ガソリンはギリギリまで給油しちゃだめ?セルフスタンドの継ぎ足しが危険なワケとは【セルフ給油の基礎知識2023年版】

■給油機が自動で止まったら注ぎ足し給油は厳禁

セルフスタンドで「ギリギリまで給油したい」と思ったことありませんか?
セルフスタンドで「ギリギリまで給油したい」と思ったことありませんか?

皆さん、1ヵ月にどのくらい給油に行きますか。

めんどくさがりの筆者はできるだけ回数を減らそうと考えて、「給油口ギリギリまで入れちゃえ」なんて考えたりします。給油機によるオートストップで給油が停止したあとにチョロチョロと給油する、いわゆる継ぎ足し給油ってやつですね。

でもこの継ぎ足し給油、かなり危険なんだそうです。普通、給油機って満タンになると自動で止まりますよね。これって給油ノズルの先に仕掛けがあって、給油中、ガソリン(あるいは軽油)を注ぐのと同時にわずかな空気を吸い上げて、その圧力を計測しているんだとか。今度給油に行ったら、給油ノズルの先を見てください。小さい穴が開いているはずです。

燃料タンクが満タンになると、給油ノズルの先がガソリンの液面に触れて、この小さい穴から吸い込む空気の圧力が変化します。流体力学でいう「ベンチュリ―効果」ってやつです。この変化を圧力センサーが感知して、給油が止まる仕組みです。

給油機がストップしたら給油はそこまで!
給油機がストップしたら給油はそこまで!

ところが継ぎ足し給油になると、少しずつガソリンを注ぐためにこの圧力変化を感知しにくく、自動停止しないケースがあるのだそうです。最悪の場合タンクからあふれてしまうのですが、危険だしガソリンは無駄にするし、クルマの塗装にも悪影響を及ぼします。

実際、軽トラの荷台に積んだガソリン携行缶に給油中、静電気から引火するというニュースが話題になったことがあります。火はすぐ消し止められたので大事故には至らなかったようですが、ガソリンはマイナス40度で気化するので、本当に慎重に扱う必要があるようです。

最近は有人のガソリンスタンドでも、継ぎ足し給油を控える施設が増えているようです。セルフスタンドでも継ぎ足しはせずに、スマートに給油するのが正解のようですね。

(文:角田伸幸

※2022年6月14日の記事を2023年9月8日に再編集しました。

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この記事の著者

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角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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