トヨタ新型「クラウン セダン」デビュー! アグレッシブなスタイルや、FCEV仕様にも注目

■インパネに「アイランドアーキテクチャー」を採用

トヨタは、2023年11月2日、新型クラウン セダンを発表し、同日から受注を開始しました。クロスオーバー、スポーツに続き、クラウンの王道といえるセダンがラインナップに加わりました。

新型クラウン セダンのエクステリア
新型クラウン セダンのエクステリア

「MIRAI」などと同じFRプラットフォームを使い、「トヨタ」ブランド初となる新開発の2.5L マルチステージハイブリッドシステムのほか、MIRAIと同じ高性能FCシステムを搭載するFCEVが設定されています。

エクステリアはかなりアグレッシブ。デザイナーなどの「オーソドックスなセダンはつくりたくない」という想いのもと、ニューフォーマルセダンという新たな価値を創造したとしています。FRプラットフォームを活かした、水平基調の伸びやかなプロポーションが目を惹きます。

新型クラウン セダンのリヤビュー
新型クラウン セダンのリヤビュー

フロントマスクは、鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」、縦基調のパターンが施された大型台形グリルの「アンダープライオリティ」が組み合わされ、トヨタの最上級モデルとしての存在感が強調されたフロントフェイスになっています。ワイド感を抱かせるリヤには、横一文字のテールランプが配置されています。

大型の杢目調パネルが配されたインテリアは、インパネから左右ドアに連続する配置やコンソールが浮き出て見える「アイランドアーキテクチャー」という設計・デザイン手法が採用されています。こちらは、ディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして、島(アイランド)のように配置するデザイン。落ち着きがありながら、広がりのある室内空間に寄与しています。

新型クラウン セダンのインパネ
新型クラウン セダンのインパネ

日本ならではの光による演出も見どころ。インパネ左右や前席足元、リヤドアトリム左右には、全64色に色替え対応可能なLED照明が配置されています。行燈のような柔らかい灯りによる間接光が、キャビンに奥行きと心地よさをもたらします。

ボディカラーは、フォーマルからパーソナルユースまで、大人に似合う全6色が設定されています。「ホワイト」「シルバー」「ブラック」はよりフォーマル感を強調。「メタル」や「グレー」「ブロンズ」はパーソナルユースに似合うカラーになっています。インテリアは2色で、上質な「ブラック」、華やかな空気感を演出する「ミッドブラウン」が用意されています。

伸びやかなプロポーションが目を惹く
伸びやかなプロポーションが目を惹く

パッケージングでは、居住性の向上も見どころ。ショーファーニーズに応えるべく、ホイールベースが3000mmに設定されています。後席足元のスペースも広くなったのはもちろん、足抜きしやすいスムーズな乗り降りを実現したそう。

加えて、リラクゼーション機能、日差しを遮る電動式サンシェードなどの快適装備も採用されています。

新型クラウン セダンのリヤシート
新型クラウン セダンのリヤシート

また、高級セダンにふさわしい乗り心地を目指し、サスペンションセッティングの最適化、AVSで減衰力を制御し、路面の凹凸を乗客に伝えない足まわりが追求されています。旋回時の揺れや荒れた路面の揺れを抑制し、良好な乗り味が得られるそうです。


●2.5L マルチステージハイブリッドとFCEV仕様を設定

新型クラウン セダンのヘッドライトまわり
新型クラウン セダンのヘッドライトまわり

パワートレーンは、先述したようにハイブリッド車(HEV)、水素燃料電池のFCEVの2本立て。ハイブリッド車は、エンジンと2モーターに加え、有段ギヤを組み合わせることで、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を得たとしています。

2.5L マルチステージハイブリッドシステムを採用
2.5L マルチステージハイブリッドシステムを採用

従来は、エンジンの最高出力を発生する車速領域が約140km/hから、同システムでは約43km/hからになり、速度域を問わずスムーズで力強い加速が得られるはず。

また、FCEVは、3本の高圧水素タンクと燃料電池などが搭載され、1回あたり約3分の水素充填で約820km走行できます。アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、スムーズに伸びるFCEVならではのパワーと、モーター駆動ならではの静粛性や乗り心地を実現。

MIRAIでも爽快な走りが楽しめますから、クラウン セダンも同様の走りを享受できるはず。なお、FCEVは、外部給電器の接続により、大出力の電力を住宅や電気製品に供給できます。

FCEVの燃料電池ユニット
FCEVの燃料電池ユニット

なお、FCEV、ハイブリッド車ともに、車内の2ヵ所のアクセサリーコンセント(AC100V/1500W)で電気製品が使用できます。走行中だけでなく、災害時などの非常時給電システムとして、車両が停止した状態でも給電可能です。

新型クラウン セダンは、「KINTO」(個人・法人)でも11月9日(木)から取り扱いが開始されます。

「KINTO」では、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなど、カーライフにかかる諸費用を含めた月々定額の料金のサブスクサービス。販売店のほか、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きが可能です。新型クラウン セダンの場合は、月々10万8130円(税込)から気軽に乗ることができます。

●ボディサイズ
全長5030×全幅1890×全高1475mm

●価格
「Z(HEV)」:730万円
「Z(FCEV)」:830万円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる