目次
■スズキ2輪車で初の電子制御サスペンション搭載
スズキは、2023年11月にイタリア・ミラノで開催された2輪車ショー「EICMA2023(通称:ミラノショー)」で発表した1000ccのクロスオーバーバイク「GSX-S1000GX」を国内導入することを発表しました。
スズキの大型スポーツモデル「GSX-S1000」シリーズに属するこのモデルは、スポーツツアラーとアドベンチャーを融合させたクロスオーバーバイク。
オンロードはもちろん、オフロードでも高い走行性能を持つことで、幅広いフィールドで快適なロングツーリングを楽しめるモデルで、2024年1月25日に発売される予定です。
●999cc・直列4気筒エンジンを搭載
GSX-S1000GXは、舗装路はもちろん、悪路でも高い走破性を発揮するクロスオーバーバイクというジャンルに属するモデルです。
ベースとなっているのは、ネイキッドモデルの「GSX-S1000」や、スポーツツアラーの「GSX-S1000GT」を擁するGSX-S1000シリーズ。
搭載するエンジンは、これらと同じ999cc・水冷4サイクル直列4気筒。最高出力110kW(150PS)、最大トルク105N・m(10.7kgf・m)を発揮。スポーツライディングに必要な動力性能を持ちつつも、ツーリング性能を向上させる独自の新技術や装備を採用していることが特徴です。
全体のフォルムは、スポーツバイク並みの性能を体現したアグレッシブなシルエットを採用。アップライトな乗車姿勢を組み合わせることで、ツーリングでの快適性も追求しています。
また、縦に2灯配置したLEDヘッドランプはモノフォーカスタイプを採用。小型軽量ながらもクリアな前方視界を確保しています。
加えて、フロントカウルは、走行時に発生する負圧の発生を抑制するレイヤードデザインを採用することで、不快な風の巻き込を防止。3段階の高さ調整可能なウインドスクリーンや標準装備のナックルカバーなどと相まって、高い防風効果を発揮します。
●電子制御サス「SAES」を搭載
機能面で注目なのが、スズキの2輪車で初採用した、電子制御サスペンション「SAES(スズキ・アドバンスド・エレクトロニック・サスペンション)」。これは、ショーワ製EERAをベースに、GSX-S1000GX専用にセッティングを施したもので、速度や路面状況、ブレーキによる車両の姿勢変化に応じて、サスペンションの減衰量やプリロードを自動調整することを可能としています。
機能には、まず、路面の変化に対応して追従性と快適性をさらに向上させる「SFRC(スズキ・フローティング・ライド・コントロール」を採用。
また、車速を監視し、速度に合わせて減衰力を最適化する「SVDC(スズキ・ベロシティ・ディペンデント・コントロール)」も搭載します。
加えて、ブレーキによる車両姿勢の変化をスムーズに収束させ、理想的なピッチ運動を実現する「SDDC(スズキ・ディセレレーション・ダンピング・コントロール)」も装備。
これらと前後150mmのホイールトラベルが相まって、長距離走行時の疲労を軽減し、快適な走行に貢献します。
また、3つの走行モードから任意のモードを選択し、エンジン制御マップの切替えが可能な「SDMS-α」も採用。天候や、路面状況における様々な状況や、ライダーの好みに応じたモードを選択することでライディングをサポートします。
さらに、電子制御サスのSAESには、このSDMS-αと連携し、通常路面走行時の応答性を重視した設定と、石畳や凹凸のある路面を走行する際に乗り心地をより滑らかにする設定をシームレスに切り替える「SRAS(スズキ・ロード・アダプティブ・スタビライゼーション・システム)」も採用。特に、凹凸のある路面では、SFRCが自動的に切り替えを行い、スムーズな走行に貢献します。
なお、リヤサスペンションのプリロードアジャスターは、電子制御化により、走行シーンに応じて4つのモードから選択が可能。「1人乗り」「1人乗り+荷物積載」「2人乗り」から選べる「マニュアルモード」に加え、プリロードと減衰力を自動で調整する「オートモード」も用意。タンデムや荷物の積載状態などに応じ、車体姿勢を自動で補正する機能も装備しています。
●ツーリングでの疲労度を軽減する装備が満載
ほかにも、スロットルを操作せずに設定速度を維持できる「スマートクルーズコントロール」や、アクセルやクラッチレバーの操作をせずにシフトチェンジ(アップ/ダウン)が可能な「双方向クイックシフトシステム」なども採用。
ロングツーリングなどでの疲労度を軽減する数々の装備が満載です。
カラーバリエーションは、「トリトンブルーメタリック」「パールマットシャドーグリーン」「グラススパークルブラック」の3色。
価格(税込)は199万1000円で、前述の通り、2024年1月25日に発売される予定です。
(文:平塚 直樹)