E127系が9月13日に南武線浜川崎支線でデビュー

■新潟から首都圏に転属

新潟エリアから南武線浜川崎支線(以下南武支線)に転用改造されたE127系が、9月13日から営業運転を開始しました。

新潟から首都圏に転属して南武支線で運用を開始したE127系
新潟から首都圏に転属して南武支線で運用を開始したE127系

南武支線は尻手〜浜川崎間4.1kmを結んでいる路線で、途中に八丁畷、川崎新町、小田栄の3駅が設置されています。終点の浜川崎駅では鶴見線に接続。鶴見線は京浜工業地帯を走る通勤路線で、南武支線も通勤客が多く利用しています。

一方で、日中の利用客はそれほど多くないため、2両編成の車両を朝の通勤時間帯に約10分間隔、夕夜の通勤時間帯に約20分間隔で運行するのに対して、日中は約40分間隔となっています。

101系はJR東日本時代にワンマン運転仕様に改造
101系はJR東日本時代にワンマン運転仕様に改造しました

南武支線では、主に都心部の通勤路線で使用していた車両を2両編成化して転用していました。1980〜2003年に使用された101系は、容易に2両編成化ができましたが、JR東日本発足後にワンマン運転仕様に改造しています。

2002年から活躍している205系は中間車に運転台を取り付ける改造を行いました
2002年から活躍している205系は中間車に運転台を取り付ける改造を行いました

しかし、最近の電車は簡単に2両編成化することができなくなっていて、2002年に中央総武線および山手線から転用された205系は、中間車に運転台を設置するなどの大がかりな改造を行っています。もちろんワンマン運転仕様です。

鶴見線で現在運用している205系も老朽化が進んでいます
鶴見線で現在運用している205系も老朽化が進んでいます
鶴見線には新型車両のE131系を導入して205系を置き換えます
鶴見線には新型車両のE131系を導入して205系を置き換えます

205系も製造以来35年以上が経過し老朽化していて、後継車が必要となりました。これは南武支線のお隣の鶴見線についても同様で、こちらは新型車両のE131系を冬から導入することが発表されています。

新潟エリアで活躍していた頃のE127系。3ドアの2両編成で、ワンマン運転仕様です
新潟エリアで活躍していた頃のE127系。3ドアの2両編成で、ワンマン運転仕様です

一方、南武支線には新潟エリアで使用していたE127系を転用することになりました。E127系は3ドア車で、205系の4ドア車とドアの数・位置が変わります。しかし、E127系は元々2両編成で、ワンマン運転に対応しているので、最小限の改造で転用しています。

外観については帯色の変更と号車表示の設置程度の違いです。車内も座席などは新潟時代のままです。

新潟エリアも南武支線もワンマン運転を行いますが、新潟エリアでは車内収受方式、南武支線では駅精算方式とワンマン方式が違います。そのため、新潟エリアで使用していた運賃箱、料金表、整理券発行器は撤去しました。

2編成目も9月13日の運転開始前に到着しました
2編成目も9月13日の運転開始前に到着しました

また新潟エリアで使用していたトイレも廃止。ただし施錠して締め切り扱いとして改造を最小限に留めています。

E127系は新潟エリアに残っていた2編成を南武支線に転用。9月13日は2編成とも使用されました。

しかし205系は予備車を含めて3編成在籍していますので、完全な置き換えには至っていません。そのため、当面は3ドアのE127系と4ドアの205系を混用することになりますが、今後3編成目をどうするかが注目です。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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