東京〜福井間を最速2時間51分で直結。北陸新幹線・金沢〜敦賀間は2024年3月16日に開業

■首都圏・関西・名古屋から北陸3大都市への所要時間を短縮

JR西日本は2023年8月30日(水)に、北陸新幹線・金沢〜敦賀間の開業に伴う運行計画の概要を発表しました。金沢〜敦賀間は2024年3月16日(土)に開業し、現在活躍しているJR東日本E7系とJR西日本W7系を使用した「かがやき」「はくたか」「つるぎ」を運行します。

現在の北陸新幹線の終点金沢駅に並ぶJR東日本E7系(左・右)とJR西日本W7系(中)
現在の北陸新幹線の終点金沢駅に並ぶJR東日本E7系(左・右)とJR西日本W7系(中)

敦賀延伸後、東京〜敦賀間を直通する列車は、速達タイプの「かがやき」9往復と、停車タイプの「はくたか」5往復の合計14往復が設定されます。

最速列車は、東京〜福井間を現行よりも36分短縮した2時間51分で結びます。これにより、富山・金沢・福井の北陸3大都市と東京が、3時間以内で結ばれることになりました。

東京〜福井間の所要時間は最速で3時間を切る2時間51分となります
東京〜福井間の所要時間は最速で3時間を切る2時間51分となります

東京〜敦賀間は、現行の北陸新幹線経由よりも50分短縮した3時間8分で結びます。こちらは東海道新幹線米原経由の2時間51分よりも所要時間が長くなりますが、乗り換えなしで直通するというメリットがあります。

在来線の特急に接続する「つるぎ」は、富山〜敦賀間に18往復、金沢〜敦賀間に7往復の合計25往復を設定。敦賀駅では、大阪発着の特急「サンダーバード」、名古屋・米原発着の特急「しらさぎ」と接続します。

在来線特急に接続する「つるぎ」は富山・金沢〜敦賀間を運行します
在来線特急に接続する「つるぎ」は富山・金沢〜敦賀間を運行します

「サンダーバード」+「つるぎ」は大阪〜福井・金沢・富山間をそれぞれ最速1時間44分(現行より3分短縮)、2時間9分(22分短縮)、2時間35分(29分短縮)で結びます。また、東海道新幹線+「しらさぎ」+「つるぎ」では、名古屋〜福井・金沢・富山間の最短時間はそれぞれ1時間33分(3分短縮)、2時間9分(16分短縮)、2時間35分(23分短縮)となります。

北陸新幹線敦賀延伸後の停車駅パターン(JR西日本プレスリリースより)
北陸新幹線敦賀延伸後の停車駅パターン(JR西日本プレスリリースより)

金沢〜敦賀間の途中駅は、小松・加賀温泉・あわら温泉・福井・越前たけふの5駅。この区間では「かがやき」5往復と、「つるぎ」9往復が福井駅のみ停車。福井駅以外の各駅には、「はくたか」全列車と「かがやき」2往復、「つるぎ」16往復が停車します。

●在来線の特急は敦賀〜金沢間を廃止

北陸新幹線敦賀延伸後の新幹線・特急の運行体系(JR西日本プレスリリースより)
北陸新幹線敦賀延伸後の新幹線・特急の運行体系(JR西日本プレスリリースより)

北陸新幹線・金沢〜敦賀間の開業に伴い、在来線の北陸本線・敦賀〜金沢間は第三セクターに経営分離され、この区間を走る在来線特急列車は、運転区間の短縮および廃止されることになりました。

「サンダーバード」は大阪から北陸新幹線「つるぎ」に接続して北陸の都市を結びます
「サンダーバード」は大阪から北陸新幹線「つるぎ」に接続して北陸の都市を結びます

大阪発着の特急「サンダーバード」は、敦賀〜金沢・和倉温泉間を廃止して、大阪〜敦賀間を25往復運行します。名古屋・米原発着の「しらさぎ」も、敦賀〜金沢間を廃止。名古屋〜敦賀間8往復と米原〜敦賀間7往復を運行します。

名古屋・米原を発着するほか、東海道新幹線にも接続する特急「しらさぎ」
名古屋・米原を発着するほか、東海道新幹線にも接続する特急「しらさぎ」

北陸新幹線と完全に並行する、敦賀〜金沢間を運行している特急「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」、および福井〜金沢間を運行している特急「ダイナスター」は廃止され、代わりに北陸新幹線「つるぎ」を5本設定します。

福井〜金沢間を運行している「ダイナスター」は廃止されます
福井〜金沢間を運行している「ダイナスター」は廃止されます

この5本は在来線特急に接続しないので、シャトルタイプではない「つるぎ」が誕生することになります。

金沢〜和倉温泉間を走る観光特急「能登かがり火」
金沢〜和倉温泉間を走る観光特急「能登かがり火」

一方、七尾線・金沢〜和倉温泉間を結ぶ特急「能登かがり火」は5往復が存続。北陸新幹線と接続して七尾・和倉温泉を結ぶ役目を引き続き担います。同じ区間を走る観光特急「花嫁のれん」についてはアナウンスがありませんが、恐らく存続するのではないかと思われます。

北陸新幹線敦賀延伸後も存続することになった「能登かがり火」
北陸新幹線敦賀延伸後も存続することになった「能登かがり火」

北陸新幹線・敦賀延伸により、東京から福井県へ行くのが便利になるほか、関西・名古屋から北陸への所要時間も短縮されます。2015年の北陸新幹線・金沢延伸以降、北陸観光が盛り上がりを見せていましたが、2024年はさらに盛り上がりそうです。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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