■720Sをベースに30kgのダイエットと30馬力のパワーアップを実現しパフォーマンスを向上
モータースポーツの最高峰であるF1。2023年シーズンではレッドブル・ホンダが、1988年にマクラーレン・ホンダが打ち立てた開幕11連勝を上回る12連勝を達成し、どこまで記録が続くのか楽しみとなっています。
ホンダと決別したマクラーレンもイギリスGPから調子を上げて、ランド・ノリスがイギリスGP、続くハンガリーGPで連続2位表彰台を獲得しています。
F1も好調な波に乗りつつあるマクラーレンが2023年8月2日(水)、アルティメット、スーパーカー、そしてGTという3つのモデルラインアップの中で、コアモデルとなるスーパーカーシリーズのニューモデル・750Sを日本初公開しました。
マクラーレン・750Sは、2017年7月に日本市場に導入されたマクラーレン・720Sの進化バージョンで、車両本体価格はクーペが3930万円から、スパイダーが4300万円からとなっています。
マクラーレン・750Sは、マクラーレンの中で最も軽量かつ最もパワフルなモデルで、パワーウェイトレシオは、同じカテゴリーの中で587ps/t(クーペの最軽量乾燥重量で計算)で、ライバル車よりも22ps上回っています。
マクラーレン・750Sのボディサイズは、全長4,569mm×全幅1,930mm×全高1,196mmです。最軽量乾燥状態の車両重量は、クーペが1,277kg、スパイダーが1,326kgとなっています。
750Sクーペはベースとなった720Sに対して、カーボン・ファイバー製モノコック構造を核に軽量化を図り、DIN重量で30kgも軽量化を行っています。
この30kgのダイエットを実現させるために、カーボンファイバー製シェルのレーシングシートをはじめ、最軽量ホイール、軽量化したフロント&リアバンパーを採用するなど、数々の工夫で重量を削減しています。
また、オープンモデルのスパイダーは、カーボン・ファイバー製アッパー・ストラクチャーとコンポジット製リトラクタブル・ハード・トップ(RHT)を採用し、クーペからの重量増加はわずか49kg。開閉時間は約11秒で、時速50km/hまで操作可能となっています。
スーパーカーベンチマークとなった720Sから、約30%のコンポーネントを刷新あるいは変更。さらにデザインの改良点として、フロントバンパーおよびスプリッター、アイソケット、サイドエアインテーク、新設計のリアバンパーおよびデッキ、そして延長されたアクティブリアウイングなどにより、ダウンフォース量は5%増加しています。
インテリアはドライバー中心に設計され、ステアリングやセンターパネルにも極力、ボタンやスイッチ類を排除したシンプルなデザインが特徴です。
マクラーレン・750Sに搭載されているエンジンの最高出力は、720Sより+30psを実現した750ps。最大トルクも+30Nm向上した800Nmを発生する4L V型8気筒ツインターボ。組み合わされるトランスミッションは、ファイナルギアを変更した7速DCTとなっています。
駆動方式はミッドシップに搭載したV8ツインターボエンジンを後輪駆動させるMR。クーペの0-100km/h加速は約2.8秒、0-300km/h加速は約19.8秒と、高いパフォーマンスを発揮します。
さらに、サーキット走行で威力を発揮する新機能、「リミット・ダウンシフト」をトランスミッションに採用しました。スポーツとトラックモードを選んだ時に、この機能が作動し、エンジン回転と車速が合うタイミングで変速を行えます。
マクラーレン750Sには車両本体価格に、新車購入日から3年間有効で、走行距離無制限の車両保証をはじめ、3年間の定期点検、メンテナンスプランも標準装備されます。
また、塗装の保証は3年間、外部パネルの錆保証は5年間、ボディのサビ穴保証は10年間となっています。
今回公開されたマクラーレン750Sはすでに予約が始まっていて、年内納車はいっぱいとなっていますが、すぐにオーダーすれば、来年の2024年夏までには納車可能とのことです。気になる人は急いだ方がいいでしょう。
(文・写真:萩原 文博)