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■タイ向けのラインナップに特別仕様車としてラリーアートが復活
●サイドデカールが往年の姿を彷彿とさせる
2021年5月の決算発表において三菱自動車は、ワークスブランドである「ラリーアート」を本格的に復活させることを発表していましたが、ついにラリーアートが市販車に再登場です。
それは日本の話ではありません。三菱自動車の主力マーケットのひとつであるタイ向けにラインナップされている1t級ピックアップの「トライトン」とミドルサイズSUV「パジェロスポーツ」の特別仕様車として『ラリーアート』が設定され、12月1日より発売開始となりました。
過去には、エンジンも専用にパワーアップさせたラリーアート・バージョンなどもラインナップされていましたが、今回の特別仕様車は内外装のアクセサリーによってラリーアートの世界観を表現したものとなっています。
具体的には、ラリーに参戦していたワークスカーを彷彿とさせるレッド・シルバー・ブラックによるストライプ調ボディサイドデカールが最大の特徴。RALLIARTロゴの入った赤いマッドフラップも往年のラリーマシンを思い出させる仕様となっています。
そのほか、フロントグリルとアルミホイールをブラックとして引き締めているのも特別な装備。インテリアでは、ラリーアートロゴをあしらったフロアマットを装備しています。
●トライトンは2タイプのボディに設定
かつて日本でも販売されたことのあるピックアップトラック「トライトン」では、クラブキャブ(メガキャブ)とダブルキャブのローライダー仕様にラリーアートが設定されました。
トライトンの専用装備として印象的なのは、レッドのアクセントカラーを加えたフロントバンパーガーニッシュ。荷台のサイドパネル部分にもラリーアートロゴがあしらわれています。
ボディカラーは、ソリッドホワイトとブラックルーフのツートンカラー、およびジェットブラックマイカの2色となり、ツートンカラーモデルにはブラックのドアミラー、ドアハンドル、リヤゲートハンドル、リヤバンパー(クラブキャブのみ)が与えられています。
●パジェロスポーツにブラックエアロを追加
三菱自動車らしいスタイリングとなっているパジェロスポーツに設定されるラリーアートの特徴は、レッドのアクセントカラーで彩られたフロントとリヤのアンダーガーニッシュ。
ボディカラーはホワイトダイヤモンドとブラックルーフのツートンカラー、およびジェットブラックマイカの2色。ツートンカラーモデルのフェンダーアーチモールディング、ルーフレール、シャークフィンアンテナ、テールゲートスポイラーはブラック仕様となり、エレガントなスタイルをアグレッシブに引き締めているのもラリーアートらしい演出です。
というわけで、三菱自動車のワークスブランドであるラリーアートは再始動しました。
とはいえ、今回の特別仕様車の内容はいわゆるステッカーチューンの範囲であり、自動車メーカーがワークスブランドを復活させるというわりにはおとなしい印象もあります。
もちろん、これで終わってしまうようなことはありません。
三菱自動車の加藤隆雄 社長は、「ラリーアート復活第一弾となる特別仕様車に続き、魅力的なラリーアート商品を順次投入し、さらにはこのブランドのスピリットを感じられるような活動を検討しております」とコメントしています。ラリーアートのスピリットを感じられる活動といえば、それはモータースポーツ活動にほかなりません。
ピックアップトラックやSUVが似合うモータースポーツといえば、ダカールラリーに代表されるラリーレイドなのは間違いありません。2022年のダカールラリーは新設されるFIAクロスカントリーラリー世界選手権の開幕戦となりますが、そのカテゴリーこそ三菱自動車がラリーアート・ブランドをアピールするのにぴったりと思うファンは少なくないのではないでしょうか。
(山本 晋也)