■先進のインパネまわり
「なにこれ、新しい!」
クルマに乗り込んだ彼女は、ちょっと驚いた様子だ。驚くのも無理はない、インパネの雰囲気はちょっと普通のクルマとは違うのだから。
何が違うかといえば、その先進性だ。メーター、中央、そして助手席前とダッシュボード上には3枚の大型液晶ディスプレイが並んでいる。昨今の新型車では全面液晶のメーターは珍しくないし、中央のナビ画面もどんどん大型化している。でも、助手席の前まで大型ディスプレイを備えるのは珍しい。
さらにHONDA eはドアミラーも通常の鏡ではなく、カメラを活用した電子式。その映像を表示するディスプレイも備わるから、インパネには合計5枚の液晶が並んでいる。こんなクルマちょっと珍しい。乗るたびに先進的だなと思う。
先進的と言えば、ディスプレイの操作も新しいアイデアを盛り込んでいる。中央と助手席前の画面は表示を入れ替えできるのだ。
そのおかげで、助手席前の画面なら走行中でもナビを操作できる。だから走りながら助手席の人が助手席前の画面でナビを操作して目的地を設定し、それを中央の画面へ送って道案内する、なんてことだってできちゃう。こんなの見たことない。
■ひとつの部屋のよう
「でも、単に新しいだけじゃないと思うんだ。リラックスできるというか、落ち着くというか。どうしてだろう?」
いつもながら、彼女が受けるクルマの印象は的を射ている。たとえばモニターが5つ並ぶ自慢のインパネも、デザインによってはさっぱりしすぎて無機質になってしまうだろう。でもHONDA eがそうじゃないのは、インパネに木目を組み合わせているからじゃないだろうか。
それに、後席の照明は普通のルームランプではなく天井埋め込み型のダウンライトで部屋みたいだし、シートのデザインもリビングルームのソファーみたい。座り心地のよさもちょっとした自慢だ。
ホンダと言えば、ボクらクルマ好きにとってはスポーツカーのイメージだけど、HONDA eはぜんぜん違うベクトルで作られている。でも、それがイヤかと言ったら全然イヤじゃなくて、これはこれでいい。もうひとつの部屋みたいな感じだ。
ホンダによると「外出先で充電するときは部屋にいるようにくつろいでほしいと考えた」のだとか。その考えは、こうして実際にHONDA eに乗るとよくわかる。
「居心地がいいよね。だからこのクルマでドライブに行くのが好き」
そんな彼女の言葉に、HONDA eを選んでよかったなと思う。