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■アイサイトXを全車搭載! 世界最高のアウトバックを日本のユーザーに届ける
●スバルSUVのフラッグシップがついに日本でローンチ
海外では「アウトバック」として知られるスバルのCDセグメントのクロスオーバーSUVは、従来通り日本では「レガシィ・アウトバック」として発売されます。
日本仕様の正式発表に合わせて開発責任者である村田誠PGM(プロジェクトゼネラルマネージャー)をはじめとする開発陣に話を聞くことができました。
すでに北米では2019年9月に発売されている第6世代のアウトバックはなぜ日本での発売が2年も遅れたのでしょうか。
その答えは「世界最高のアウトバックを日本のユーザーに届けるため」というのが、村田さんの回答でした。日本のレガシィ・アウトバックは、グローバル仕様のアウトバックとは何が違うのか見ていきましょう。
基本的なスペックでいうと、ボディサイズは全長4870mm、全幅1875mm、全高1670mm、ホイールベース2745mm、最低地上高213mmとなっています。従来モデルよりも少しずつ大きく成長していますが、最小回転半径は5.5mと同等で、見切りのいいボディとしたことで、日常的な取り回しではさほど問題がないであろうというのが開発陣の見立てでした。
実際、全幅が従来モデル比で25mmワイドになっていますが、実質的な車幅となるミラーtoミラーは2067mmと先代モデルと同じ数値になっています。それでいて荷室幅を20mm広げた1100mmにするなど、ボディワイド化の恩恵は受けられるようになっているのは、SUV的なカーライフをより充実させてくれることが期待できます。
●海外仕様と日本仕様の大きな違いは2点
北米仕様では2.5L NAエンジンと2.4Lターボ、その他の地域では2.5L NAエンジンを搭載しているアウトバックですが、日本仕様のレガシィ・アウトバックは1.8Lターボを搭載します。
このエンジン、すでにレヴォーグやフォレスターで実績あるもので、最大トルク300Nmという数値からすると3.0Lエンジンのダウンサイジングターボといえるもの。
減速比やエンジンセッティングなどをレガシィアウトバック専用に仕上げているといいます。従来型のレガシィ・アウトバックは2.5L NAエンジンでしたから、走りの面では十分にレベルアップしているといえそうです。また、レヴォーグはレガシィ・ツーリングワゴンの後継モデルという位置づけですから、レヴォーグとレガシィ・アウトバックが同じエンジンを積むというのは自然な話なのかもしれません。
北米仕様では旧世代のアイサイトver.3、欧州仕様などでは新世代アイサイトを搭載するアウトバックですが、日本仕様にはレガシィ・アウトバック専用にセッティングされた最新の「アイサイトX」が搭載されています。機能的にはレヴォーグと同等ということですから、条件次第ではハンズオフ運転も可能な、非常に高度な運転支援システムを載せているというわけです。
アイサイトXを搭載したことで、12.3インチのフル液晶メーター、11.6インチの縦型センターインフォメーションディスプレイで構成される、SUBARUデジタルコクピットが標準装備となっているのも新型レガシィ・アウトバックの特徴です。
北米仕様のローンチに対して2年も遅れてしまった日本のレガシィ・アウトバックですが、そのタイムラグが生まれたのは1.8LターボやアイサイトXという最新テクノロジーを搭載するためだったのです。
その背景には、前述したように「世界最高のアウトバックを日本のユーザーに届ける」という強い思いがあったというわけです。
●ワンタンク約1000kmのグランドツーリング性能
新世代の1.8Lターボは熱効率に優れたユニットであることでも知られていますが、新型レガシィ・アウトバックでは燃料タンク容量も従来の60Lから63Lに増やすことで、満タンでの航続距離を伸ばしています。JC08モードで計算すると従来型が858.0kmだったのに対して、新型では995.4kmに達するといいます。
ワンタンクで約1000kmというグランドツーリング性能を有していることは、レガシィの名前を受け継いだモデルとしてふさわしいと感じるファンも少なくないはずです。グランドツーリング性能を、アイサイトXがアシストするのも現代的な仕上がりといえるでしょう。
新型レガシィ・アウトバックのラインナップは、アウトドアテイストのX-BREAK EX(メーカー希望小売価格:414万7000円)とアーバンテイストのLimited EX(429万円)の2グレード。フラッグシップらしく、廉価グレードの設定はなく、完全にユーザーの好みで選んで欲しいという設定になっています。
(山本 晋也)