■スカイラインNISMOには、わずか100台だけ手組みエンジン仕様が存在
匠が手組みしたエンジン。
クルマ好きにとっては、なんと心惹かれる響きなのでしょうか。今どき、クルマのエンジンはスポーツカーであっても製造ラインでの大量生産が常識。そんな中、あえて手間をかけて職人が組み上げるエンジンは、特別なエンジンに他なりません。
国産車で手組みのエンジンを積んでいるのは、トヨタだと「GRヤリス」や「GRカローラ」。日産だと「GT-R」。個人的には、それらは性能面のメリット云々よりも、ロマンのある特別な仕立てのエンジンだと思っています。
そんな中、驚いたのが、新たに発売された「スカイラインNISMO」のVR30DDTTエンジン。同車は限定1000台ですが、それとは別枠で、わずか限定100台だけが市販される「スカイラインNISMO Limited」のエンジンはなんと手組みというじゃないですか。
エンジンが組み立てられるのは、日産の横浜エンジン工場。スカイラインNISMO Limited用のエンジンは、GT-Rのエンジンと同じく、同工場の“匠ライン”にて、埃や塵を排除したクリーンルームで熟練の職人により作られるのだそうです。
いやはや、なんとも特別感を感じる演出。そして、それを手にできるオーナーがうらやましい。
●エンジンを手組みするメリットはどこにある?
ちなみに、手組みされたスカイラインNISMO Limited用のエンジンも、最高出力や最大トルクなどのスペック的には、手組みではないエンジンのスカイラインNISMOと変更なし。
ではどうして特別に手組みするかといえば、バルブクリアランスを高精度化するとともに、性能のバラつきを極限まで低減できるのだそうです。
バルブクリアランスは、基準値から±20μmの範囲以内に抑えるそうですよ。ちなみに、20μメートルとはコピー用紙の厚さの1/4程です。職人スゴい…。
スカイラインNISMO Limitedは、抽選で選ばれた100人だけがオーナーになれますが、手に入った幸運な人は、数字には表れない極上のフィーリングと特別感をぜひ味わってください!
ちなみに価格は、スカイラインNISMOの標準車が788万400円。RECAROシート+カーボン製フィニッシャー装着車が847万円。
そして、手組みエンジンを積む「スカイラインNISMO Limited」が100台限定で947万9800円(RECAROシート+カーボン製フィニッシャーは標準装備)です。
(文:工藤 貴宏/写真:井上 誠)