■農家の困りごと解決への共通の想い
軽自動車やコンパクトカーの販売現場で、まさにしのぎを削るスズキとダイハツ。両社は、2021年10月13日(水)~15日(金)に幕張メッセで開催される「第11回農業Week」の「第8回国際スマート農業EXPO」に共同出展すると発表しました(ブース小間位置:8ホール4‐26)。
ライバルの両社がこうしたイベントに共同出展するのは珍しいと思いますが、スズキ、ダイハツの両社は、農業を含めた一次産業を中心に軽トラックを約60年間にわたって生産、販売を続けているという共通点があります。
両社共に、農作業に関する負担を軽減し、担い手不足や高齢化といった農家の方々の課題を解決できないか、と常に考えてきたそうで、ユーザーへの思いは同じといえるでしょう。
具体的な取り組みとして、スズキは、2011年から自社でスズキ農園の運営を推進し、近年は電動車いすの車体が流用された農業用電動台車の「モバイルムーバー」を、静岡の農業ベンチャー企業であるエムスクエア・ラボと共同開発。農薬散布や運搬などでの活用が検討されているそうです。
一方のダイハツも2020年から軽トラックに積載可能なドローンを使った、農薬散布を中心とした支援活動を兵庫県丹波篠山市でスタート。通常、農薬散布は重いタンクを背負いながら行う大変な作業ですが、ドローンを使うことで広い敷地に効率よく散布することが可能になっていて、農家の負担を大きく軽減できます。
この支援活動には、2021年からはスズキも参画し、ライバルの両社が手を取り合って農家の課題の解決に向けて、地域の一員になり活動を実施しているそうです。
今回の「第8回国際スマート農業EXPO」では、「地域を良くし、暮らしを豊かに ~空からのダイハツ、陸からのスズキ~」を出展テーマに掲げています。両社が協力して日本の農業や地域社会を活性化していく想いを表現するため、両社の軽トラック(スズキ・キャリイ、ダイハツ・ハイゼット トラック)に加えて、スズキの「モバイルムーバー」と、ダイハツの農業用ドローンが展示されます。
(塚田 勝弘)