径:4.4m ●タイヤサイズ:155/65R14 ●エンジン:R06D(水冷直列3気筒DOHC) ●総排気量:657cc ●圧縮比:12.0 ●最高出力:49ps/6500rpm ●最大トルク:5.9kgm/5000rpm ●燃料供給装置:EPI(電子制御燃料噴射) ●燃料タンク容量:27L(無鉛レギュラー) ●モーター:WA04C(直流同期電動機) ●最高出力:2.6ps/1500rpm ●最大トルク:4.1kgm/100rpm ●動力用電池(個数/容量):リチウムイオン電池(5個/3Ah) ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):25.1/22.6/26.2/25.7km/L ●JC08燃料消費率:29.2km/L ●サスペンション 前/後:マクファーソンストラット式/トーションビーム式 ●ブレーキ 前/後:ディスク/リーディングトレーリング ●車両本体価格:159万2800円(消費税込み・除くディーラーオプション)