■4.0V型10気筒ツインターボから最大3,107ps発揮…0-100km/h加速1.9秒
ギリシャに拠点を置く新興メーカー「SpyrosPanopoulos Automotive」社(以下SPオートモーティブ)は、スーパーカーでも、ハイパーカーでもない、世界初の「ウルトラカー」と自称する「Chaos」(カオス)の最初のデジタルフォトをリリースしました。
オフィシャルレコードではありませんが、SPオートモーティブは、ニュルブルクリンクでの最速ラップ、最高速度、最速の1/4マイルなどを記録したと主張しています。
カオスのパワートレインは、4.0リットルV型10気筒ツインターボエンジンを搭載、2つのパワーレベルで利用可能で、7速または8速ギアの備えたデュアルクラッチトランスミッションを介して4輪すべてに動力が送られます。モーターは自社で開発されており、ビレットアルミニウムまたは3Dプリントのマグネシウム合金エンジンブロック、チタンの3Dプリントのピストンやカムシャフト、チタンまたはインコネルのバルブに加えて、カーボンファイバー、チタン製のツインターボチャージャーを備えています。
エントリーモデルとなる「EarthVersion」(アースバージョン)は、10,000rpm〜11,000rpmの回転で最高出力2,077ps、最大トルク1,389Nmを発揮、0-100km/h加速は1.9秒、0-300km/h加速7.9秒、0-400km/h加速は8.1秒で駆け抜けます。
一方フラッグシップの「Zero Gravity」(ゼログラビティ)は、11,800〜12,200rpmの回転で最高出力3,107ps、最大トルク1,984Nmを発揮。同社によれば、フラッグシップのカオスは、F1やこれまで製造された2輪、4輪の中で最も速い加速を持っていると自信をみせています。0-100km/h加速は1.55秒、100km/hから200km/hまで1.7秒、0-300km/h加速は7.1秒、0-400m加速は7.5秒と主張しており、これが事実ならフルEVハイパーカ「リマック・ネヴェーラ」の8.58秒を抜き去ることになります。
さらに最高速度は500km/h超えだといい、「SSCトゥアタラ」の455.3km/hより大幅に早く、ブガッティ「シロンスーパースポーツ300+」の490.484km/hも更新することになり、まさにウルトラカーの名にふさわしいモデルと言えるでしょう。
エクステリアは3Dプリントとエキゾチックな素材と多様、F1にインスパイアされたデザインを特徴としています。ボディワーク全体にエッジと複雑なインテークを装備、地上高はほとんどなく、ホイールが危険なんほどホイールアーチに接近しています。足回りには21インチと22インチの合金ホイールを装着、後部には3Dプリントされたクワッドエキゾーストパイプがインストールされています。同社では、「F1シングルシーターに匹敵するダウンフォースを持っており、「これまでの車の中でも最高の空力設計」を特徴としているといいます。
カオスのボディサイズは、全長5,053mm、全幅は2,068mm、全高1,121mm、ホイールベース2,854mmとなっており、車重はアースバージョンが1,388kg、より強力なゼログラビティは1,272kgと軽量化されています。
キャビン内を見ると、ダッシュボードが最小限に見え、統合されたタッチスクリーン、助手席前にはセカンドワイドスクリーンが配置されているほか、ヘッドアップディスプレイを備えるヨーク型ステアリングホイールが装備されています。またインテリアのほぼすべてのコンポーネントにはカーボンファイバー、ザイロン、チタン、マグネシウム、およびアルカンターラを使用しているといいます。
注目の価格ですが、アースバージョンが550万ユーロ(約7億2千万円)、ゼログラビティが16億3千万円)となっており、各限定20台が発売予定されます。はたして近い将来、「ウルトラカー」が当たり前の時代が来るのでしょうか。