アメリカ軍の消防車を日常的に見られる場所が横浜にある!

■横浜の住宅地に突如出現するアメリカ軍の消防署

横浜市の根岸森林公園がある閑静な住宅地に、ちょっと変わった消防署があります。建物の中に並んでいる消防車はお馴染みの真っ赤ではなく、赤白のツートンカラーです。実はここ、アメリカ海軍の第5消防署なのです。

横浜市根岸の住宅街にある米海軍第5消防署
横浜市根岸の住宅街にある米海軍第5消防署

この日は4台のポンプ式消防車が並んでいました。そのうち2台は日野製。もう2台はいかにもアメリカンスタイルな消防車で、1台はボンネットタイプでした。

左の2台はアメリカンスタイルの消防車
左の2台はアメリカンスタイルの消防車

ボンネットタイプの消防車はフロントウインドウにR-2の文字が入っています。RはRESERVEの頭文字で、予備車両であることを意味しています。

クラシカルなボンネットタイプの消防車R-2
クラシカルなボンネットタイプの消防車R-2

ボンネットタイプのシャーシはインターナショナル社製で、ピアース社の装備を艤装しています。ポンプ能力は4750L/m、容量2000Lの水槽と容量200Lの泡剤タンクを搭載しているそうです。

なお、日本国内で運用するため右ハンドル仕様になっています。

フロントウインドウにE5-1という文字が入った消防車はピアース社セーバーシリーズで、2018年に配備されました。こちらも右ハンドル仕様。なお、EはENGINEの頭文字です。

2018年に配備されたピアース社製セーバー消防車E5-1
2018年に配備されたピアース社製セーバー消防車E5-1
E5-1は東京国際消防防災展2023でデモンストレーションを行ないました
E5-1は東京国際消防防災展2023でデモンストレーションを行ないました

ポンプ能力は4750L/m、容量2800Lの水槽と容量200Lの泡剤タンクを搭載しているそうです。この消防車は東京国際消防防災展2023のデモンストレーションにも参加していました。

2台いた日野製の消防車。このうちフロントウインドウにE5-2の文字が入った車両は日野プロフィアのシャーシにモリタの装備を艤装しています。フロントグリルにアメリカと日本の国旗が描かれているのが特徴です。

フロントグリルにアメリカと日本の国旗が描かれた日野製消防車E5-2
フロントグリルにアメリカと日本の国旗が描かれた日野製消防車E5-2
E5-2も東京国際消防防災展2023で展示されていました
E5-2も東京国際消防防災展2023で展示されていました

ポンプ能力は3785L/m、容量2838Lの水槽と容量151Lの泡剤タンクを搭載しています。この消防車も東京国際消防防災展2023で展示されていました。

もう1台の日野製はE6-2。日野レンジャーのシャーシにモリタの装備を艤装しています。E6-2は本来鶴見貯油施設に配備されているのだそうです。ポンプ能力は3800L/m、容量2000Lの水槽と、容量380Lの泡剤タンクを搭載しています。

E6-2は日野レンジャー+モリタ。本来は鶴見貯油施設に配備されているそうです
E6-2は日野レンジャー+モリタ。本来は鶴見貯油施設に配備されているそうです

ところでなぜ米軍の消防署がこんな所にあるのでしょうか。その理由はこの近くに米軍根岸住宅地区があるからです。

日本には米軍の基地や住宅が各地にあります。これらのエリアは日本の中にある外国で、警察や消防署もあります。第5消防署もそのひとつです。ただし米軍の消防署は米軍の敷地内にあって日本の公道に面した場所にはないのが普通です。

実は第5消防署のある場所も米軍の敷地内です。根岸森林公園がある旧根岸競馬場一帯は戦後米軍に接収されていました。返還後も一部が米軍施設として残っていて第一物見所が有名です。

旧根岸競馬場の第一物見所は現在も米軍の敷地内にあります
旧根岸競馬場の第一物見所は現在も米軍の敷地内にあります

第5消防署も返還されていない場所にありますが、敷地内には道路がないこと、根岸住宅地区は少し離れているので、日本の公道に面している珍しい米軍消防署となっています。

なお、根岸住宅地区は返還されることで合意していて、消防部隊を除く住民は2015年までに退去を完了しています。消防部隊は引き続き根岸住宅地区の立哨業務と警備巡回を行っているので、第5消防署も当分は存続するのではないかと思われます。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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