■使える後席、広い荷室。使い勝手の良さが魅力
いま、コンパクトSUVを求める人の多くは実用性も求めているのではないだろうか。
具体的には後席と荷室の広さである。そう考えてみると、ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンのコンパクトSUV「T-CROSS(ティークロス)」が日本で売れている理由がよくわかる。
T-CROSSは2020年の上半期に日本でもっとも売れた“輸入SUV”。最終的な発表はまだないけれど、おそらく年間を通じても“もっとも売れた輸入SUV”になっていることだろう。どこかに売れる理由があるはずだ。
「後ろの席が広いよね。これならどこまでも行けそう」
そんな彼女の目の付け所はかなりポイントを突いている。わずか4.1mの全長とは思えないほど後席スペースは確保されていて、これならファミリーユースでも不満を感じないだろう。
でも、それだけではない。荷室が広いのだ。後席使用時の荷室容量は385Lだけど、このクラスでは珍しいシートスライドが備わっていて、その調整量は140mm。
後席を前へ出せば、後席に人が座れる状態を保ったまま荷室容量は455Lまで拡大するのだ。兄貴分である「T-ROC(ティーロック)」の荷室容量が445Lと聞けば、T-CROSSの実力の高さがわかりやすい。
「荷物がたくさん積めるってことは、みんなでキャンプとかスノボに行けるね……」と彼女。だ、だよね……。
●個性的でいい
そんなT-CROSSの車体構造はコンパクトカーのポロと共用しているけれど、広さは明らかにゆとりがある。ひとことでいえば、ハッチバックのポロに対するステーションワゴンのような感覚だ。
そんな実用性の高さも、コンパクトSUVが売れている理由のひとつなのだろう。
「私は、前(ダッシュボードのこと)がオレンジになっているのが好き」
それはボクだって気に入っているところ。ついでにいえば、ホイールのアクセントがオレンジ色になっていることも個性的でいい。(つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:葉月 美優/ヘア&メイク:東 なつみ/写真:ダン・アオキ)