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■33年前の当時はデカいリヤスポイラーにビックリしたもんだ!
●GT-RになれなかったスカイラインGTS-R!?
1987年かぁ~。ワタクシゴトですが、ちょうどこの頃にOPTION編集部のスタッフに加わりました。OPT編集部で購入したスカイラインGTS-Rを、スタッフのひとりが東北道までナラシに行っていた日に初出社だったので、よ~く覚えているんですよね。
で。購入したそのGTS-Rはその後、HKSとタッグを組んでチューニング企画がスタート! あんなコトやったりそんなトコまで行って走ったりした、ある意味OPT伝説のクルマでもあります。
ということで、OPTION・GTS-R誕生前の記事を振り返ってみましょう。
■スカイライン2ドアスポーツクーペ『GTS-R』。メーカーもチューンドを作る時代だぜい!
●Rの赤バッジが復活、もう本格メーカーチューンドといってしまおう
GT-RがR380用エンジンのディチューン版S20を搭載していたように、このGTS-Rは文字通りレースを意識したチューニングがなされている。なんたってグループA総合優勝を狙うベース車だもんね。
心臓部はRB20DET-R、これがただものじゃない。
まずターボ。日産内製のセラミックタービンに代わって装着されているのは、ギャレット製のT04E。そう、チューニングフリークなら誰でも知っているハイフロータイプのヤツだ。日産がスーパーシルエットに使用し、あのHKSでも、特に高性能タービンとして位置付けているものだ。ズバリ、ハイレスポンス、高過給圧の戦闘タービンだ。
そして、このタービンに繋がるのは、驚け! ステンレスタコ足だ。コイツはほとんど手作りの一級品なのだ。もちろん、大容量インタークーラーも備える。
ホント、まさにチューンドカーのノリ。思わず追加インジェクターはレビックで…なんて言ってしまいたくなる。まぁ、そのへんの燃料制御も純正チューンドコンピューターで不安なくバッチリなんだから嬉しい。
●MAXパワーは210ps以上!
このGTS-R、1987年インターテックに出場する予定。もちろん、本格的にレーシングチューンされ350psは楽勝という。ポテンシャル的にはシルエットフォーミュラ並み(だいたいタービン自体、同じモノなんだ)。チューンで600psもいくなんて話もある。
戦闘力の追及はエンジンだけじゃない。日本初のダブルシンクロ5速強化版ミッションを新採用。ウレシイことにコイツは他のノーマルにも採用されている。シフト頻度の高い2速と3速(3速はRB20DETのみ)でシンクロトルクを発生するコーン面をダブルにしてある。つまり2倍のシンクロ容量を得ているのだ。
そのほか、ストラットタワーバーやモノフォルムバケットシートを専用装備。もちろん、HICASもさらにチューニングされている。
この、メーカーが作ったチューンドカー、800台の限定販売だ。
プレミアムがつくかどうかなんて関係ない。スカGマニアじゃなくてもなんとか1台欲しいヤツじゃないか!?
●T04Eタービンの実力
GTS-RがT04Eターボチューンで登場となれば、やはりその究極の実力が気になる。
T04Eといえば従来から、HKSでその効果を強力にアピールしている名機。さて、そのチューンポテンシャルはどうか。
HKSでのテストデータでは、現行フェアレディZR(Z31)・RB20DETが280psをマーク。仕様はもちろん、T04EタービンにF-CON、マフラー、AIC、スペシャルインタークーラーでブーストは0.9kg/cm2。ほぼ同じ仕様で1.4kg/cm2まで上げると(エンジンノーマルでは危険なところだが)310psをマークしている。
新RB20DET-Rエンジン、そのチューンアップ耐久性が興味深いね。
ほ~。T04Eタービンにステンタコ足ですか! それよりもRB20DETエンジンに『R』が付くのがそそりますね! このGTS-Rネタは今後もチョイチョイ紹介していく予定ですのでお楽しみに~!
[OPTION 1987年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
※2020年10月22日の記事を2023年12月28日に追記・再編集しました。