生産終了のダイハツ・ウェイク、中古車に動きはあるのか?【中古車】

■軽最大級の室内空間は大人2人が車中泊できる余裕の広さを誇る

スーパーハイトワゴンのダイハツウェイクのホームページには「2022年8月11日をもって生産終了します」というアナウンスがされています。

一体ウェイクとはどんなモデルだったのでしょうか。モデルを振り返りつつ、現在の中古車事情を紹介します。

ダイハツウェイク外観02
ウェイクの走行シーン

2014年11月に登場したダイハツ・ウェイクは、もっと軽にできることの追求として「視界の良さ」「荷室の広さ」に着目し、日常用途はもちろん、レジャー用途まで多用途に使える新ジャンルのモデルです。

2013年に開催された第43回東京モーターショーに出展された“スーパースペース”という新しいカテゴリーを提案する「DECA DECA(デカデカ)」をベースにしたモデルです。

ダイハツウェイク外観06
モーターショーに出品されたDECA DECA

「ウルトラスペース」と名づけられた、軽自動車最大の室内空間を実現しているのが、ダイハツ・ウェイクの特徴です。

ウェイクはスーパーハイトワゴンの人気モデル、タントをベースに全高を85mmアップの1,835mmまで拡大した軽最大級のボディとなっています。

また、1,455mmの室内高をはじめ、1,120mmの前後乗員間距離。そして1,286mmの後席ドア開口高さなどクラストップの数値を実現し、大人2人の車内泊もできる広い室内空間を確保しています。

●ドライバーからの見晴らし&車内空間、最高♪

ダイハツウェイク外観03
ウェイクのフロントスタイル

ウェイクのセールスポイントとして、まず挙げられるのが座って分かる見晴らしの良い「ファインビジョン」です。

運転時、ドライバーの目線の高さを1,387mmに設定。この見晴らしの良さが、遠くまでしっかりと確認できるだけでなく、運転中に周辺情報をより多く受け取ることができるので、ゆとりをもった運転が行えて安心感が向上しています。

ダイハツウェイク外観04
ウェイクのリアスタイル

2つ目のセールスポイントは軽自動車最大の室内空間「ウルトラスペース」です。軽自動車トップクラスの室内空間を確保し、大人4人がゆったりと乗車できるだけでなく、レジャーなどの使用時に大人が車内で窮屈を感じることなく着替えることが可能なスペースを実現しています。

また、地上からドア開口高まで1,700mmとすることで、お子さんはかがむことなく、そして大人やお年寄りは腰を曲げないラクな姿勢で乗り降り可能となっています。

●ファン&リラックスドライブコンセプトで走りも鍛えたウェイク

ダイハツウェイク外観05
ウェイクに搭載されているターボエンジン

ウェイクは、車高の高さによる走行時の不安定さを抑えるために、ボディやサスペンションなど基本性能にも磨きを掛けています。これが3つ目のセールスポイントとなる「ファン&リラックスドライブコンセプト」です。

ウェイクは全高1,835mmという車高を実現させています。これにより、操縦安定性の向上や重心高を抑えることが求められました。そこでウェイクはサスペンションの高剛性化を行い、安定性を向上させています。

さらにウレタンバンプスプリングやスタビライザーを標準装備とすることで、カーブを曲がる際にクルマの傾きを抑えて、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立した、安心感のある走行性能を達成しました。

ダイハツウェイク内装01
ウェイクのインストルメントパネル

また足回りの改善だけでなく、空力にも着目し、ドアミラー付近やリアコンビネーションランプ付近に「空力フィン」を装着。ボディを流れる気流に小さな渦を発生させることで、車体を左右から押さえつけ、優れた操縦安定性を実現しています。

4つ目のセールスポイントは、「ミラクルガレージ」と名づけられた圧倒的な使い勝手の良さを誇る荷室空間です。高い室内高を活かした軽最大の室内空間に加えて、大容量のラゲージアンダートランクを採用。家族4人分のキャンプ道具や長尺物も、リアシートや助手席を畳むことなく収納可能です。

ダイハツウェイク内装02
ウェイクのフロントシート

また、インテリアのシートは全て撥水加工、またリアシート背面は塩化ビニール加工の防水シートとすることで、水濡れやよごれもサッと拭き取ることができます。

ウェイクに搭載されているエンジンは、最高出力64psを発生する660cc直列3気筒DOHCターボ。そして最高出力52psを発生する直列3気筒DOHCの2種類で、両エンジンともにトランスミッションはCVTが組み合わされています。駆動方式は一部グレードを除きFFと4WDを設定しています。

ダイハツウェイク内装03
ウェイクのリアシート

安全装備はデビュー時、スマートアシストが採用されていましたが、2016年の一部改良の際に、内外装のデザインを刷新と同時に進化させた、衝突回避支援システムのスマートアシストIIを採用しました。

ダイハツウェイク内装04
ウェイクの通常時のラゲッジルーム

そして、2017年11月の一部改良では、車両だけでなく、歩行者も認識し作動する衝突回避支援システム「スマートアシストIII」を搭載しました。

さらに、4ヵ所のカメラにより車両の前後左右を映すことで、クルマを真上から見ているような映像をナビ画面に映し出す「パノラマモニター」を採用するなど、安全性能を向上させています。

●ターボ+スマアシII、III装着車がおススメ

現在、ウェイクの中古車は約1,600台流通しています。平均価格は約126.5万円。価格帯は約34万〜約226万円となっています。3ヵ月前の時点の平均価格は約130万円、流通台数は約1,780台だったので、値落ち傾向なのは歓迎ですが流通台数が減少しているのは気になるところです。

車両重量は1トンを超えており、軽自動車の中でもスーパーヘビー級なので、快適さを手に入れたいのであれば、ターボ車を選ぶのはマストです。

安全装備面でも、2016年のスマートアシストII装着車以降を狙うのが良いでしょう。オススメのグレードはGターボSAIIもしくはSAIIIです。

ダイハツウェイク内装05
ウェイクの最大化したラゲッジルーム

アウトドアに使うという人は、泥汚れなども防水の樹脂製フロアで簡単に拭き取り可能な「イージーケアフロア」や、荷物の固定や整理整頓に便利な「上下2段調節式デッキボード」「ユーティリティフック」「荷室床面フック」「固定ベルト」などの装備を採用したレジャーエディションが狙い目です。

コロナ禍で車中泊を行う人が増えており、広大な室内空間を確保した軽自動車のウェイクは、今後注目が高まりそうなので、値落ち傾向の今が狙い目です。

(文:萩原 文博/写真:ダイハツ工業、萩原 文博)

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この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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