■搭載されているPHEVシステムはEVモードで約50kmの航続走行距離を実現
英国のプレミアムカーブランドであるベントレーは2021年1月4日、持続可能な未来に向けたステップとして、ラグジュアリーSUVのベンテイガにPHEVのベンテイガハイブリッドを追加しました。
2021年にベントレーがPHEVを2モデル追加する予定ですが、その第1弾となります。
ベンテイガが属するラグジュアリーSUVのカテゴリーにおける初の電動化モデルであるとともに、今後ベンテイガシリーズのコアモデルとなることが期待されています。ベンテイガハイブリッドは内外装を変更した新型ベンテイガのV8、W12エンジンを搭載したスピードに続く第3のモデルとなります。
搭載するプラグインハイブリッドシステムは3L V6ツインターボガソリンエンジンと最高出力94kW・最大トルク350Nmを発生するモーターを組み合わせており、システム合計の最高出力449ps、最大トルク700Nmを発揮。ト
ルクが必要となったときや時速84マイルを超える車速が要求されたときにエンジンが始動し、モーターをアシストします。EVモードの航続走行距離は31マイル(約50km)、モーターとエンジンを組み合わせた総航続走行距離は536マイル(約858km)となっています。
168個の個別セルで構成されたリチウムバッテリーの容量は17.3kWhで、寿命は8年。わずか2時間半ほどでフル充電可能です(地域によって異なります)。高電圧バッテリーに蓄えられたエネルギーはパワーエレクトロニクス技術によって変換され、モーターに供給されるほか、従来の12Vバッテリー系統のサポートにも使用されます。
電気を使用して走行するEモードには、EVドライブモード、ハイブリッドモード、ホールドモードの3種類があり、専用のボタンで切り替えることが可能です。ボタンを操作して走行モードを選べば、ドライバー自身がバッテリーの使用を管理できますが、ベンテイガハイブリッドにはバッテリー残量の自動管理機能も搭載されています。
ベンテイガハイブリッドはドライブモードを選択できるだけでなく、「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・ナビゲーション」システムの情報を基に、アクセルペダルを介してドライバーにフィードバックし、最も効率良く走行できるようアシストするのが特徴です。
EVドライブモードで走行中、「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・アクセルペダル」を踏み込もうとすると、瞬間的な抵抗がドライバーに伝わり、電力のみの走行からハイブリッド走行へと切り替わるポイントが分かるようになっています。
インテリアでは、ベントレーの翼をイメージしてハンドクラフトされたダッシュボードに、新開発されたインフォテインメントシステムがシームレスに組み込まれ、エッジトゥエッジの10.9インチディスプレイが搭載されます。
最新のハードウェアとソフトウェアの採用によってナビゲーションも完全新設計となり、サテライトマップやオンライン検索なども可能。さらに既存の有線システムとAndroid Autoに加え、Wireless Apple CarPlayも初めて標準装備となりました(一部地域)。
リアシートに装備される新設計タッチスクリーンリモートもサイズを拡大。すでにフライングスパーに導入されたものと同様の便利なタブレットを採用しています。コネクティビティも大幅に改善され、USBタイプCポートとワイヤレススマートフォンチャージャーが標準設定されました。
ラグジュアリーSUVセグメントの首位を走るベンテイガに電動化モデルが追加されたことにより、今後このセグメントでも電動化モデルが登場するのは必至と言えます。なお、このベンテイガハイブリッドの日本国内の導入時期は未定となっています。
(文:萩原 文博/写真:ベントレーモーターズジャパン)