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■111万人以上を集め、イベントとしては大成功!
東京モーターショーあらためジャパンモビリティショーとなった記念すべき第1回のイベントが無事に閉幕しました。
会場は東京ビッグサイト、主催者発表によれば、総来場者数は111万2000人。一般公開日が10月28日から11月5日までと実質的に9日間、2回の週末と1日の祝日があったことを考えても、集客面では大成功したイベントといえるのではないでしょうか。
モーターショーからモビリティショーへの変化・進化は単なる名称変更ではありません。ショーの内容や展示物についても大きく変わっていたように思えます。
そんなジャパンモビリティショー2023、自動車コラムニストとして活動する筆者の独断と偏見による総括をお伝えしようと思います。もっとも、筆者はプレスデイと呼ばれる取材専用の初日にしか会場を訪れておりませんので、その範囲で感じた話になることは、悪しからずです。
さて、ジャパンモビリティショー2023で一番印象に残った、モーターショーが生まれ変わったと感じたのは、4足のモビリティを見たときでした。
遊園地などの乗り物を開発しているという三精テクノロジーズの手による、世界初の4足歩行・4人乗りモビリティは現実的では遊具の域をでず、そのままでは移動手段としての有効性に疑問符がつくかもしれません。しかし、こうしたモビリティが街を闊歩する様子は、まさに未来のモビリティ社会を想像させるのではないでしょうか。
●Tokyo Future Tourがそのまま拡大すればいい
ジャパンモビリティショー2023を訪れた方ならご存知のように、この4足モビリティはTokyo Future Tour(トーキョーフューチャーツアー)のエリアに飾られていました。
西展示棟1階を広く使った同ツアーは、「こんなモビリティがある未来があったらいいなを感じる、未来の東京ツアー」をコンセプトに、様々な未来のモビリティが集まった企画展示。
ツアーの最初は、大スクリーンに投影される自動運転時代の移動を疑似体験することから始まります。その内容は近未来を感じさせるもので、これから先にどんな未来的モビリティが待っているのかのワクワクを高めてくれるものでした。個人的には、ゴジラ映画とのタイアップが無理やり的に入っていたのには苦笑させられましたが…。
いずれにしても、トーキョーフューチャーツアーの会場内には、いい意味で雑多に未来のモビリティが並んでいるため、次々に刺激が感じられたのは好印象。
特定のブランドが考えている未来を知りたいというファンのニーズは満たせないかもしれませんが、日本社会がどんなモビリティによって進化していくのかを感じられ、考えるきっかけになる展示でした。
初めての試みということで、文化祭的なテイストも感じられました。そのためモーターショーを見慣れた人からすると、完成度が低いという評価もあったようですが、逆にいうと自動車メーカーのブースはモーターショー時代とさほど変わらなかったという印象があったのも事実。
むしろ、トーキョーフューチャーツアーのテイストを会場全体に拡大することで、モビリティショーという名前にふさわしい新しいスタイルのショーになるのでは?というのが筆者の印象です。
●次回は人が乗れるロボットに期待したい
あらためて、トーキョーフューチャーツアーでの展示にフォーカスすると、いわゆる「空飛ぶ車」と称される小型の垂直離着陸機が目立っていた印象があります。
構造としては、人が乗れるサイズのドローンといったもので、基本的には自動操縦を前提としたもの。こうした機体が空を駆け巡る時代がやってくると、個人の移動は空、陸上を走るモビリティはロジスティクスという風に切り分けられるのかもしれません。
もっとも空を飛ぶというのは、物理的にエネルギーを多量に消費するはずですから、庶民の移動手段は相変わらず陸上、というのは未来でも変わらないという風にも考えられます。
陸上を移動するといっても、タイヤを回す以外のソリューションもありえるのは、冒頭で紹介した4足歩行モビリティからもわかるでしょう。
もはや日本文化のひとつといえるアニメーションの世界では、陸上を移動するロボットが登場することが少なくありません。横浜にある動くガンダムが、歩行的なパフォーマンスをしているのは、いつかはロボットでの移動が実現することを目指しているからだといいます。
その意味で、次回のモビリティショーでは、陸上をタイヤではなく、歩行するモビリティが増えて欲しいと思います。同じく日本のアニメーションに例えれば、『パトレイバー』の世界が現実になるようなモビリティショーを期待したいのです。