■プロドライバーも恐れる「緑の地獄」を平然と走る
すでに世界で大人気を集めているフォルクスワーゲン(VW)の新型ミニバン、「ID.BUZZ」に設定される最強バージョン「GTX」が、ニュルブルクリンク高速テストを開始しました。
テストが行われているニュルブルクリンク北コース(通称:緑の地獄)は、平らな部分がほぼなく、路面は波打っており、プロドライバーですら恐れる過酷なサーキットです。パフォーマンスモデルの開発車両でも容易ではない中、このミニバンはなんのトラブルもなく、何周も走ったといいます。
VWブランドの「G」で始まるVWの高性能バージョンには、「GTI」やプラグインハイブリッドの「GTE」などが存在しますが、「GTX」はフルエレクトリックモデルの頂点に立ちます。
ニュルブルクリンクで捉えたプロトタイプは、ほぼフルヌードに近く、そのフロントエンドでは、下部バンパーに車両の全幅にわたるワイドな開口部を装備。
コーナーには三角のエアインテークを配置し、最下部にはハニカムメッシュの台形グリルが確認できます。
足回りには、市販型にも採用されるとみられる、黒いセンターと金属製のリムを備えた5本スポークデザインのホイールを装着。リアエンドは、ベースモデルとほぼ同じですが、最終的には専用の大型ルーフスポイラーなどが装備される可能性もあるでしょう。
キャビン内は見えませんが、VW商用車研究開発責任者のカイ・グルエニッツ氏は以前、GTXには特別な外装色、ユニークな内装、そして「いくつかの追加機能」が搭載されると述べており、期待が高まります。
GTXでは、電気モーターを使用して各アクスルに電力を供給。VWはすでにベースの後輪駆動モデルの総出力が282psであるのに対し、GTXの総出力は340psで、0-100km/h加速を6.4秒で走ることを発表していますが、トルク出力とバッテリー容量はまだ公表されていません。
GTXバージョンのワールドプレミアは、2024年内と予想。すでにベースモデルの日本導入も期待されており、いずれこのGTXも国内発売される可能性もあります。
ただし、ベースモデルでも1000万円近いと思われ、GTXでは1500万円級になるかもしれません。