■定評ある内外装のクオリティがさらにアップ
軽自動車の王者として君臨しているホンダN-BOX。2020年度(2020年4月~2021年3月)も軽自動車販売台数1位となる19万7900台を記録しています。
搭載車を含めた販売台数1位はトヨタ・ヤリスに譲ったものの、軽自動車販売台数では、6年連続でトップになっています。
今回、マイナーチェンジ後のNAモデルに試乗する機会があり、改めてその完成度をチェックしてみました。
2020年12月末にマイナーチェンジを受けたN-BOXは内外装デザインのリフレッシュが中心。
外観は、ヘッドライトとフロントグリルのデザインが変わり、より落ち着きを感じさせながらも愛らしい雰囲気が漂っています。同時に、質感の高さを抱かせるメッキバーがロアグリルに追加され、ワイド感も強調されています。
一方のインテリアは、シックなダークブラウン調になり、ホワイト加飾やシート表皮とのコントラストが強調されています。
今回のマイナーチェンジの見どころである「コーディネートスタイル」では、2トーンのボディカラーがブラウンルーフになり、メッキドアハンドルを用意。足元には、新たにディッシュホイールが追加されています。
内装は、ダークブラウンの内装色をはじめ、塗装加飾とシート表皮をブラウン色調とすることで上質な華やかさを放っています。この「コーディネートスタイル」は、2020年2月に販売を終えたN-BOXスラッシュのバトンも受け継ぐ役割も担っていそうです。
マイナーチェンジ後モデルでは、CVTの制御変更が盛り込まれています。
「Gデザイン制御」と呼ぶそれは、より早く加速Gが得られるようになり、高いGを持続。さらに、高いGを持続させると共にエンジン回転をリニアに高めたとしています。
実際の走りでは、従来のNAモデルは、発進時に出だしの遅さを抱かせることもありましたが、エンジンのツキが良くなったようなレスポンスの良さが得られるようになったのは朗報。街中でそれほど速度が速くならないシーンでは、CVTのいわゆる「ラバーバンドフィール」をそれほど感じさせないまま、スムーズに加速していく印象です。
高速道路などでは、エンジンの音(回転)は高まっているのに加速感が少し付いてこないCVTの弱点を完全に克服しているわけではなさそう。とくに、首都高速道路の合流時など、急加速するシーンで感じられました。
一方で、フリードやN-WGN、N-ONEなどに採用されているブレーキ操作時の「ステップダウンシフト」は、下り坂で意図せずに速度が上がってしまうのを防ぐだけでなく、減速時からの再加速がスムーズになり、コーナリング後からの加速感もよりスムーズになったのは朗報です。
乗り心地やフットワークは、後にフルモデルチェンジを受けたN-ONEと比べると、N-BOXは背高モデルであることを強く意識させられます。
シビアに観察すると、低速域でとくにボディが左右、上下に揺すぶられるような乗り味。ピタリと路面を捉えて放さないN-ONEのようなフラットライド感を背高系モデルに要求するのは酷かもしれませんが、コーナーでのロール感もやや大きめです。
N-BOXは、走りの面ではこうした課題を感じさせながらも、軽スーパーハイトワゴンとしての音、振動面はトップクラスなのは間違いなく、ターボモデルであればより余力のある走りが可能で、先述したCVTの課題もあまり意識せずにすみます。
N-BOXが売れているのは、低床設計による良好な乗降性や積載性、広大な室内高と室内長を誇るパッケージなどが根本であり、さらにマイナーチェンジで磨きが掛けられた内外装の質感にあるでしょう。
高速道路も頻繁に使うのならターボモデルが無難で、街中中心で、4人乗車の機会が少ないのであればNAでも十分といえそうです。
(文・写真:塚田 勝弘)