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■電子制御サスペンション付きの高級モデル
高速道路などのクルージングからワインディングまで、長距離ツーリングで余裕の走りを楽しめるカワサキの大型ツアラーモデル「ヴェルシス1000SE」に2024年モデルが登場しました。
1043cc・水冷4ストローク並列4気筒エンジンを搭載、前後17インチホイールや最新の電子制御サスペンションなどにより、様々なシチュエーションで走る楽しさを味わえるのがこのモデル。
新型では、基本性能はそのままに、車体色やグラフィックを刷新したほか、パニアケース&トップケースを標準装備した特別仕様車も設定されました。
●乗車人数や荷物に応じたセッティングも可能
ヴェルシス1000SEは、2012年に登場した初代モデル以来、長距離ツーリングなどで走りが楽しめる大型ツアラーモデルとして国内外で根強い人気を誇っているモデルです。
現行モデルのエンジンには、1043cc・水冷4ストローク並列4気筒を搭載。最高出力88kW(120PS)/9000rpm、最大トルク102N・m(10.4kgf・m)/7500rpmを発揮するパワートレインは、全ての回転域で優れたスロットルレスポンスと強力なトルクを味わえることが魅力です。クルージングでも、スポーティな走行でも、ゆとりのあるパワーでライディングを楽しむことができます。
また、走行風からライダーを守り、疲労軽減などに貢献する大型スクリーンや、クイックでスポーティなハンドリングを可能にする前後17インチホイール、高輝度LEDヘッドライト、グリップヒーターなどを装備し、長距離ツーリングでの高い快適性も実現します。
加えて、高度な車体姿勢認識を行うボッシュ社製「IMU(慣性計測装置)」を基軸とした、最新の電子制御システムも満載です。
主な機能は、まず「KCMF(カワサキ・コーナリングマネジメント・ファンクション)」を採用。これは、コーナリング中のエンジンやシャーシ各部の状態をリアルタイムでモニタリングし、パワーやブレーキ効力を最適な状態にコントロールする機能です。
また、滑りやすい路面など、さまざまな状況において安定した車体の挙動維持をサポートする「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」、スロットルを操作しなくても自動で設定スピードを維持する「エレクトロニッククルーズコントロール」なども採用します。
さらに、ショーワ製のスカイフック式EERA(電子制御ライドアジャスト)テクノロジーを採用したセミアクティブサスペンション「KECS(カワサキエレクトロニックコントロールサスペンション)」も装備。
これは、サスペンションに内蔵したセンサーとIMUの検知データを基に、まるで空からバイクを吊ったかのように、バネ(スプリング)上の車体を安定させるという考え方から生まれた機能です。路面の凹凸に応じてショックアブソーバー内の減衰力を自動で調整することで、路面からの衝撃などを最小限にし、車体の走行安定性を向上させます。
ほかにも、電子制御リヤプリロード調整機能を搭載し、「ライダーのみ」「ライダー+荷物またはタンデムライダー」「ライダー+タンデムライダー+荷物」といった3種類の積載モードを選択可能。ツーリング時の乗車人数や荷物など、状況に応じて最適なサスセッティングを選ぶことができます。
●標準仕様車が204万6000円、特別仕様車は209万6600円
そんなヴェルシス1000SEの2024年モデルでは、まず、車体色やグラフィックを変更。新色の「メタリックディアブロブラック×メタリックファントムシルバー」を採用し、より高級感をアップしています。
また、販売店グループ「カワサキプラザネットワーク」向けの特別仕様車として「ヴェルシス1000 SEプラザ・エディション(VERSYS 1000 SE PLAZA EDITION)」も登場。これは、本来は別売アクセサリーのパニアケースキット(片側28L・左右セット)とトップケースキット(47L)を標準搭載したバージョンです。
価格(税込)は、標準仕様車が204万6000円、特別仕様車のプラザ・エディションが5万600円アップの209万6600円。
特に、プラザ・エディションは、かなりお買い得な仕様のようです。標準装備されているアクセサリーは、本来、車両本体価格とは別に…、
パニアケース(9万9000円)+バッグフィッテイングキット(1万8480円)+トップケース(3万8500円)+ベースプレート(1万9800円)の合計17万5780円
以上が必要だからです。それが、車両本体価格(204万6000円)+5万600円で購入できるのですから、かなり注目ですね。
なお、新型モデルの発売日は、いずれの仕様も2023年12月15日の予定です。
(文:平塚 直樹)