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■仕事で使うので快適さを考慮し、シートとタイヤを最初にカスタマイズ
●荷物もたくさん運べるこだわりの1台、それが「T6トランスポーター」
仕事柄、車で荷物を運ぶことが多い大西俊郎さん。実用性を考えれば、世界が認める無敵の実用車“トヨタ・ハイエース”をチョイスするところ。しかし大西さんは、仕事に対するモチベーションを重視して選んだと言います。そのパートナーがフォルクスワーゲン・T6トランスポーターでした。
フォルクスワーゲン・T6トランスポーターは日本市場には正規輸入されていないモデルで、ドイツからの新車並行の右ハンドル車をオーダー。2019年に購入した際、価格は1000万円オーバーだったそうです。
フォルクスワーゲン・T6トランスポーターのルーツは、かつて日本市場においてフォルクスワーゲン・カラベルやフォルクスワーゲン・ヴァナゴンという名前で販売されていた1BOX車です。
今回紹介するフォルクスワーゲン・T6トランスポーターは、2016年から欧州で販売開始されました。フロントは、最新のフォルクスワーゲンらしいデザインとLEDヘッドライトを採用。一方のリアコンビネーションランプにLEDライトを採用しているものの、先代から観音開きのリアドアを採用しています。
フォルクスワーゲン・T6は、乗用タイプと貨物車/キャンパータイプの大きく2種類に分けられます。前車は人を乗せることがメインのタイプで、大西さんのトランスポーターは貨物の運搬を目的にしたタイプです。
大西さんのフォルクスワーゲン・T6トランスポーターに搭載しているエンジンは、最高出力199ps・最大トルク450Nmを発生する2L直列4気筒ディーゼルツインターボ。組み合わされるトランスミッションは7速DSG。駆動方式は4モーションと呼ばれる4WDで、燃費性能は約12.05km/Lとなっています。
さらに運転支援機能である、追従走行が可能なアダプテォブクルーズコントロールや、緊急エマージェンシーブレーキを装着しており、快適性もバッチリです。
大西さんは、このフォルクスワーゲン・T6トランスポーターのほかに、1965年式のタイプI、そして964型ポルシェ911を所有しているフォルクスワーゲン・フリークなのです。
そんな大西さんにフォルクスワーゲンの魅力を聞いてみると「タイプIのほかにもゴルフR32やフォルクスワーゲン・ティグアンにも乗りました。フォルクスワーゲンはドイツ車のイメージである“質実剛健”を具現化していると思いますし、それが最大の魅力だと思います。
フォルクスワーゲンは、あくまでも大衆車ですからシンプルです。しかし、そのシンプルな部分に機能性などが盛り込まれていて、期待を裏切らないクオリティが魅力だともいます」と話してくれました。
●ハイエースやキャラバンじゃない、自分らしい1台を
大西さんはフォルクスワーゲン・T6トランスポーターを選んだ理由として、仕事に対するモチベーションを挙げてくれましたけど、それはどのような意味なのかを尋ねてみました。
「実用性だけを考えれば、トヨタ・ハイエースや日産・キャラバンを選んだほうが賢い選択だと思います。コストも抑えられますし。しかし、自分はいつでも自分の好きなモノに囲まれた空間にいたいと思っています。だから、大切な荷物を運ぶ時も、自分の好きなブランドに囲まれていたい。そんな理由からフォルクスワーゲン・T6トランスポーターを選んだのです」。
そして、大西さんは続けて「現在は仕事用に使っていますけれど、将来は車中泊しながら旅行したいと思っています。だから実用性だけでなく、おしゃれなフォルクスワーゲン・T6トランスポーターを選びました」と話してくれました。
並行車で苦労する点は?と聞くと、エンジンのインジェクターが壊れやすいことだそうで、交換するのに1本11万円もするそうです。
大西さんはフォルクスワーゲン・T6トランスポーターに、長時間乗っても腰が痛くならないようにと、医療用のレカロシートを装着。レールはオリジナルで製作というこだわりです。
また、ローダウンした足元には、黒に塗装されたスチールホイールに、235/45ZR19インチのミシュラン・パイロットスポーツ4を装着しています。
カスタマイズのポイントを尋ねると、「実用性重視の車なので、シンプルさを追求しています。タイヤにオーバークオリティと言われそうなパイロットスポーツ4を装着している理由は、命を預けていますし、大切な荷物を積んでいますから。タイヤにこだわるのは当たり前だと思っています」と話してくれました。
仕事で毎日使う車だから、装着するタイヤに最もこだわる。自分の命や大切な商品を運ぶ大西さんにとって、最も重要なカスタマイズと言えるようです。
(文・写真:萩原 文博)