■兄貴分「X4」が現行ICE搭載モデルを持って生産終了の可能性
BMWは2023年10月11日、コンパクト・クロスオーバーSUV「X2」新型を発表しましたが、そこに同ブランドの今後のSUV戦略が隠されていました。
初代となる先代X2は2018年に登場、5年振りに2代目に世代交代がなされました。
新型最大の注目は、従来のハッチバック風デザインから「X4」や「X6」のように、よりクーペSUVらしいスタイリングへと大きく変わったシルエットです。
米国市場では全輪駆動を標準装備しており、スタイリングはもちろん、前モデルよりも技術的にも進歩。この取り組みはこれまでのところ、二極化したフィードバックを集めているようです。
しかし、誰も否定できないことがあります。それはX2新型が、これまで以上に小さなX4のように見える点ですが、 実はこれには同ブランドの大きな戦略あることがわかりました。
X2新型は、先代から全長を194mm拡大して4554mmに、全幅は21mm拡大され1845mm、全高は64mm拡大して1590mmに成長させたほか、ホイールベースも2692mmに拡大され、トレッドが広くなっています。その結果、後部座席の足元スペースが拡大し、後席を折りたためば最大で1470リットルに荷物スペースが確保されました。
その理由ですが、実は兄貴分「X4」が現行ICE搭載モデルをもって生産終了の可能性が高いことがわかりました。つまり、X2新型は先代X2と現行X4の両方の代替モデルとして機能することになるのです。
これが事実となるなら、ボディサイズに加え、本格クーペSUVスタイルに関しても説明がつきます。また、より大型のアロイホイールは、X4が生産中止になった場合に生じるギャップを埋めることになるでしょう。
なお、X4に関しては車名が変更される可能性がありますが、後継モデルも開発中と噂されており、2026年にフルエレクトリックモデルとしてハンガリーで生産開始されると予想されています。
この新型EVは、BMW社内で「NA7」というコードネームで呼ばれ「ノイエ・クラッセ」プラットフォームを搭載し、次世代バッテリーを搭載するとも噂されています。新型バッテリーは、同社のEVで使用されている既存のバッテリーと比較して、充電速度が30%速くなるといいます。
X2新型は先代より5,500ドル(約82万円)も高くなりましたが、先代の前輪駆動エントリーグレードとは対照的に、すべての新しいX2にはAWDが搭載されているなど、あらゆる面で高級化されており、まさにX4の代替モデルとして成り立つでしょう。