■パワースライドドアに予約ロック機能を追加
全長3790×全幅1645×全高1745mmというサイズが与えられた新型スズキ・ソリオ/ソリオ バンディット。先代よりも全長を80mm(バンディットは70mm)延ばしたことで、広いキャビンと荷室の床面長が100mm拡大し、広い荷室を備えています。
さらに、内装部品の形状見直しにより、後席の左右乗員の肩まわりスペースを広げたことで、後席3人乗車時の快適性を向上させたそうで、快適になったキャビン、広いラゲッジスペースが新型ソリオ/バンディットの魅力といえそうです。
パワートレーンは、フルハイブリッドを設定せず、1.2LのNAエンジンと1.2Lエンジンのマイルドハイブリッドで、マイルドハイブリッドはISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーが組み合わされたスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムになっています。
フルハイブリッドについて鈴木俊宏社長は、ユーザーニーズ(売れ筋)から今回は未設定という説明をしていて、今後の追加についてもユーザーの声など市場環境を考慮して判断するとしています。
新型ソリオ/ソリオ バンディットの魅力は、広くなったキャビンやラゲッジスペースに留まりません。安全装備の強化を期待する声もあったそうで、新型ソリオ/ソリオ バンディットには、夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」が用意され、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシストが搭載されています。
さらに、運転席前方のダッシュボード上に運転に必要な情報を見やすく表示するカラーヘッドアップディスプレイがスズキのコンパクトカーで初めて採用されています。
センターメーター内には、4.2インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイが全車に標準装備され、運転をサポートする情報や警告が視認しやすくなっています。また、走行中にステレオカメラが認識した道路標識をメーター内のマルチインフォメーションディスプレイやカラーヘッドアップディスプレイに表示される標識認識機能も用意。
使い勝手の面では、便利なパワースライドドアに予約ロック機能が追加され、ドアが閉まるのを待たずに携帯リモコンでドアロックの操作が可能になります。また、新設定の運転席アンダートレー、荷室左側面のショッピングフックなど、ポケッテリアも充実しています。ほかにも、USB電源ソケットをインパネ中央部に2つ設置、後席の右側面にアクセサリーソケットも配置されていて、利便性を向上(ソリオ Gを除く)。
高精細で大型の9インチHDメモリーナビゲ―ションがメーカーオプション設定され、視野角を広げることで斜めからも見やすく、運転席と助手席両側からの高い視認性と操作性を確保したとしています。スマホ連携機能に加えて、逆走注意案内、逆走警告を新たに採用され(ソリオ Gを除く)、全車にメーカーオプション設定されています。
車内の空気を循環し、エアコン使用時の前席と後席の温度差を少なくするスリムサーキュレーターをスズキのコンパクトカーで初めて採用されています。薄型のデザインとすることで、車内の広さや後席からの眺めの良さも確保されているそうです。
走りの面では、ボディにルーフパネルとルーフメンバーの接合部に高減衰マスチックシーラーが採用され、こもり音や雨音を低減したほか、構造用接着剤の採用によって操縦安定性や乗り心地、静粛性を高めたそう。
さらに、リヤサスペンションのストローク拡大やコイルスプリングの見直しなどにより、後席の乗り心地を向上したとしています。また、ロードノイズを低減するため、リヤのインナーフェンダーライニングを全面的に採用し、静かで会話のしやすいキャビンになっているそう。
狭い場所でも取り回ししやすく、先代よりも広く、荷物も積めるようになった新型ソリオ/ソリオバンディット。ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミーというライバル車に対しては、販売力の差もあり台数では差を付けられてきましたが、全方位抜かりのないフルモデルチェンジが敢行されています。
(塚田勝弘)