三菱の3列シートMPV「エクスパンダー」「エクスパンダー クロス」にPHEV由来の新ハイブリッド車を追加

■新開発1.6Lアトキンソンサイクルにモーターを組み合わせ低燃費を実現

2024年2月1日、三菱自動車は、3列シートを備えるクロスオーバーMPVのエクスパンダー、車高を20mm高めたエクスパンダー クロスにハイブリッドモデルを新たに設定しました。同日、タイでの販売が開始されています。

「エクスパンダー」と「エクスパンダー クロス」に新ハイブリッド仕様を追加
「エクスパンダー」と「エクスパンダー クロス」に新ハイブリッド仕様を追加

このハイブリッド仕様は、プラグインハイブリッドEV(PHEV)から派生した新開発のシステムが搭載されています。FF(2WD)をベースに、アクティブヨーコントロール(AYC)をはじめとした三菱独自の四輪制御技術による、意のままな走りや高い走行安定性、多彩なドライブモードによる天候や路面状況に応じた走りが引き出せます。

AYCによる意のままのハンドリングも美点
AYCによる意のままのハンドリングも美点

また、状況に応じてEV走行の選択も可能で、早朝深夜の住宅街を走る際など、シーンに応じた走りも選択できます。

パワートレーンは、1.6Lガソリンエンジンに、ジェネレーターと最高出力85kWのモーターが組み合わされ、専用となる駆動用バッテリーを採用。新開発となる1.6L DOHC 16バルブ MIVECエンジンは、高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化することで燃焼効率を向上し、同社のエンジンとして初めて電動ウォーターポンプを採用することで機械損失を低減。

モーター駆動ならではの走りも楽しめる
モーター駆動ならではの走りも楽しめる

ガソリンエンジンCVTモデルと比べて、エンジン単体燃費は約10%改善されるとともに、NEDCモードで市街地走行の燃費は約34%、市街地走行と高速走行を組み合わせた燃費は約15%の低燃費化も果たされています。

新開発のハイブリッドシステムとしては、「EV」「ハイブリッド」「回生」の3モードから構成されています。走りや駆動用バッテリー残量に応じて、システムが自動で最適な走行モードを選択し、低燃費化に貢献するのと同時に、力強く気持ちのよいモータードライブも可能。さらに、走行モードは、ノーマル、ターマック、グラベル、マッド、ウッドも設定されています。

走行モードは、ノーマル、ターマック、グラベル、マッド、ウッドも設定
走行モードは、ノーマル、ターマック、グラベル、マッド、ウッドも設定

発進時や低速域では、駆動用バッテリーからの電力でモーター駆動するEVモードによって、電気の力だけで走行します。

登坂時や加速時は、エンジンが発電機になり駆動用バッテリーの電力と合わせてモーターで走行。さらに、高速域では、エンジンの動力で走行してモーターがアシストするハイブリッドモードに切り替わります。

ハイブリッド走行時でも、エンジンが滑らかに始動するため、モーター駆動ならではのスムーズな走りが可能になります。回生モードでは、減速時に回生ブレーキによって減速エネルギーを回収して電力変換し、駆動用バッテリーに蓄電されます。

ブルーのアクセントカラーを配したエクステリア
ブルーのアクセントカラーを配したエクステリア

エクステリアは、「HEV」バッジがフロントグリルとリヤゲート、「HYBRID EV」バッジがフロントドアに配置され、フロントロア、サイドガーニッシュ、リヤバンパー、ホイールにブルーのアクセントカラーが配されています。

「エクスパンダー」と「エクスパンダー クロス」に新ハイブリッド仕様を追加
「エクスパンダー」と「エクスパンダー クロス」に新ハイブリッド仕様を追加

ボディカラーは、硬質で高輝度かつ鮮明なカラーリングによって、電動車らしいクリーンな印象を与える「ホワイトダイヤモンド」が新たに設定され、「ブレードシルバーメタリック」「グラファイトグレーメタリック」「ジェットブラックマイカ」を用意。エクスパンダー クロスのHEVモデルには、「グリーンブロンズメタリック」も設定されています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる