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■空飛ぶクルマ「Honda eVTOL」も受賞
近年、映画や動画の世界では、3DのCGアニメも数多く作られており、リアルで迫力あるシーンが楽しめますよね。
そんな最先端のテクノロジーを駆使して作られたのが、ホンダの160ccスクーター「ADV160」と、250ccスーパースポーツ「CBR250RR」のプロモーションビデオです。
いずれも、CGアニメの女性ライダーがマシンを駆ってストリートなどで疾走するシーンは、とてもリアルで迫力満点。かなりクオリティが高い作品に仕上がっているのですが、なんとこれら2つの動画が、世界的なデザインアワード「レッド・ドット・デザイン賞」のブランド&コミュニケーションデザイン部門で賞を獲得。
また、ホンダが実用化を目指し開発中の「空飛ぶクルマ」、電動垂直離着陸機の「Honda eVTOL」も、同じくデザインコンセプト部門のレッド・ドット賞を受賞したことが発表されました。
●1955年に設立された世界的なデザイン賞
今回、ホンダの動画などが受賞したレッド・ドットとは、1955年に設立された、世界的に最も権威あるデザインに関する賞の一つです。主催はドイツ・エッセンを拠点とするノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが行っています。
そんな歴史ある賞を獲得したのが、前述の通り、ADV160とCBR250RRのプロモーションビデオ。
ちなみに、ADV160は、156cc・水冷4ストローク単気筒エンジン「eSP+(イーエスピープラス)」を搭載するアドベンチャースタイルのスクーター。特に、タフで洗練された印象の外観は、オンロードはもちろん、オフロードなどのさまざまな道をアクティブに走りたくなるスタイルが魅力です。
また、CBR250RRは、ホンダのスーパースポーツCBR・RRシリーズの250cc版。1000ccの「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」や600ccの「CBR600RR」の末弟にあたるモデルです。
エンジンには、42PS/1万3500rpmを発揮する249cc・水冷4ストローク直列2気筒を搭載。車両重量168kgという軽量な車体と相まって、爽快な走りが楽しめることが魅力です。
また、スロットルバイワイヤシステムや3つの走行モードなど、最新の電子制御も満載で、幅広いスキルのライダーがアグレッシブなライディングを楽しむことができます。
●バイクの挙動はテストライダーが監修
そんな2モデルのプロモーションビデオでは、まず、ADV160では、ライダーだけでなく誰もがこのモデルの世界観を味わえる映像を目指して制作されました。人物、背景、バイクの全てを3DCGで制作されています。
特に、登場するCGアニメの女性ライダーが疾走するシーンは、スローモーションも織り交ぜながら、アクティブ感が満載。ストリートから郊外のワインディングなど、さまざまな道で、ADV160を疾走させるシーンが印象的です。
【本田技研工業YouTube公式チャンネル「Honda ADV160 “DISCOVER NEW EXCITEMENT”」】
また、CBR250RRのプロモーションビデオは、「誰でも気軽に操る喜びを感じることができる」という、このモデルの魅力を楽しく伝える映像を目指して制作されました。
こちらも、全て3DCGを駆使しており、市街地シーンでは身近な日常を演出。また、迫力のサーキットシーンでは、SF映画のような美しい近未来を表現することで、現実と幻想が入り交じる世界観が表現されています。
ちなみに、両ビデオ共に、バイクの走行シーンは、ライダーの動きや、走る、曲がる、止まるといったバイクの挙動をテストライダーが監修。とてもリアルな動きには脱帽です。
【本田技研工業YouTube公式チャンネル「CBR250RR “PLAY LEGIT”」】
●空飛ぶクルマはエクステリアが注目点
今回は、前述の通り、ホンダが開発中の電動垂直離着陸機「Honda eVTOL」も受賞しています。
電動化技術、燃焼や空力、制御技術など、ホンダのさまざまなコア技術を生かして開発中なのがこのモデル。ドローンのようなスタイルを持ち、人や荷物を載せて移動することを目的とする、いわゆる「空飛ぶクルマ」です。
eVTOLでは、環境負荷を低減するために、電動モーターとバッテリーで空を飛ぶことが一般的となっていますが、航続距離に課題もあります。そこで、このモデルでは、ガスタービンとのハイブリッドシステムを採用することで、より長い距離を飛行できることを目指しているといいます。
今回レッド・ドッド賞を受賞したデザインについては、特に、エクステリアが注目点。窓の面積を大きく取ることで、室内の広さ、明るさ、快適さを乗客が感じられるようなデザインを採用しているのだとか。そして、これにより、乗客1人1人のために特別で感動的な空間を提供できるようなフォルムとしているのだそうです。
(文:平塚 直樹)