■デートカーにふさわしい
ホンダZR-Vのいいところは、なんといっても走りと実用性のバランスでしょう。スポーツカーかと思うほど、峠道を楽しく運転できるハンドリングの素晴らしさを持ちつつ、リヤシートスペースは広いし、ラゲッジルームも実用的。
オールラウンダーというのは、こういうクルマのことを言うんでしょうね。とてもバランスの取れたクルマだと思っています。
でも、この記事のテーマは、クルマとしてバランスがいいかどうかではありません。あくまで「デートカーとしてどうか?」です。
そういう視点で見た場合、ZR-Vはどうなのでしょうか?
デートカーとして大切なのは、まず雰囲気。それに関しては、ZR-Vはかなりいい線いっていると思う。
まず、デザインに生活感がなく適度にオシャレ。デートカーは“ドキドキ”を味わうイベントだから、そこに安心感はいらない。生活感は安心に直結するから、デートカーには生活感がなければないほどいいのだ。
ZR-Vみたいな、どことなくイタリアの彫刻みたいなデザインは、デートカーにこそふさわしいといっていいのではないでしょうか。
インテリアだってそう。チープな感じは一切なく、しっかりとエレガント。ハニカムメッシュで覆ったダッシュボードのエアコン吹き出し口とか、ソフトパッドを張って革張り風に仕立てたセンターコンソールなんて、本当にいい雰囲気。これならデートカーとして申し分ない。
エレガントなスタイルと、上質感のあるインテリア。このふたつがそろえば、デートカーとしては8割がた合格。
もう、ZR-Vでのデートは成功したも同然でしょう。
●運転は楽しいけれど
あとは何が必要か?
たぶん、優しい運転じゃないでしょうか。急加速や急ハンドルなんてご法度。彼女が不快にならないようなスマートな運転をしないと。
あまりの快適ぶりに、助手席で彼女が寝ちゃうくらいの運転が望ましいと思うわけです。
実はZR-Vは走りも自慢で、素直なハンドリングで意のままに運転できるのが魅力。しかも、ハイブリッド車なのにアクセルを踏み込むと、加速とともにエンジン回転が高まっていき、エンジンを失火させてシフトアップの感覚を作る凝った演出で、まるでエンジン車のように爽快に走れるのが面白いところです。
だから、ついついアクセルを踏み込んで気持ちよく走りたくなっちゃうんだけど……ドライブデート中はそんな気持ちはグッとこらえないと。
あれ、もしかして運転が楽しいクルマはドライブデートには向いていないのかな……?