■「アウト」と「バック」
「『アウト』に『バック』でイメージの良くない単語がふたつもつながるから、日本では『アウトバック』という名前じゃなかったんだって。おもしろくない?」
…と彼女に言いそうになったけれど、こらえて喉へ押し戻した。
なぜなら、たぶん彼女にとってまったく興味のない話だろうからだ。生粋のスバリストとならその話で盛り上がれそうだけど、残念ながら彼女はスバリストではない。
だから、水平対向エンジンとかシンメトリカルAWDと同じくらい、アウトバックの名前のうんちくなんてどうでもいいこと…だと思う。たぶん。
スバル レガシィ アウトバックのルーツは、レガシィツーリングワゴンに大きなタイヤを履かせ、ボディをリフトアップしてクロスオーバーSUVスタイルにしたことだ。
アメリカ向けに企画されたもので、1995年に登場の初代モデルは、メイン市場の北米では「アウトバック」と呼ばれたものの、日本国内では「レガシィグランドワゴン」と呼ばれ、のちに「レガシィランカスター」と改名。
そして2003年デビューの3世代目から日本でも「アウトバック」と呼ばれるようになった。
その理由が、「アウト」と「バック」の響きの悪さというわけだ。
●いつかはオーストラリア
「アウトバックといえば、ステーキでしょ。オーストラリアの言葉なんだっけ?」
そんな彼女の認識は、おそらくごくごく一般的なものだろう。アウトバックという、アメリカに行けばどの街にもあるほどのステーキのチェーン店が、日本に上陸したおかげでその言葉の知名度が上がった。
それが「レガシィランカスター」から「アウトバック」への車名変更を後押ししたことも間違いないようだ。
「車名に歴史ありだねぇ…。そういえばステーキが食べたくなってきた。お腹空いたね」(彼女)
アウトバックつながりでいえば、アウトバックオーナーとしてはいつの日かオーストラリアのアウトバック(砂漠を中心とした内陸部を指すらしい)をドライブしてみたい。それがボクの夢だ。もちろん彼女と一緒に。