■はじめてのカローラ
「カローラってセダンの名前だと思っていたんだけど、これは違うね」
そんな彼女の感覚はごもっともだ。
トヨタ・カローラと言えば初代デビューが1966年と半世紀以上の歴史を持つファミリーセダン。1969年から33年間にわたって、連続して年間の新車販売台数ナンバーワンに輝くくらいだから、多くの人にとっては「カローラ=セダン」という図式も当然だろう。
でも、カローラがセダンというのは、日本においてはもう過去の話だ。
カローラは初代からセダンだけでなくステーションワゴンもラインナップしていて、昨今はセダンよりもワゴンのほうが“ずっと売れている”という状況だった。周りを見渡すと、カローラはセダンよりもワゴンを見ることのほうが多いはずである。
「でも、これはワゴンでもないんだよね?」(彼女)
そうだった。ボクが新しい愛車として選んだ「カローラクロス」は、カローラの歴史を変えたモデルといっていいだろう。セダンでもワゴンでもなく、カローラという名前を持つはじめてのSUVなのだから。
●大きすぎないSUV
「カローラは古臭い」というイメージを抱いている人もいるかもしれない。
でも、過去にはクーペの「レビン」があったり、「スパシオ」というミニバンだって存在した。もしかすると、その時代やトレンドに合わせて、多くの人に愛されるクルマでいようというのがカローラのキャラクターなのかも。
そう考えると、SUVが流行している世の中に合わせて、カローラという名前のSUVが誕生したことも素直に納得がいく。
「わたし、背の高いクルマが好きなの。パパがクルマ好きで『プラド』に乗っているから、トヨタのSUVにも親しみがあるしね」
そんな彼女はこう続けた。
「プラドは大きくて運転するのに勇気が必要だけど、このカローラクロスなら大きすぎないから私でも苦労しないで運転できそう。次は私の運転でドライブに行こうよ」
誰でも気軽に運転できると思える感覚。そういった部分もカローラらしいといえるのかも。 (つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:竹川由華/ヘア&メイク:塩野みのり/写真:ダン・アオキ)