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■仮想とは思えないWRCの世界にどっぷりと浸かれるモード満載
WRC(世界ラリー選手権)の最新の公式ゲーム「EA SPORTS WRC」が、11月3日にPS5、Xbox Series X/S、PC向けに発売されることが発表されました。その概要に触れた動画が公開されましたので、前回はその詳細を解説しました。
そして、9月27日の深夜に、公式Youtubeチャンネルにて各モードをより深く紹介していた動画『「EA SPORTS WRC」モードと機能 Deep dive』が公開されましたので、今回はその中身を紹介していきます。
●「キャリア」モード:いきなりWRCカテゴリーに挑戦もよし、ジュニアWRCからステップアップもよし
今作のメインモードである「キャリア」。過去の作品にも登場しているモードで、その名の通りWRC新人ドライバーとしてシーズンに臨んでいきます。ドライバーとなるプレイヤーは、ただラリーカーを走らせるだけではなく、自分が所属するチームのハンドルも握ります。
限られた資金でのパーツ開発、スタッフの雇用・休息などのスケジュール管理と同時に、WRCイベント以外のサブイベントに出場し、資金調達などWRCチーム運営を体験できます。
このキャリアモードでは、最初にトヨタが出場している「WRCクラス」、シトロエンやシュコダなどが出場している「WRC2クラス」、そして未来のWRCチャンピオンを目指すルーキーがまず挑戦するWRCの登竜門「ジュニアWRCクラス」の3カテゴリーのどこからキャリアスタートするかを決められます。
いきなり注目のルーキードライバー気分でトップカテゴリーのWRCに挑戦するのもいいですが、やはりジュニアWRCからWRC2、そしてWRCと時間はかかりますが、順番にステップアップをしてその間の苦楽を楽しむのがオススメです。
●「ビルダー」モード:コリン・マクレーの夢を受け継げ! 自分が思う理想のラリーカーを生み出す
今作で間違いなく最も注目を集めているモード「ビルダー」。今回公開された映像では、このモードの解説の前に、何やら見慣れないラリーカーについて触れていました。それは、コリン・マクレーが生前自身の名を与え開発が進められていたラリーカー「マクレーR4」なのです。
余談として、このマクレーR4について触れていきます。
マクレーがシトロエンワークス所属でレギュラードライバー最後の年になった2003年。マクレーは、英国にあるレーシングカーファクトリーDJM社に足を運んでいました。好奇心旺盛なマクレーは、時間さえあればいろんなラリーカーを乗り回したいと。しかし、ワークスドライバーである以上、他メーカーのマシンを好き勝手に運転するわけにもいきません。
そこでマクレーは、「自分オリジナルのラリーカーを作っちゃえばいいのでは?」と考えます。当時DJMがフォードのコンパクトカー「KA」をベースにしたキットカーを製作していたので、これの発展形でR4の開発・製作がスタートし、2007年のグッドウッド・フェスティバルでお披露目されました。
このマシンには今作を制作したCodemasters社も関わっています。ゲーム内に登場する「R400 CMR」ナンバーを装着している車両は、マクレーが生前ハンドルを握ったプロトタイプ第1号車です。詳しい話はまた別で紹介できたらと思います。
話を戻して、このビルダーモードは、ハイブリッドカーであるRally1規定のWRCクラス、1.6Lターボ+4WDのRally2規定のWRC2、そして実質フォーカスRally3のワンメイクとなっているジュニアWRC、それぞれのカテゴリーに沿ったオリジナルマシンを製作することが可能です。
そしてこれはゲーム、現実には許されないスタイルのラリーカーを作ることができます。なんと、エンジンの搭載位置を選択できます。エンジンを決めるとギアボックス、足回りなどのコンポーネンツを選択、その後ボディデザイン、エアロパーツ、インテリアまで自分の好みに選択できます。
しかし、自分の理想のマシンを作り上げるには多大なるコストがかかります。ですのでゲーム開始当初は、中古部品などで構成し、そのマシンでラリーを戦い資金を増やして徐々にアップデートしていく形になります。
●「モーメント」モード:WRC50年の名シーン、名勝負を体験してWRCフリークに!
このモードでは、WRCの歴史の中でも注目を集めた様々なラリーの一場面を、プレイヤーが追体験できるチャレンジモードです。
各チャレンジには、そのシチュエーションに沿った車とステージが用意されていて、クリアタイムが設定されています。しかし、チャレンジによっては開始時にダメージを負っていて全開走行ができない中で挑まなければならないものもあります。
クリアタイムは、全世界、全プラットフォームのドライバーとランキングで比較ができるので、何度もチャレンジをして世界トップランキングを目指してみませんか?
●「レギュラリティラリー」モード:スムーズなドライビングが求められる
このモードは、「レギュラリティラリー」という、今までとは違った形式のラリーを体験できます。その形式とは、現在のラリーの様にステージを最速で走るのではなく、指定された平均速度を目標に走ることを求められます。
スムーズかつ正確なドライビングテクニックが求められるので、なかなか難しそうです。しかし、このモードでテクニックを磨いていくと、スピードラリーでもスムーズな走りができるようになる…かもです。
●「ラリースクール」モード:初心者も上級者もテクニックの向上はここから
その名通り、EA SPORTS WRCの挙動をまず確認したり、ラリーゲーム初心者がテクニックを学ぶ場として用意されている「ラリースクール」。
様々なレッスンが用意されていますが、各レッスンともに同じコースレイアウト、マシンでアスファルト、グラベル、スノーでチャレンジできるので、効率よくラリーテクニックを学ぶことができますね。
●「クイックプレイ」モード:さくっと気軽に「EA SPORTS WRC」を深く楽しめる
今作には、上記のモード以外に好きなドライバーやマシンでWRCシーズンをチャレンジする「チャンピオンシップモード」が用意されていますが、この「クイックプレイ」は、国関係なく、好きなステージを組み合わせたスプリントイベントを作って楽しんだり、最大32人でのクロスプラットフォーム対戦ができたりします。
クロスプラットフォーム、つまりPS5、Xbox、PC関係なく対戦ができるので賑やかになりますね!
●「クラブ」モード:自分が考えたラリーをより多くの人達に遊んでもらおう
「クラブ」モードは、前作に相当する「DiRT Rally 2.0」にもあった機能で、これはクイックプレイで作った様々な条件下でのスプリントラリー、チャンピオンシップラリーをネットワーク上で共有をして世界中のプレイヤーに楽しんでもらうというものです。公開する期間も数日から数ヶ月まで幅広く設定ができるのでちょっとした大会もできますね。
●「タイムトライアル」モード:純粋に一発の速さを競う
最後に紹介する「タイムトライアル」は、その名の通りに任意のステージとマシンの組み合わせでの最速タイムを競うモードとなっています。全プラットフォームのプレイヤーと常にランキングで競う事ができます。
まだ詳細は明らかにされていませんが、今作発売後に予定されているWRC公式eMotorsports大会も、このモードが活用されるとのことです。
いかがだったでしょうか? 今回はゲームシステムそのものに触れた内容になりましたが、思った以上にボリューミーかつマニアックな内容で、ラリーフリークなファンはもちろんのこと、ラリーゲーム初心者でも楽しめる内容に仕上がっていそうで発売日がより待ち遠しくなってきました。
WRC(世界ラリー選手権)公式ゲーム「EA SPORTS WRC」は、PS5/Xbox Series X/S/PC(Steam、EPIC Games)で2023年11月3日発売予定ですが、各プラットフォームオンラインストアで予約注文すると、発売3日前の10月31日からプレイ可能です。
(栗原 淳)