■2027年度から自動運転によるモビリティサービス提供を目指す
日産自動車は、2024年2月28日、自社開発のドライバーレス自動運転(自動運転SAEレベル4相当)によるモビリティサービスの事業化に向けたロードマップを発表しました。同サービスは、日本国内での事業化を目指しているものです。
ようやくライドシェアが日本でも注目されている中、日産は、少子高齢化に伴う公共交通のドライバー不足や地域社会が抱える交通サービスの課題解決に貢献し、誰もが自由に移動できる新しい交通サービスの提供を目指しています。
国内外でモビリティサービスのビジネスモデルを構築するための実証実験を行っている日産は、横浜みなとみらい地区で、2017年から自動運転モビリティサービスの実証実験を開始。
さらに、福島県浪江町では2021年から有人運転モビリティサービス(サービス名称:なみえスマートモビリティ)を運行しています。また、イギリスでは同国政府の支援のもと、ロンドン市街などで自動運転プロジェクトを実施。
こうしたプロジェクトで積み重ねた知見をもとに、自治体や交通事業者を含む関係各所と協議の上、2027年度から自動運転によるモビリティサービスの提供を目指す構えです。
実現に向けて、2024年度から横浜みなとみらい地区で走行実証実験をスタートさせ、2025年度以降は実験を行う地域や規模を拡大するとしています。実証実験では、将来のドライバーレスでのサービス提供を目指して自動運転レベルを段階的に引き上げながら、ユーザーの受容性を確認していくとしています。
なお、今回の取り組みは、経済産業省、国土交通省をはじめとした中央省庁と密に連携しながら推進されます。また、経済産業省と国土交通省が主催する「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」において、新たな自動運転移動サービスの実現に向けた取り組みも促進されることになります。
具体的には、2024年度は、横浜みなとみらい地区で日産セレナをベースとした自動運転車両での走行実証実験を実施。2025-26年度には、横浜みなとみらい地区、桜木町、関内を含む横浜エリアで20台規模のサービス実証実験を実施(セーフティドライバー同乗)。
そして、2027年度には、地方を含む3から4の市町村で、車両数十台規模でのサービス提供開始を目指すとしています。現在、サービスの開始に向けて複数の自治体と協議していて、準備が完了した市町村から事業の開始を目指す構えです。
(塚田 勝弘)