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■清水和夫がジャパンモビリティショー2023を見て、感じ、思ったこととは?
●ホンダジェット、10億円しないのか……買っちゃう!?
2023年10月25日の報道関係者初お披露目から始まり、11月5日(日)まで約1週間半の期間、東京ビッグサイトで開催されている「ジャパンモビリティショー2023」も、残すところあと数日で閉幕です。
クリッカーでは【これだけは見逃すなジャパンモビリティショー2023】と題して続々紹介していますので皆さん、ぜひ読んでね!
一般公開日[10月28日(土)]の前日、10月27日夜20時からYouTubeチャンネル「StartYourEnginesX」生配信された、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんの『頑固一徹学校』では、清水さんがJMS2023会場を回って、見て、感じ、思ったことを語りました。今回はソチラの動画を紹介します。
自動車ジャーナリストのプロ中のプロ、清水和夫さんは、今回のショーについてどう語ったのでしょうか?
●車は所有から利用する時代へ。「住友三井オートリース(SMAS)」でトークショーも行ったり、開催期間中は何度も足を運んでるよ!
今回は、ジャパンモビリティショー2023に行ってきましたので、その辺の話をしてみたいと思います。
前回の東京モーターショーが2019年。名前が変わったジャパンモビリティショー2023は4年ぶりということで、会う人会う人「清水さん元気だった?」みたいな感じの”生存確認ツアー”でございました(笑)。
今日(10月27日)、「住友三井オートリース(SMAS)」から依頼あってトークショー/セミナー(1日目)をやってきました。
このトークショーでは、私も普段なかなか聞けないようないろんな話を聞けて、いよいよ車は「所有から利用する」。愛車であっても、自動車税とか保険とかの面倒くさい手続きを全部やってくれる、このSMASのようなところにお任せするのもありなのかな、と思っています。
SMASはリース会社なんだけど、リースというよりもこれからはサブスクですね。ここはKINTO(キント)ともちょっと関連している企業なので、車は単に白物家電的なものはリースでもいいよねっていう時代から、より愛車に近いものも、いわゆるサブスクで使う時代になってきたのかな、と思っています。
●GT-Rみたい?なガンダムチックなコンセプトカー「ニッサン ハイパーフォース」
まぁこれがなんかガンダムみたいな「ニッサン ハイパーフォース」。GT-Rなんだけど(※R35ブランドアンバサダー・田村宏志さんは「GT-Rとは絶対に言ってない!」と言ってたけどw)、これはどう見てもハリボテじゃないかな?と思う。
コンセプトは、全固体電池を使ってEVのGT-R?が約1300psで走る! 0-100km/hが2秒切る車だ!って言うんですけどね。
実際、これが出てくるとはどう考えても思えないので、まぁひとつは全個体電池を日産もやってるぞ! でもトヨタに話題が全部持っていかれてしまう! ま、その辺の話なのかなと思いました。
日産には、 GT-R(風?)のコンセプトカーとフォーミュラE、あとは現実的な実車が飾ってあるくらいで、コンセプトとしての日産からのメッセージってのはちょっと薄かったのかな?って気がしました。
●骨太な三菱自動車には頑張ってもらいたい!
三菱は意外や意外、骨太感が出てきた。今まではEVシフトだったんだけど、タイで作ったトライトンみたいなディーゼル4駆、EVだけじゃなくそういった車もやるってこと。
実際、市販して売れているのはアウトランダーとかデリカ・ディーゼルなので、会社の利益率が上がってきたんですね。
上がったのはEV以外の商品をきちっと作り始めたってことで、なんか三菱らしさが戻ってきたなっていう感じがある。これはこのまんま行けば、三菱は他のOEMとの差別化ができていいかなと思います。
●レクサスの新技術
レクサス。EVってラジエターが無いので、どうしてもみんなフロントのデザインがノベっとしてしまう。
2026年くらいに出てくる本格的なBEVは、リアを4000tのギガキャストで鋳造で一発で部品を抜いて、真ん中のフロアのバッテリー部分とフロントのアクスル部分をつなぎ合わせるっていう技術です。
●ダイハツとBMWの共通点とは?
ここはダイハツ。このコペンがやたらカッコよくて! コペンはもう軽じゃない、サイズ的にね。
フロントのタイヤがグっと前に張り出しているところみたらRRか?と思ったけど、でもこれは、フロントエンジンのFR。しかし、私の期待はリアモーター/リヤ駆動のRRでEV!
コレ、なんか昔の356みたいな感じに見えたのは私だけでしょうか?
ダイハツは自動車メーカーとすれば創業100年以上なので、日本で最古の自動車メーカーという言い方もできます。
実はね、ダイハツとBMWって名前の由来が凄く似ているんです。BMWは「Bayerische Motoren Werke(バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ)」で、バイエルンにあるエンジンメーカーっていう言い方をしています。
ダイハツは元々「大阪発動機」、大阪大学と一緒に起こしたベンチャー企業なので、大阪発動機=ダイハツ(大発)ですね。ですからダイハツは言ってみればBMWみたいな感じになっているので、ぜひとも頑張ってもらいたいなと思っています。
●「MAZDA ICONIC SP」に見る、マツダのこれから
今日、1番人気があったのが、このマツダのコンセプトカー「MAZDA ICONIC SP」。
すでにロータリーエンジンのシリーズハイブリッドっていうのを出していますが、これはツインローターでシリーズハイブリッドですね。モーター出力は約370ps。センタートンネルにバッテリー、フロントはツインロータリーです。
そんなパワフルなシリーズハイブリッドなので、これがどこまで市販ベースなのかっていうのはちょっと分かりませんけど。
毛籠(もろ)社長、あるいは青山副社長と会っても、「ぜひとも私たちはこういう車が欲しいね」っていうと、「そうだね」って。マツダは今回、JMS2023で2シーターのスポーツカーだけを展示してSUVが一切無かったという、マツダらしい展示の仕方をしていました。
あと、手動運転装置付車「MAZDA ROADSTER Self-empowerment Driving Vehicle(SeDV)」っていう車も出していて、障害者の方でもロードスターに乗れるというな車。そこもマツダらしいなっていう気がするね。
●中島飛行機発生のスバルは、やっぱり空を飛ぶ!?
ジャーン!っていうのがSUBARU。スバルは元々航空機メーカーが前身で今でも航空事業部を持ってますから、やっぱり空飛ぶドローンじゃないけど「空はオレたちに任せろ!」みたいな感じで、でっかいドローンが飛んでいましたね。これ実際、スバルの葛生のテストコースではもう飛んでいます。
今回のジャパンモビリティショー2023はね、ドローンとか空飛ぶ飛行機(←自動車ね!)が本格的にキテるので、私も昔の飛行機の本をもう一度読み始めています。
ゼロ戦時代の中島飛行機のエンジニアが書いた本なんだけど、やっぱ面白い! コンピューターなんか無かった時代に計算尺でいろいろと空力を計算していくっていうところに、当時の面白さがあるなと思います。
●スズキも飛ぶ!
スズキもSKYDRIVE(スカイドライブ)という、愛知県のスタートアップが起こした空飛ぶ飛行機…じゃね~や、空飛ぶ自動車! 大きいドローンだけど、コレなんと! スズキの工場で作るんですね。
当然、別会社にはするんですけども。スズキもなかなか経営メーカーというよりも、こういうベンチャーのスタートアップに対しては意欲的に取り組んでるなっていう気がしました。
●ホンダジェットの操縦席に座ってみたぜ! 免許取っちゃう!?
ホンダの飛行機「HondaJet Elite II(ホンダジェット エリートツー)」の実物大サイズ インテリアモックアップ。会場にはさすがに羽付きでは置けないので(羽付けてると場所とってタイヘン!)、羽のないホンダジェットです。これ見た人は「宇宙船みたいだね」って。
中に入ってみたけど、正直、意外に狭い。だから、断面積小さくして空気抵抗を少なくする。コクピットも狭いんだけど、全部デジタルコクピットで、地図関係はGarmin(ガーミン/米国が本社の地図会社)を使っていると言ってました。
ホンダは独自でジェットエンジンを作っていて、昔、鷹栖テストコース(鷹栖プルービンググラウンド)に行った時に、遠くでそのジェットエンジンを回してる音を聞いたことがあります。
ただ、日本製のジェットエンジンだと、どうしてもアメリカのFAA(Federal Aviation Administration/アメリカ連邦航空局)の安全基準が取りにくい。
ってことで、ホンダジェット第2世代はGEと一緒になってアメリカの連邦基準を取っていった、というところがホンダの割り切りで、アメリカに会社を作った。
今ではもう200機ぐらい注文があるって言ってますね。価格は650万ドルくらいなので、今の150円で計算すると約10億円…。100円ぐらいだったら7億円くらい。なので、ランボルギーニとかフェラーリの値段考えたら安いっていえば安いな…っていう気はちょっとしましたね。
話は他にも、牛糞から燃料を作る話。SUBARUの飛行機の話の続き。ホンダ/GM/クルーズと組んで実証実験を始める自動運転タクシーの話。BMWのノイエクラッセが気になってしょうがない話…などなど、清水和夫さんがジャパンモビリティショー2023会場をぐるっと1周して感じたことをタップリお話しています。
ジャパンモビリティショー2023も残りあと数日! これから駆け込み参戦される方も、すでに足を運んだ方は復習として、頑固一徹学校の続きはコチラ↓↓↓の動画からドーゾ!
(解説:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/写真:永光 やすの、松永 和浩/アシスト:永光 やすの)