■新型5.5L DOHC V8エンジンは、最高出力670hp・最大トルク623Nmを達成
8代目になりFRからミッドシップ化されたシボレー・コルベット。2021年10月26日(現地時間)、米国で2023年モデルの新型シボレー コルベット Z06(ズィー・オー・シックス)」が発表されました。
コルベットの中でもトップグレードであるZ06は、1963年にレーシング用のオプション特別装備パッケージとして誕生しています。
高剛性サスペンションや太いフロントスタビライザー、タフなブレーキなどにより、長丁場のレースでもピットイン回数を減らせる大型の36ガロン燃料タンクなどが装備されていました。また、同パッケージには、5.4Lの燃料噴射エンジン、クロスレシオの4速MTも含まれていました。
現行コルベットの中でも真打ちといえる新型「Z06」は、サーキット走行を前提としたパフォーマンスモデルとして、設計、開発されています。
エクステリアは、よりワイドになった新しいフロントマスク、ワイドなリヤまわりが目を惹きます。
このエクステリア、そして醸し出すサウンドは、チャンピオンシリーズで輝かしい成績を挙げているコルベット・レーシングの流れを汲むものだそう。ベースのコルベットよりも全幅を3.6インチ(9.4cm)拡幅し、345サイズの大型リヤタイヤを装備。サイドエアベントからのエアフローも増大されています。
タイヤは、コルベットの市販モデルで最大のフロント20インチ、リヤ21インチの鍛造アルミホイール「スパイダー」(5種類のフィニッシュから選択可能)が標準装着されます。特徴的なフロントデザインは、冷却性能を最大限に発揮するため、5つの熱交換器のうちセンターの1つへ空気を流すなど、Z06の冷却ニーズを最適化するよう設計されています。
リヤには、サーキットでの高速走行時の安定性とコーナリング性能を向上させるために設計された、調整可能なウィッカービル付のリヤスポイラーを標準装備。最高のサーキット性能と時速186マイルで、コルベット史上最高の734ポンドのダウンフォースが得られるという、「Z07パフォーマンスパッケージ」も設定。
カーボンファイバー製ハイリヤウイングとグランドエフェクト、シャシーの専用チューニング、「マグネティック・ライド・コントロール」専用のキャリブレーション、特注の「ミシュラン・カップ 2RZP」タイヤ、ブレンボ製カーボンセラミックブレーキと、オプションのカーボンファイバーホイールなども含まれています。また、バネ下重量が41ポンド(18.6kg)軽量化され、より俊敏で反応性の高いハンドリングに貢献する軽量高剛性のカーボンホイールが選択可能です。
さらに足まわりには、「マグネティック・ライド・コントロール4.0」を含むサスペンションのチューニング、ノーマルのコルベットよりも大型のブレーキ(フロント6ピストン)の採用などで、タフなサーキット走行に対応します。
パワーユニットは、新型5.5L DOHC V8エンジンが搭載され、サーキット走行に適したパフォーマンスモデルとしてNAエンジンに回帰されています。8速デュアルクラッチトランスミッションの最終減速比を、ノーマル仕様よりも短い5.56に変更され、加速性能の向上が図られています。
新開発となるフラットプレーンクランクシャフトの採用により、最高出力670hp/8600rpm、最大トルク623Nm/6300rpmを誇ります。2年を費やして作り上げたという、独特の豊かなエキゾーストノートは、これまでのコルベットにはない音を奏でるそう。
最上級グレードとして贅沢な装備が施されたインテリアも見どころです。高いレベルのクラフトマンシップ、パーソナライゼーション、パフォーマンスを目標として開発、設計され、自分だけのオーダーメイドのパフォーマンスカーを所有することができます。
カーボンファイバートリムの使用を拡大し、新しいオプションを追加するなど、クオリティの高い素材と質感を備えた高級感あふれるコックピットに仕立てられています。具体的には、カーボンファイバー製ステアリングホイールやシフトパドル、新設計の「カーボンファイバーインテリアトリムパッケージレベル2」が用意されています。
また、最新の「アドレナリン・レッド」のフルトリムインテリアが設定されるなど、手仕上げの「レザーインテリアオプション」も用意されています。
2023年型の新型コルベット Z06は、2022年夏頃に生産が開始され、世界中で展開される予定。生産はボウリンググリーン工場で行われ、ハンドル位置は、左右の両方が発売される予定です。なお、日本での発売開始時期は未定となっています。
(塚田 勝弘)