■992世代ラインナップ中で最軽量なモデル
ポルシェは今夏、「911」の60周年記念モデルとなる「911 S/T」を世界限定1963台で発売することを発表しましたが、高額転売を防ぐため、驚くべき対策を取ったことがわかりました。
911 S/Tは、初代「911 ST」に敬意を払い、最新モデルとして復活させたスペシャルモデルです。
パワートレインは、自然吸気4.0リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンを「911 GT3 RS」から流用、最高出力525psを発揮し、0-100km/h加速3.7秒、最高速度300km/hというパフォーマンスを持ちます。
またフロントボンネット、ルーフなどにCFRP(軽量カーボンファイバー強化プラスチック)を採用、カーボンセラミックブレーキの「PCCB」システムや、軽量ガラスを装備するなど、車重を992世代ラインナップ中で最軽量なモデルであるとともに、375,000ドル(約5,576万円/2023年10月10日現在)と、911史上最も高額な設定となっています。
これまでポルシェ限定モデルは、マニアの間で大変な人気を誇っており、1億〜2億のプレミア価格が付くことは珍しくありません。
そこで、ポルシェが転売防止のために取った手段が物議を醸し出しています。
その方法とは、911 S/T購入者に対し12ヶ月間は完全な所有権を取得出来ないシステムとし、実質12ヶ月間はリース契約を強いられるというものです。
911と718モデルラインの責任者であるフランク・モーザ氏は、「私たちは、真の愛好家が今後何年にもわたって所有し、運転を楽しんでいただける車を確実に提供したいと考えています」と語っています。
しかし、5,500万円超えのスーパーカーを、たとえ一括払いで購入したとしても、12ヶ月は自分名義にならないとはなんとも切ない話。ポルシェには「所有する喜び」があります。しかし一番幸せを感じられる最初の12ヶ月がリース会社の名義というのは納得いかない顧客も多いと聞きます。
もちろん、ポルシェの言い分もわかりますが、何かほかの対策や契約方法を考えてもらいたいものですね。