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■上級モデルの新型R7顔や倒立フォークも採用
ヤマハは、水冷・4ストローク・155cc単気筒エンジンを搭載するインド向けスーパースポーツモデル「YZF-R15」をモデルチェンジし、現地で9月に発売することを発表しました。
第4世代となる今回の新型には、倒立タイプのフロントサスペンションなど本格装備を採用。顔付きも2021年5月に発表され、日本にも導入が予定されている新型「YZF-R7」を彷彿とさせるデザインを採用するなど、かなり気合いが入った変更がなされています。
日本では、最近人気が高い原付二種のカテゴリーに入るバイクですが、155ccの小型モデルとは思えないほど、スポーツバイク好きには注目の装備が満載。かなり気になるモデルですが、果たして国内販売はあるのでしょうか?
●ライアップが豊富なYZF-Rシリーズ
YZF-R15は、ヤマハ製スーパースポーツのフラッグシップ「YZF-R1」の血統を受け継ぐ、YZF-Rシリーズの末弟となるモデルです。
日本では250cc・2気筒の「YZF-R25」や320cc・2気筒の「YZF-R3」、そして1000cc・4気筒のYZF-R1といった3モデルが販売されていますが、海外向けには600cc・4気筒の「YZF-R6」や、前述した689cc・2気筒の「YZF-R7」などもあります。YZF-R15を含めると、グローバルでは全6モデルを誇る人気シリーズです。
なかでも、今回新型が発表されたYZF-R15は、ヤマハが2008年から主にインド市場向けに販売している小型モデルです。
可変バルブ機構VVA採用の155cc・単気筒エンジンが生み出すスポーティな走りや、快適な乗り心地、市街地での扱いやすさなどが、現地の大学生や若年層を中心に支持されています。
●トラクションコントロールでよりスポーティな走り
レーシングスピリットへの覚醒といった意味を表す「Realize R Spirits」をコンセプトに禍発された新型には、本格的なスーパースポーツの定番ともいえる倒立フロントサスペンションを採用。
従来モデルが採用していた正立タイプのフロントサスペンションからの変更により、高い剛性バランスや、優れた路面追従性・走行性を発揮します。
また、ヤマハ製の小型2輪MT車では初採用のトラクションコントロールシステムも搭載。滑らかな発進性や走行性を支援し、よりスポーティな走りに貢献します。
さらに、広い照射範囲とムラの少なさで高い視認性を実現するバイファンクションLEDヘッドランプを搭載。高速域での優れた空力特性をもたらす新型カウルと一体化されています。
その顔付きは、これも前述の通り、日本にも2021年冬以降に導入が予定されているYZF-R7を彷彿とさせるもの。よりアグレッシブなデザインに生まれ変わっています。
ほかにも、ハンドルにボタンを設置することで手元での操作を可能にした新型LCDメーターなども装備。
YZF-R1の最上級グレードYZF-R1Mを彷彿とさせるデラックス仕様の「YZF-R15M」とスタンダード仕様のブルーには、クイックシフターも搭載します。
ヤマハ単気筒モデル初採用のこの機構は、シフトアップ時にクラッチ操作をしなくても、チェンジペダルをかき上げるだけでギア変更を可能とするもの(アップ時のみ)。これにより、より素早い加速などが可能となり、18.4psを発揮する単気筒エンジンのパワーを余すこと無く発揮できます。
●現地価格は約25万〜約26万6000円
スタンダード仕様がカラーにブルー、ブラック、レッドの3タイプを用意し、現地価格は16万7800〜17万2800インドルビー(約25万〜26万円)。デラックス仕様(YZF-R15M)はシルバーのカラーを採用し、現地価格は17万7800インドルビー(約26万6000円)と発表されています。
ちなみに、このモデルの国内導入については、ヤマハから発表はありませんが、従来モデルも海外専売だったことを考えると、今のところ日本では正式販売はなさそうです。
ただし、今までのモデルでも、一部の輸入業者が現地から購入したモデルを日本で販売していましたから、台数は少ないでしょうが、多少は輸入車が販売される可能性はあります。
原付二種バイクは、維持費の安さや取り回しの良さなどから、近年はバイク初心者やリターンライダーにも人気が高いカテゴリーです。
しかも、このバイクはかなりの本格装備とスポーティなデザインを採用するだけに、乗りたいと思った人も多いかもしれませんね。
(文:平塚 直樹)