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■2輪車初の2モーター式スロットルバイワイヤも装備
ホンダが誇る1000ccスーパースポーツ「CBR1000RR-Rファイヤーブレード/SP」に、2024年モデルが登場します。
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世界最高峰2輪レース「MotoGP」参戦のノウハウを投入し、218psものハイパワーを誇るのがこのマシン。
新型では、エンジン各部の仕様熟成を図り、中速域の加速性能を向上したほか、ホンダ2輪車初の2モーター式スロットルバイワイヤ(TBW)を装備。ウイングレットなど外装の小変更も施すことで、空力性能をアップしていることなどが特徴で、2024年3月1日に発売されます。
●ホンダ「CBR」シリーズのフラッグシップ
ホンダのフルカウルスポーツ「CBR」シリーズのフラッグシップモデルがCBR1000RR-Rファイヤーブレードと、その上級グレードのCBR1000RR-RファイヤーブレードSPです。

2020年にフルモデルチェンジを受けて登場した現行モデルは、世界最高峰2輪レースMotoGP参戦のノウハウを注入。
最高出力160kW(218ps)、最大トルク113Nm(11.5kgf-m)を発揮する999cc・直列4気筒エンジンを搭載するほか、最新の電子制御システムなども搭載し、ワインディングから高速道路、サーキットまで、俊敏な走りが堪能できるマシンに仕上がっています。
ラインアップには、スタンダード仕様のCBR1000RR-Rファイヤーブレードと、オーリンズ製サスペンションやブレンボ製ブレーキなどを装備した上級グレードのCBR1000RR-RファイヤーブレードSPを設定しています。
●フレームは軽量化と剛性バランスを最適化
その2024年モデルでは、まず、エンジン各部の仕様熟成を実施。カムシャフトのバルブタイミングやリフト量の変更、ピストン頭部形状変更による圧縮比アップなどにより、中速域の加速性能をより向上させています。
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また、ホンダの2輪車初となる、2モーター式スロットルバイワイヤ(TBW)を採用しています。スロットルバイワイヤとは、アクセル開度を電子信号に変換しECU(エンジンコントロールユニット)に送り、出力特性などを制御。アクセルを開け過ぎしてしまい後輪がスリップするなどの危険回避や、燃費消費量を抑えられるなどのメリットがあります。
そんなスロットルバイワイヤに2モーター式を採用したのが、新型のCBR1000RR-Rファイヤーブレード/SP。これは、スロットルバルブの開閉を2個のモーターで行う機構のこと。2気筒ごとの独立制御を可能とすることで、加速時にスロットルグリップを開け始める低開度域のコントロール性を向上。また、減速時のエンジンブレーキ効力を増加させるなどで、より扱いやすい特性を実現しています。
車体では、フレームボディの構成部品を新設計。軽量化と剛性バランスの最適化を図ることで、旋回性やタイヤの接地感を向上させるなどの効果を発揮。より自由度の高いハンドリング性能を実現しています。
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また、ウイングレット、ミドルカウル、アンダーカウルを新設計し、レースシーンで培ったエアロダイナミクステクノロジーを随所に反映させています。特に、ウイングレットは、側面積をより小さくした形状へ変更。不要に前輪が浮き上がるリフト挙動を抑制するなどの効果を生むことで、軽快性を向上させています
さらに、電子制御システムでは、前述した2モーター式スロットルバイワイヤ(TBW)の採用に伴い、変更を受けた出力特性やエンジンブレーキ特性へ対応。ライディングモードの各パラメーターを再設定することで、幅広い走行シチュエーションで感じられる「バイクを操る楽しさ」や、「さらなる安心感の実現」に寄与しているといいます。
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なお、上級グレードのSPでは、ライダーの体重をメーターに入力することで、体重に応じた前後サスペンションの推奨プリロード値を表示する機能も追加。ライダーの体格に応じ、より最適なセッティングを行うことを可能とします。
2024年モデルの車体色には、スタンダード仕様にレーシングイメージあふれるトリコロールの「グランプリレッド」を設定。上級グレードのSPには、「グランプリレッド」に加え、ブラックを基調とした精悍なイメージの「マットパールモリオンブラック」の計2色をラインアップします。
価格(税込)は、CBR1000RR-Rファイヤーブレードが248万6000円、CBR1000RR-RファイヤーブレードSPが284万9000円です。
(文:平塚 直樹)