シトロエンの大ヒットコンパクトカー「C3」が最新世代にフェイスリフト

■1.2LガソリンターボエンジンがJC08モード比で燃費を15%向上

2021年1月7日、シトロエンのベストセラーモデルであるC3がビッグマイナーチェンジを受けました。現行シトロエンC3は、2017年の発売以来、約3年で7625台(2020年12月末日現在)を販売したそう。先代は7年弱のモデルライフで6482台だったそうで、現行型の人気ぶりが伝わってきます。

シトロエン C3
新型シトロエンC3のフロントマスク

今回のマイナーチェンジで最も目を惹くのは、新世代のフロントマスク。

C3エアクロスSUVをどことなく彷彿させるもので、2016年のパリモーターショーで披露されたコンセプトカー「CXPERIENCE」にインスパイアされた、という新世代のフロントグリルとインテリジェントハイビーム付LEDヘッドライトにより、先進性と押し出し感を抱かせる顔つきになっています。

具体的には、シトロエンのブランドロゴであるダブルシェブロンから伸びるクロームがLEDデイタイムランニングライトにまで広がっていてワイド感を強調。

シトロエン C3
新型シトロエンC3のエクステリア

ロア部は、新デザインのLEDヘッドライトまで延び、その下のフォグランプは、ベゼル部分をカラーパックとコーディネイトされてます。シトロエンの特徴であるAirbump(エアバンプ)もデザインが一新され、よりワイドになっています。

3つのカプセルのセットからなり、ボディワークを保護するとともに、新型C3なららしい個性を演出。また、リヤクオーターパネル、Cピラーのステッカーは、Airbumpのパターンを反復し、サイドビューに統一感がもたらされています。

C3の美点である、シートの座り心地の良さもアップデート。乗員にリビングのような居心地の良さをもたらすべく「シトロエンアドバンストコンフォート」のコンセプトがさらに強調されています。

シトロエン C3
新型シトロエンC3のインパネ

好評だというインテリアの基本デザインは踏襲しながら、快適性向上のためにアドバンストコンフォートシートをエメラルド内装仕様に初採用されています。シート生地裏に特別なフォームを配することで、身体とシートの当たり感を改善したシートだそうで、C5エアクロスSUVで導入され、支持されているシートと同様の考え方によるものだそうです。

生地裏のフォームのボリュームも従来の2mmから15mmに大幅にアップされていて、しっとりとした柔らかさでありながら、疲労につながる車体の微震動をシートが吸収するとしています。

シトロエン C3
新型シトロエンC3のリヤビュー

エンジンは「PureTech」1.2Lガソリンターボエンジンで、アイシン・エイ・ダブリュとの共同開発による6速AT「EAT6」が引き続き搭載されます。新型では、エンジンマネジメントソフトウェアの最適化でJC08モード燃費が従来の18.2km/Lから21.0km/Lへと15%向上し、WLTCモードで17.2km/Lと省燃費化が図られています。

装備も充実していて、新デザインのLEDヘッドライトが全車標準装備になります。インテリジェントハイビームは、マルチファンクションカメラが常に前方の状況を分析し、先行車や対向車の有無により、ハイビームとロービームを自動的に切り替えます。

アクティブセーフティブレーキも採用されていて、先行車や障害物を検知し、ドライバーが回避操作を行わない場合に自動的にブレーキを作動。対車両、対歩行者に対応し、作動範囲は5〜80km/hです。また、ブラインドスポットモニターシステムも用意され、斜め後方の死角にある車両を超音波センサーが感知し、ドアミラー内にオレンジ色の警告灯を点灯させる機能です。

シトロエン C3
乗り心地の良さが魅力のC3のフロントシート

ほかにも、車線逸脱警報であるレーンデパーチャーウォーニング、道路標識を表示するトラフィックサインインフォメーション、居眠りやよそ見を警告するドライバーアテンションアラート、フロント、バックソナー、バックカメラなどを用意。

グレードは「SHINE」と「FEEL」に加えて、デビュー特別仕様の「EDITION 2021」が設定されます。「EDITION 2021」は、1インチアップの17インチホイールとルーフステッカーが備わり、インテリアにテックウッド(各モデルで木目の異なるプリント)が配されたより温かみを感じさせる仕様になっています。

シトロエン C3
「C3 EDITION 2021」のシート

気になる価格は「C3 FEEL」が235万円。C3 SHINE(スタンダード内装)が257万5000円。「C3 SHINE(エメラルド内装)」が259万5000円。「C3 EDITION 2021」が269万9000円です。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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