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■タイヤハウスに溜まる雪や氷は放置厳禁!
雪道を走行すると、タイヤとボディの間のホイールハウス(タイヤハウス)には雪や氷の塊が溜まりますが、これががなかなか落ちなくて非常に厄介です。かといって、そのままにすると事故に発展することもあるため放置もできません。
そんなタイヤハウスの雪や氷を効率的に落とせる道具や、付着させない裏ワザがあるようです。タイヤハウスに溜った雪や氷が引き起こすトラブルと落とし方を調べてみました。
●タイヤハウスに詰まった雪や氷が起こすトラブル
・ハンドルが切れなくなる
もっとも危険なのは、タイヤハウスに溜った雪が邪魔をしてハンドルが切れなくなることです。
カーブや交差点が多い一般道の走行では、なかなかこういったことは起きませんが、ほとんどハンドルを切らない高速道路を長時間走行すると、タイヤハウスには隙間がない程びっしりと雪が溜まります。
こうなってしまうと、ハンドルを切ってもフロントタイヤが溜った雪にぶつかってしまい、タイヤの向きが変えられなくなってしまうのです。
高速道路上では問題なく走行できても、高速を降りた先の一般道で急にハンドルが切れないことに気づき、そのまま交通事故に発展するケースもあります。
・タイヤが回りづらくなる
タイヤハウスに付着した雪が過剰になると、タイヤの回転を妨げることもあります。
タイヤとボディの間で圧縮されて固くなった雪が、車体が上下動をした際にタイヤと接触して抵抗になることで、異音を発するとともに、燃費の悪化やタイヤの摩耗を引き起こしてしまうようです。
・車体のキズやパンクの原因に
走行中にタイヤハウスから脱落した氷の塊は、車体下にぶつかってキズをつける恐れがあります。また、硬い氷の塊を踏むと速度によってはタイヤがパンクすることもあるので、路上に落下した氷の塊は交通の大きな妨げになります。
タイヤハウスに溜った雪や氷は以上のようなトラブルを引き起こすので、こまめに除去しなくてはいけません。特に危険な雪の高速道路では、パーキングエリアに立ち寄る度に必ずチェックするといいですね。
●溜った雪や氷の除去方法と注意点
小さな雪や氷の塊なら足で蹴るだけで落とせます。その際はつま先で蹴ると足を痛めてしまうので、踵で蹴落とすのがコツです。
柔らかい雪なら、車に備えているスノーブラシに付いたスクレーパーで削ぎ落とすのがよいでしょう。ただし、タイヤハウスの奥にはブレーキホースやABSセンサーケーブルなどの重要部品があるので、奥側の雪を掻き出す際はスクレーパーを引っ掛けたりしないように注意が必要です。
大量の雪を落とす場合は、洗車場やガソリンスタンドなどに設置されている高圧洗浄機が効率的です。融雪剤による錆を防ぐため、ついでにボディ下回りの洗浄も行うことをおすすめします。
カチカチに凍りついてしまった氷の塊は、大きめのマイナスドライバーや、金属や石などを加工するタガネなどの工具を当てて、ハンマーで叩きながら少しづつ割っていくしかありません。
・ゴムハンマーが便利で使いやすい!
溜った雪や氷の除去にもっとも有効なのはゴムハンマーです。ゴムハンマーなら、車体にキズをつける危険も少ないうえ、強い衝撃を与えられるため硬い氷も柔らかい雪も簡単に落とせます。
形状や大きさが最適化された専用のゴムハンマーの使用がベストですが、100円ショップやホームセンターで売っているゴムハンマーでも十分です。
使用時は、ボディと氷の間を狙って衝撃を加えるのがコツです。上手くいくと氷の塊がまとめて気持ちよく剥がれ落ちます。除去作業時はハンドルを目一杯切って、フロントタイヤの後側にスペースを確保しておくと作業がしやすくなります。
●【裏ワザ】雪の付着対策にシリコンスプレー
雪や氷を落とす方法はわかりましたが、雪を付着させない方法はないのでしょうか。
実は、撥水効果のあるボディ用のワックスやウインドウコーティング剤などをホイールハウスにあらかじめ塗布しておくことで、雪や氷が付着しづらくなるとともに、落としやすくすることが可能です。
もっとも使いやすく価格が安いのは、ホームセンターなどでも購入できるシリコンスプレー。ホイールハウス内にシリコンスプレーを吹きかけておくだけで、格段に雪や氷が付着しづらくなります。
ただし商品を購入する際は、プラスチックにも使える石油系溶剤を使用していないタイプのシリコンスプレーを選ぶようにしましょう。また使用時は、タイヤの接地面にシリコンスプレーなどの薬剤が付着するとスリップの原因になるので、ダンボールなどで保護しながら作業してください。
厄介なタイヤハウスの雪や氷の付着はシリコンスプレーで予防し、付着してしまったらゴムハンマーで落とすのがよさそうです。
特に、硬い氷の塊は路上に放置するだけで周囲に危険をおよぼすため、こまめに除去して路上に落下させないことが大切ですね。また、駐車場やパーキングエリアなどの公共スペースで落とした雪や氷は、邪魔にならない場所へ自分で片付けることも雪道で必ず守りたいマナーです。