マツダロードスター990S、レクサスIS500、アルピーヌA110Rの共通点は?【2024年おすすめ車ベスト3】

■運転して楽しい、2024年のおススメ車は?

ついに明けました2024年。新年1発目の編集部からのお題は「2024年おすすめ車ベスト3」ってことなんですが、そう言われても誰に向けて発信するかでその内容は大きく変わってくるわけです。極端な話をすると、子育てファミリーが毎日の生活に使う車と、車好きがサーキットを走るための車では対象が全然違うわけで…。

そこでこの記事では、”運転好きに勧める2024年おススメの車ベスト3”としましょう。

そして、もうちょっと絞って「サーキットを走らなくても運転する気持ちよさに包まれることのできるモデル」としておきましょうかね。「もう買えない車でもOK」ってことなので、2023年に乗った車の中から「これぞ!」というモデルをピックアップしました。それではいきましょう。

●アルピーヌ A110Rは、乗ってすぐに分かる、ドライバーとの一体感がステキ♪

アルピーヌA110R
アルピーヌA110R

ときどき「いい車は50m走ればわかる」っていうじゃないですか。個人的には「そんなのわかるわけないよ」と思っているのですが(あくまで個人の感想です)、A110Rは走り始めてすぐにビビビッと来ましたね。

こいつはタダモノじゃないなって。

何が凄いかって、車とドライバーの一体感です。まるで4つのタイヤの位置と状況を手足くらいの感覚で感じられ、運転操作に忠実で、挙動が分かりやすく、思い通りに車が動くから運転が気持ちいいのなんのって。

ボンネットやルーフ、なんとホイールまで!がカーボンだったり、シートベルトは3点式が付いていなくてコンビニまで行くときも強制的に6点式だったり、ルームミラーも後方カメラ(後退用のバックカメラはある)がなくて真後ろの状況がよくわからないなど、かなりクセ強めの車ですが、運転していてこんなに心が晴々するピュアドライビングカーはそうそうないですよ。

運転して50m走った瞬間に恋に落ちたので、宝くじが当たったら買おうと思っているのですが、台数など限定車ではないとしながらも、もう受注は終了したとのこと。でも、中古でも欲しい1台です。

●レクサス IS500の絶滅危惧種、V8エンジンの爽快感!

いまや世界的にも希少種となり、生物だったら確実に「レッドリスト」入りしているのが大排気量の自然吸気V8エンジン。アメ車にはまだ生き残っていますが、欧州車は一部の超高性能車を除き姿を消しちゃいましたからね(欧州の4ドア/5ドアは絶滅)。

でも、日本にはまだ残っているのだから奇跡的。レクサス「RC F」や「LC500」なんかに搭載しています。

レクサスIS500
レクサスIS500

2023年に国内デビューした「IS500」は、4ドアボディのISに排気量5リッターのV8自然吸気エンジンを搭載したセダンですが、この481psのエンジンは速さは当然として、音とか回転上昇のフィーリングとか、高回転の炸裂感といった官能性能も凄い。ひとことでいうと「色気のあるエンジン」です。

IS500のいいところは、そんな官能的なエンジンを積みながらも、サーキットよりは峠道や高速道路を主体とした味付けになっていること。どういうことかといえば、足を硬くして速さを求めるのではなく、日常の快適性を保ったうえで走りの気持ちよさを楽しめるようなセッティングなのです。

ボクのような運転好きだって、マイカーの本籍地はサーキットというのはちょっと違います。そうじゃなくて「サーキットは走らないけど、速くて気持ちいい車が欲しい。快適性の犠牲なしに」となったら、このIS500ほどマッチする車はないんですよね。これぞ大人のドライビングカーです。

ちなみに搭載するV8エンジンは、アクセルを全開にしなくても、中間加速などでちょっと踏み込むだけで骨抜きにされそうなくらい気持ちいい。そういうエンジンって、大事ですよね。

●ハンドリングの爽快感っていったら、もうマツダ・ロードスター990S!

2023年の秋に、生産と販売が終わってしまうというので、その前にと駆け込みでロードスター990Sと数日過ごしてみました。

そこで感じたことを率直に言うと…何この気持ちよさは?

マツダ・ロードスター990S
マツダ・ロードスター990S

車の動きがただただ素直で、峠道ではもちろんゆっくり交差点を曲がるときでも、ハンドル操作に応じてス―――っと曲がっていく爽快さが気持ち良すぎる。軽快っていう言葉はロードスター990Sのためにあるのでは!?なんて思うくらいです。

峠道であれば、そのままレールの上を走るかのようにコーナリングラインを描き、立ち上がりではアクセルを踏みつつもしっかりと曲がる感覚が心地よすぎる。そのうえで何がいいかといえば、速度が低くても十分に楽しいこと。日常で楽しめることの大切さを教えてもらったといっていいでしょう。

ロードスター990Sの後ろ姿
ロードスター990Sの後ろ姿

速さなんていらない。素直に曲がって気持ちよければそれでいい。そんなことを再認識させられました。

そのうえ、上記2台と違って手が届きやすい価格も嬉しい!


というわけで、タイトルにある「990SとIS500とA110Rの共通点は?」のアンサーは、どれも数字3桁がつく!…ではなく、骨抜きになりそうなほどに運転が楽しいだけでなく、ゆっくり走っても気持ちいいスポーツモデルだということ。

ちなみにA110Rと990Sはもう新車オーダーはできませんが、そのあたりは2023年の振り返りということでご容赦を。

果たして2024年は、これらを上回るほどの快楽を提供してくれるスポーツモデルが登場するのでしょうか? 楽しみですね。

(工藤 貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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