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■ラリーイベント「Rally Fan Meeting 2023 in 富士スピードウェイ」
10月8日(日)、静岡県・富士スピードウェイの駐車スペースを使ったラリーイベント「Rally Fan Meeting 2023 in 富士スピードウェイ」が開催されました。
このイベントではラリーカーのベースとなったクルマのオーナーズミーティング、ラリードライバーによるトークショー、パーツメーカーの展示販売、特設コースでのラリーカー同乗試乗などのコンテンツが行われました。
●トークショーでは「世界のアライ」が···!
トークショーでは、モータースポーツの実況でお馴染みのピエール北川さんが進行役で、全日本ラリー選手権に出場中の「世界のアライ」こと新井敏弘選手がラリーに関する裏話を披露しました。
たとえば、ラリーカーに定められているマシンの最低重量とドライバー、コ・ドライバーの関係性やコ・ドライバーによってのペースノートの読み方の違いなど、時折観客から笑いも起こっていました。
●ラリーカーレプリカが集結!
ステージエリア、展示ブースの横では今回のイベントの主役のひとつ、ラリーレプリカのオーナーズミーティングが開催されてました。
その多くはインプレッサ、WRXといったスバル車でしたが、中にはランチア・デルタやマツダ323、トヨタ・セリカなど、今ではなかなかお目にかかることも少ないクルマも参加されていました。
中には実際にWRCで走ったラリーカーで参加されていたオーナーもいらっしゃいました。取材中特に気になったクルマについては、オーナー様にインタビューしましたので別記事にてご紹介させていただきます。
●大迫力!全日本トップラリードライバーの同乗走行体験
Rally Fan Meetingのメインコンテンツは、現役ラリードライバーによる特設コースでの同乗走行体験でした。午前・午後それぞれ開催され、じゃんけん大会で勝ち残った約60名のファンが体験しました。
この同乗体験では、新井敏弘選手、川名賢選手、村田康介選手、兼松由奈選手の4人が自身が操るマシンで行われました。
川名選手は、なんと次の週の全日本ラリー選手権で使う本番車両、村田選手は来月開催されるWRC最終戦ラリー・ジャパン参戦に向けてFIA参戦規定に適合したGRヤリスを持ち込んでいました。
事前に散水車でコースを濡らして滑りやすくしてでの走行でした。私自身、ラリーカーのドリフトを間近に見るのは久々でしたが、D1GPのそれとはまた違った迫力がありますね。
D1GPのドリフトはフィギュアスケートの様な美しさがありますが、ラリーカーのは「何が何でも路面を掴んでいって前に」という力強さがあります。
WRCを始めとしたラリーは、コ・ドライバーのペースノートの存在があるとはいえ、一瞬の判断の遅れ誤りがコースアウト、クラッシュに繋がるようなエスケープゾーンのない公道、山岳路など、路面状況もアスファルト、砂泥、雪、しかも走る順序によって刻々と変化していく訳ですから。
その様子を動画でも収めましたのでぜひご覧ください!
●WRCに注目が集まっている中でこのイベントの意義
2008年シーズンでスバルが撤退し、そこから約10年日本車メーカーがWRCに参戦しなかったことで日本での知名度は大分薄まってしまったようですが、2017年にトヨタが電撃復帰。
ただ復帰するだけではなく、自治体とのラリー・ジャパンの復活に向けてのロビー活動、豊田章男トヨタ会長の「モリゾウ選手」としての積極的なプロモーション活動などの効果もあり、これまでモータースポーツに関心のなかった人々にもラリーの魅力が浸透しつつあります。
しかし、ラリーイベントは、サーキットで行われるレースイベントとは違いかかる費用や移動距離などでややハードルが高く、なかなか気軽に生の迫力を体感できる機会というのは少ないもの、しかも首都圏となると尚更です。
そういったなかでの今回の「Rally Fan Meeting 2023 in 富士スピードウェイ」は、とても意義のあるものになったのではないかと思います。
すでに第2回の開催も検討されているとのことです。
(栗原 淳)