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■筑肥線電化40周年と福吉〜浜崎間開業100周年でリバイバル
JR九州は、筑肥線電化40周年と福吉〜浜崎間開業100周年を記念して、筑肥線・唐津線用103系1500番代のうち1編成を、スカイブルー+クリーム色帯とJNRマークの国鉄色にリバイバル。2023年8月8日(火)から運行を開始しました。
103系1500番代は、筑肥線・唐津線・姪浜〜西唐津間の電化、および福岡市地下鉄空港線(当時は1号線)乗り入れ用の車両として、1982年に6両編成9本、54両が製造されました。
1987年4月1日に、JR九州が全車を承継。1989年に6両編成4本の中間車に運転台を設置する改造を行って、3両編成8本に分割しました。3両編成は利用客が少ない筑肥線・唐津線・筑前前原〜西唐津間に対応したものです。
姪浜〜筑前前原間の列車および福岡市地下鉄に乗り入れる列車は、改造されなかった6両編成5本、もしくは3両編成を2本連結して使用。筑前前原で、3両編成に分割する列車も運転されました。1995年に103系1500番代の塗装を、シルバーとJR九州のコーポレートカラーである赤に変更しています。
2015年に後継車の305系6両編成6本に置き換えられて、103系福岡空港〜筑前前原間の運用を終了。103系1500番代6両編成は順次引退しました。3両編成も一部が廃車となっていて、現在は3両編成5本15両が筑前前原〜西唐津間で運用しています。
●21年にわたって3447両が製造された103系
103系は、1963〜1984年にかけて製造された通勤形電車です。駅間距離が短い通勤路線向けに高減速度を重視すると同時に、電動車比率を1:1として経済性を高めたのが特徴。
首都圏(山手線・京浜東北線・中央快速線・中央総武線・常磐線・埼京線他)・名古屋(中央本線)・関西(京阪神緩行線・大阪環状線・片町線・関西本線・阪和線他)・福岡(筑肥線・唐津線)などの通勤路線で活躍しました。
103系の製造両数は3447両で、国内の電車では最多。1993年に製造した試作車900番代に続いて、1964年から製造された量産車の基本となる0番代は、20年にわたって製造されたため、1970年製造の試作冷房車、1971〜1972年製造の1次改良車、1973年製造の新製冷房車、1974〜1984年製造の新製冷房車・高運転台先頭車と、幾度もマイナーチェンジを実施しています。また、地下鉄乗り入れ用の車両として、1000番代・1200番代・1500番代が製造されました。
このほか、他形式から改造されて103系に編入された車両が56両存在。逆に、他形式に改造した103系が61両存在しました。
●JR西日本でも最後の103系が活躍
現在、JR東日本・JR東海の103系は全車引退しています。JR西日本も、播但線と加古川線で運用している34両だけに減少。JR九州筑肥線・唐津線の1500番代15両と合わせて、49両が残るのみです。
播但線には、1998年の姫路〜寺前間の電化に合わせて導入した103系3500番代2両編成9本18両が活躍しています。103系3500番代は、全て中間車に運転台を設置した改造車。寺前側と姫路側で経緯が異なりますが、どちらも1次改良車に準じた低運転台を設置したので、0番代の原型に近いスタイルとなっています。
加古川線には、2004年に103系3550番代2両編成8本16両を導入して、加古川〜西脇市間で運用しています。3550番代も中間車に運転台を取り付け改造しましたが、3500番代と違って完全なオリジナルデザインとなっています。
103系3550番代の見た目は103系とかなり印象が違いますが、走行音は紛れもなく103系です。
最後まで残った49両の103系に今後も注目していきたいと思います。
(ぬまっち)