懐かしの2ドアスポーツカー、フォード「カプリ」がSUVで30年ぶり復活!? フォルクスワーゲンとの共有プラットフォームで開発中

■随所にオリジナルモデルを彷彿させるデザイン採用

フォードは2022年3月、名も無い新型モデルに「スポーツクロスオーバー」と名付け、ティザーイメージを公開しましたが、その市販型プロトタイプをカメラが初めて捉えました。

フォード 新型スポーツクロスオーバー開発車両 スパイショット
フォード 新型スポーツクロスオーバー開発車両 スパイショット

現在フォルクスワーゲンとフォードは、プラットフォームを共有し、同じ工場で自動車を製造することを含む継続的な契約を結んでいます。それらのプラットフォームの1つは、ID.3、ID.4 などを支えるフォルクスワーゲンの「MEB」であり、これによりフォードはクロスオーバーを生み出す予定です。

フォルクスワーゲンとフォードの提携では4台の乗用車と5台の商用車が含まれていることが分かっていますが、今回捉えたプロトタイプはフォルクスワーゲン・グループのプラットフォームに基づいて製造される4台の乗用車のうちの1台ではないかと考えられています。

フォード 新型スポーツクロスオーバー開発車両 スパイショット
フォード 新型スポーツクロスオーバー開発車両 スパイショット

捉えたプロトタイプからは、マスタング「マッハE」より大きく、今年2月に捉えたミッドサイズクロスオーバーよりもさらに大型のEVである様子がうかがえます。

言い換えれば、これはフォルクスワーゲン「ID.4」よりも大きく、ID.6に近いサイズとなります。また市販型では「カプリ」の名が復活すると噂されていることも注目です。

カプリは1961年に発売されたフォードの2ドアスポーツカーで、クーペの後には最終モデルとしてコンバーチブルを発売、1989年から1994年まで製造されました。もし「カプリ」の名が与えられれば、実に30年ぶりの復活となり、大きな話題となるでしょう。

プロトタイプのカモフラージュはボディ全体を覆っていますが、クーペ風の傾斜したルーフ、角ばったテールゲートなど大まかなデザインが分かるほか、フロントエンドでは、オリジナル「カプリ」を彷彿させる4つの丸形ライトユニットを装備、それを囲む丸みを帯びたLEDデイタイムランニングライトが見てとれます。

フォード 新型スポーツクロスオーバー開発車両 スパイショット
フォード 新型スポーツクロスオーバー開発車両 スパイショット

またリアウインドウ、Cピラー、一体型スポイラーと、水平に取り付けられたテールライトクラスターなどからも、オリジナル「カプリ」を彷彿させるデザインが採用されていることがわかります。

この新型スポーツクロスオーバーは、フォード「エクスプローラーEV」がフォルクスワーゲン ID.4の兄弟であるのと同様に、フォルクスワーゲン ID.5と密接な関係にあります。 そのため、フォルクスワーゲンのMEBアーキテクチャを採用し、シングルまたはデュアル電気モーターと2つのバッテリー容量(58kWhまたは77kWh)のいずれかを選択できる可能性が高いようです。

キャビン内では、ステアリングホイールの左側にあるヘッドライトコントロールパネルや、個性的なSYNCベースのインフォテインメントシステムなど、フォルクスワーゲンの様々なソリューションが期待できるでしょう。エクスプローラーEVは、ID.4と比較してインテリアレイアウトが完全に異なっていますので、開発が進むこれより大型のモデルにも期待できることを示唆しています。

まだ名も無い新型スポーツクロスオーバーは2024年以内のデビューが予想されており、フォードのケルン工場で生産予定となっています。果たして「カプリ」の名は復活するのか、楽しみです。

(APOLLO)

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アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
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